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【新刊】『源氏手帖』長谷川春子(共和国)
¥2,970
「戦時下の様々の統制がいくら厳しくなつても、画家の心は少しも貧困にはならないものだ。」 初期の奔放なイラストやエッセイを収録した『踊る女と八重桃の花』(小社刊)につづく作品集、第2弾。 戦時下アジアの女性たちの姿から、舌鋒鋭い戦後の戯画漫文。さらに畢生の連作「源氏手帖」まで、めくるめく長谷川春子の世界を、カラー図版や新発見の原稿・画稿も紹介しながら展開します。 第1部は、戦時下の満洲、中国、ベトナムなどアジア各地で生きる女性たちの姿。第2部は、映画評からSFまで、銃後で執筆された散文集。第3部は、ますます毒舌が冴えわたる戦後のエッセイ集。第4部は、グラフ誌に連載されたまま埋もれていた「源氏手帖」(計18回)をオールカラーで単行本初収録。ほかに16ページのカラー口絵と詳細な解説を附す。
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【新刊】『レモン石鹸泡立てる』東直子(共和国)
¥1,980
256ページ 上製本 本のなかの世界は、永遠だ。――多忙な日々のかたわらにある本、大好きな作家や歌人たち、そして旅の思い出。なつかしい風景がよみがえる、待望の書評&エッセイ集。
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【新刊】『国道3号線 抵抗の民衆史』森元斎(共和国)
¥2,750
SOLD OUT
価格:2,500円+税 サイズ:四六変型判 ページ:272ページ ISBN:978-4-907986-73-5 <概要> 九州はなぜ「こう」なのか。彼女ら彼らはどのように抵抗し、反撥してきたのか。鹿児島の西南戦争を起点に、水俣裁判、サークル村、筑豊炭鉱、米騒動、はては神話世界へと国道3号線を北上しながら、国家に抗う民衆の諸相を描く地誌的思想史。宮崎八郎、宮崎滔天、石牟礼道子、緒方正人、谷川雁、火野葦平らの群像から、《思想/運動としての九州》が浮上する。 装画:田中千智
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【新刊】『渚に立つ 沖縄・私領域からの衝迫』清田 政信(共和国)
¥1,980
SOLD OUT
価格:2,600円+税 サイズ:四六変型判 ページ:276ページ ISBN:978-4-907986-47-6 <概要> 不可視の原境、古謡、そしてエロス。 沖縄の戦後文学史上、もっとも先鋭にして重要な詩人が、灼けた韻律の深淵から帰還する。 自身の内域を微分するように、伊波普猷、比嘉春潮、折口信夫、柳田国男ら沖縄思想の系譜を描く単行本未収録の連載「沖縄・私領域からの衝迫」にくわえ、南島歌謡をその根源へとたどりゆく黒田喜夫論、藤井貞和論などを収める。 目次 微視的な前史 第1部 沖縄・私領域からの衝迫 世礼国男論 金城朝永論 仲原善忠にかかわりつつ 比嘉春潮にかかわりつつ 伊波普猷論の入口まで 折口信夫にかかわりつつ 柳田国男にかかわりつつ 第2部 原郷への意思 原境への意思 幻域 詩と原郷 黒田喜夫論 古謡から詩へ 藤井貞和に触発されて 清田政信とは誰か(松田潤) 解説・解題 前書きなど 《渚に立つ。これは寂寥から立ち直れない者がなすことのできる最後の行為だ。古代からこの島の渚に立った者は無数にいたようだ。しかしそこまでは人間がごく自然に精神からのがれ、精神へ立ちかえる習練といっていい。問題は水平線に眼をいこわせようにも、何も見えないこの荒廃に、見えざるゆえに著しく顕つ幻に灼かれて、ほとんど帰るところを失った魂を、私はどう解けばいいのか知らない。こういう魂は、村の民とさしむかいに話してもおそらく自分の言葉をいこわせる場所をみいだせないにちがいない。〔……〕きみたちと私は理解しえないゆえに、きみたちと私との関係には虚偽は成立する余地はない、という存在論的な構図を、白い骨のように透かしている。》――本文より 版元から一言 「沖縄戦後文学」というにとどまらず、「現代文学/現代詩」「世界文学」として再読されるべき詩人の筆頭が、清田政信です。現在も病床にあり、80年代後半以後の執筆活動が途絶えているせいか、既刊の著書もすべて絶版。古書でも入手困難なものが少なくないため、読んでみたくても『沖縄文学全集』をはじめとするアンソロジーの1篇か2篇にその名を見るばかりでした。 そこで今回、伊波普猷、比嘉春潮、柳田国男や折口信夫たち「沖縄学」の系譜をたどる単行本初収録連載を中心に、新しい読者のための作品集をリリースします。 この詩人の声は、けっして耳障りのいい、安っぽい言葉でなんか語りかけてきませんが、その詩、その散文からは、自身の内面を突き詰めることによって吐き出された苦悩やエロスが響いてくるはずだと確信しています。ぜひ、多くのかたの手にとっていただきたい1冊です。
