
【新刊】『文学は何の役に立つのか?』平野啓一郎
¥2,750 税込
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四六判/344ページ
文学は、私たちの人生や社会に対して、どんな意味があるのだろうか。人間の生を真摯に見つめ、現代の問題群に挑み続ける小説家が、文学の力を根源から問う。大江健三郎、瀬戸内寂聴ら、先人たちの文業にも触れながら、芸術や社会へと多岐にわたる自らの思考の軌跡をたどる。読者を新たな視座へと誘うエッセイ・批評集成。
目 次
Ⅰ 文学の現代性
文学は何の役に立つのか?
死までの遠近──ジョブズ、私の友人、ハイデッガー
初めてゲラを手にした時
予測不能な世界を生きるために──『本心』連載を終えて
AIで亡き母を蘇らせたら
また新たな基礎的教養書の登場
──キャスリン・ペイジ・ハーデン『遺伝と平等──人生の成り行きは変えられる』
予期せぬことがなくなって──アンケート「予期せぬ笑い」
初めて真剣にワインを飲んだ日
傷ついた人間の痛みを語り抜く意志──ハン・ガン氏のノーベル賞受賞に寄せて
崩れ落ちてゆくような成熟──金原ひとみ『パリの砂漠、東京の蜃気楼』
“納得”することの他者性──遠野遥『改良』
奇妙な一年
作家と百年──『文藝春秋』創刊百周年に寄せて
ゼロ年代のドストエフスキー
〈影響〉の構造化と愛──『白痴』(ドストエフスキー)を中心に
三島戯曲の世界──フランス語版三島由紀夫戯曲集Le Théâtre selon Mishimaに寄せて
Ⅱ 過去との対話
個人と国家、そして諦念
鷗外の政治思想──『阿部一族』論
父子──古今名作散歩
体験、証言、記憶──成田龍一『「戦争経験」の戦後史』
恢復と自己貸与──ハン・ガン『すべての、白いものたちの』
事後的に発見され、新たな起点となる──私と安部公房
「日本」について質問された人──追悼 ドナルド・キーン
天性の人の語り手──瀬戸内寂聴さんのこと
瀬戸内文学の再評価に向けて──追悼 瀬戸内寂聴
「踏まえるべきもの」の絶えた時代に──追悼 古井由吉
大江以後も書き続けるということ──追悼 大江健三郎
戦後民主主義と文学
『オッペンハイマー』論──オッペンハイマーとクリストファー・ノーランの倫理
Ⅲ 文学と美
「国家」と「自然」
新しい辞書のための四つの言葉の定義──ことば、ぶんじん、カッコいい、あい
メビウスの輪を歩く人間──写真と安部公房
二度目の「さようなら」はなかった
実在を追究しないことの自由
領域としての黒──ヴァロットンの木版画
ボードレールの女性観──その一元性と多元性
豊饒なるゲルハルト・リヒター展
愉しいル・コルビュジエ
音楽も環境次第
「手書き」の文字と毛筆
「報酬性」と「懲罰性」
特別付録──弔 辞
ドナルド・キーンさんへの弔辞
瀬戸内寂聴さんへの弔辞
大江健三郎さんへの弔辞
あとがき
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