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【新刊】『ダダイストの睡眠』高橋 新吉(共和国)
¥2,860
価格:2,600円+税 サイズ:四六変型判 ページ:264ページ <概要> ダガハジ断言 Is Dadaist 高橋がダダ新吉になる瞬間:解説1 桔梗 宇和島の闘牛 神は熟睡したもう 預言者ヨナ 狂気をどう語るのか:解説2 亡ぶる家の豚 不気味な運動 仏教 乞食夫婦 ヴィニイ 悲しき習性 高橋新吉 略年譜 生蝕記 或る浮浪人の日記 ダダイストの睡眠 焔をかかぐ いま高橋新吉をどう読むか:解説3 編者あとがき 初出一覧
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【新刊】『植物園の世紀 イギリス帝国の植物政策』川島昭夫(共和国)
¥3,080
SOLD OUT
価格:2,800円+税 サイズ:四六変型判 ページ:240ページ <概要> 数々の映画や文学作品でも知られる「バウンティ号の反乱」(1789年)。なぜこの英国艦は、はるばるカリブ海までパンノキを運んでいたのか。イギリスの植民地戦略を担った植物学者やプラント・ハンターたちの姿を通して、現在では憩いの場として利用される「植物園」の起源を描き出す。イギリス帝国史研究の原点にして、長きにわたる著者の業績の精華。 目次 はじめに(志村真幸) 第1章 植物帝国主義 第2章 重商主義帝国と植物園 第3章 カリブの植物園 第4章 ブルーマウンテンの椿──カリブの植物園・2 第5章 インドの植物園と大英帝国 第6章 植物学の同胞──インドの植物園と大英帝国・2 第7章 戦艦バウンティ号の積み荷 第8章 海峡の植物園──ペナンとシンガポール あとがき(志村真幸)
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【新刊】『鏡のなかのボードレール』くぼた のぞみ(共和国)
¥2,200
価格:2,000円+税 サイズ:四六変型判 ページ:212ページ <概要> 現代詩の始祖にして19世紀最大の詩人、シャルル・ボードレール。その恋人ジャンヌは、カリブ海出身で白人と黒人の混血女性でした。著者のくぼたのぞみさんは、詩人がかの女に捧げた「ジャンヌ・デュヴァル詩篇」を中心に語り、それらを訳し直しながら、さらにノーベル賞作家クッツェー『恥辱』へと、その思索を開いてゆきます――まるで割れた鏡の断片に、ふたりの姿が映し出されるように。それらの詩篇は、本邦初の女性訳『悪の華』ともなっています。 また、かの女を主人公にしたアンジェラ・カーター(Angela Carter)の傑作短篇「ブラック・ヴィーナス」(Black Venus)も新訳で収録。ボードレールを《世界文学》として読みかえるための、とても贅沢な1冊になりました。 新シリーズ[境界の文学]第1弾。 目次 01、コンスタンシアの葡萄酒より 02、エキゾチックな香り 03、髪と猫 04、日本語とジャンヌへの眼差し 05、鏡、あるいはジャンヌの瞳 06、鏡のなかのボードレール 07、ボードレールと日本 08、『悪の華』と翻訳──詩と抒情詩の違い 09、J・M・クッツェーのたくらみ、他者という眼差し 10、ボードレールになってみる 附録、ブラック・ヴィーナス by アンジェラ・カーター あとがき
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【新刊】『収容所のプルースト』ジョゼフ・チャプスキ(共和国)
¥2,750
<新刊>『収容所のプルースト』ジョゼフ・チャプスキ(版元:共和国) 価格:2,500円+税 サイズ:四六変型判 ページ:228ページ <概要> 1939年のナチスとソ連による相次ぐポーランド侵攻。このときソ連の強制収容所に連行されたポーランド人画家のジョゼフ・チャプスキ(1896 - 1993)は、零下40度の極寒と厳しい監視のもと、プルースト『失われた時を求めて』の連続講義を開始する。その2年後にチャプスキは解放されるが、同房のほとんどが行方不明となるという歴史的事実の過程にあって、『失われた時を求めて』はどのように想起され、語られたのか? 現存するノートをもとに再現された魂の文学論にして、この長篇小説の未読者にも最適なガイドブック。 目次 編者による注記 ✶ 005 収容所のプルースト ✶ 011 後注 ✶ 106 ジョゼフ・チャプスキ略年譜 ✶ 137 ジョゼフ・チャプスキ著作一覧 ✶ 151 プルースト、わが救い 訳者解説にかえて 岩津航 ✶ 154 グリャーゾヴェツ・ノート ✶ 別丁