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【新刊】『サイエンス読書会へようこそ!』うきくさ
¥1,100
A5判・並製/48ページ この本は赤坂(東京)にある書店・双子のライオン堂で2024年12月から始めたサイエンス読書会の記録です。この読書会は、主に自然科学がテーマの本を1冊選んで、読んだ感想を話す会です。主催はわたし(うきくさ)と双子のライオン堂書店の店主の竹田さんの二人です。読書会の参加者として告知サイトから申し込んでくださったメンバーを合わせて、のべ5〜7人くらいでほぼ毎月開催しています。参加者全員で主に本の感想や題材の話をしていますが、内容が難しかった部分は、わたしから解説を補ったりしています。 わたしの自己紹介です。普段はメーカー(製造業)で技術開発の仕事をしています。過去に大学院でウキクサの研究をしていたので、「うきくさ」というハンドルネームを使っています。その後、応用物理系の研究室に移って化学系の実験にも取り組み、博士号(工学)を取得しました。生物・化学・物理と幅広い分野で研究に取り組んだ器用貧乏ですが、読書会で自然科学の広い分野の本をあれこれ紹介するにはぴったりでした。 今回、読書会の活動を整理するためにこの本を作りました。ただ、読書会の開催当初は本にする前提で読書会を運営(記録)をしていませんでしたので、この本は執筆段階(2025年8月〜)で新たに情報を補ったり、思い出しながら振り返った内容が多分に含まれます。直近の読書会になるほど記述が詳しいのはそのためです。この点につきましては、序盤の読書会に参加した人でも今回補った内容を新たに楽しめるということで、前向きにご了承いただければと思います。
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【会場参加チケット】連続講座「広告を<文学>する」
¥15,000
この商品は、連続講座「広告を<文学>する」の会場参加チケットです。 詳細は特設ページをご確認ください↓ https://liondo.jp/?p=4220 <特設ページ抜粋> このたび双子のライオン堂では、小田垣有輝さんを講師にお招きして講座「広告を〈文学〉する」を開催します。 「お笑いを〈文学〉する」が大好評だった小田垣有輝さんによる新しい講座を始めます。 普段の生活で目にする広告・・・テレビCMはもちろん、駅なか、街なか、新聞、YouTube、SNS、気がつけば広告を見ない日はないかもしれません。 そんな身の回りにあふれている広告を「文学」の観点から眺め直してみる試みが「広告を〈文学〉する」です。 講師は、国語教師であり、作家としても活動している小田垣有輝さんです。小田垣さんは「地の文のような生活と」という文芸誌を発行し、小説や批評作品も精力的に発表しています。また実際に学校の授業でも文学作品を教える際に、生徒に馴染みのある「お笑い」ネタを活用して、文学理論を教えています。 講座は、全部で5回。通しチケットを基本としますが、各回チケットも販売します。毎回完結した内容なのでどこから参加してもOKです。オンラインでの参加もできます。 <基本情報> 開催日:毎月第2金曜日、19時半〜 場所:双子のライオン堂(東京都港区赤坂6−5−21−101) 費用:会場=15,000円 *各回参加費用は、会場=3500円 *アーカイブあります。最後の授業終了日から1ヶ月間全ての授業が視聴可能です。 <講座全体の概要> 街を歩く、テレビを見る、スマホゲームに興じる…それらの行為はバラバラですが、一つ大きな共通点があります。それは、「広告を目にする」ということです。 現代社会で暮らす私たちは広告を目にすることなく生活することはほとんど不可能に等しいでしょう。広告を見ないように生活をすると、ほとんど通常の社会生活を送ることが困難になっています。電車に乗れば中吊り広告があり、職場のエレベーターに乗ればディスプレイに広告が流れ、暇を潰そうと動画を見れば5分ごとに広告が流れる…広告を見ないようにするために課金をする社会です。 そんな私たちが目にしている広告を、「文学」の観点から眺め直したら、どんなことが見えてくるのでしょう。一般的には、広告が主体となって、広告を眺める私たちが客体となり、広告によって消費を促されます。その主客の関係を反転させて、私たちが主体的に広告を眺め直す。そこには、消費促進のためのコードだけではない、豊饒な解釈コードに満ちているかもしれません。そして、広告を眺め直す中で「文学とは何か」を改めて考え直すきっかけを作りたいと思っています。 それぞれのテーマに該当する広告や、その広告と同じものが描かれている文学作品を眺めながら、「広告」と「文学」を行きつ戻りつしていきます。広告を文学に、文学を広告に、何度も越境をしていくうちに、そもそもその「境界」には何があるのか、見えてくるかもしれません。 さぁ、広告を〈文学〉しながら、「文学」について語り合いましょう! <スケジュール> 【無料】2025年10月10日19:30〜 第0回 広告の中の文学、文学の中の広告 広義の導入として、資本主義社会の中でなぜ広告が必要されているのかを、消費理論や批評理論を用いて共有していきます。そして、実際の広告コピーを見ながら、一体その中では何が語られているのか、誰が語っているのかを鑑賞していきます。また、古典文学と広告の関係性も触れていきます。 宿題:1ヶ月以内に意識的に見た広告をメモしてこよう! 2025年11月14日19:30〜 第1回「水のラベル」を文学する 水って、どの水を飲んでもH2Oであることに変わりはありません。味もつけられない、何かを混ぜることもできない。だとするならば、各飲料メーカーはどのようにして水を差異化しているのでしょうか。どれも同じように見える水の広告コピーを読みながら、私たちが何を飲んでいるのかを明らかにしていきます。 宿題:飲料水の気になったコピーをメモしてこよう! 2025年12月12日19:30〜 第2回「家の広告」を文学する 「マンションポエム」という言葉は多くの方が耳にしたことのある言葉だと思います。実際、分譲マンションなどのホームページを見ると、短い詩、散文詩のようにも見えるものなど、様々なタイプの詩が掲載されています。それらの「詩」を読みながら、私たちは何に住み、どこで暮らしているのかを考えます。 宿題:最近気になったマンションポエムをメモしてこよう! 2025年1月9日19:30〜 第3回「日本のキャッチコピー」を文学する 日本の都道府県にはそれぞれキャッチフレーズがつけられています。それらのキャッチフレーズを読みながら、私たちが暮らしている「日本」の輪郭を明らかにしたり、ぼやかせたりしていきます。さらに、他国のキャッチフレーズとも比較しながら、比較文学的に「日本」の輪郭を見定めましょう。 宿題:自分の生まれた町や育った地域のキャッチフレーズをメモしてこよう! 2025年2月13日19:30〜 第4回「戦争広告」を文学する 太平洋戦争下の日本では、戦意高揚のためにあらゆる広告、コピーが掲載されました。広告だけではなく、多くの文学者がこぞって戦果などについて描写し、時にはその戦果を誇示するような文章を綴っていました。当時の広告を見ながら、広告と文学の関係性、広告と社会の関係性を繙いていきましょう。 宿題:どんなコピーがあったのか調べてみよう! 2025年3月13日19:30〜 第5回「本の帯」を文学する 最終回は、「本の帯」を取り上げます。本の内容を全て読ませないで、それでいて消費者に買ってもらうために、どんな表現が用いられているのか。その表現を吟味すると何が見えてくるのか。最後には、本当に文学の力は衰えたのか。もし、衰えていないとすれば、一体どこに「文学」は存在しているのかも眺めていきたいです。 宿題:家にある本の帯で気になるコピーや文句をメモしておこう! <当日の流れ> ・自己紹介 ・解説 ・自由討議・まとめ ・次回の予告 <プロフィール> 小田垣有輝(オダガキユウキ) 私立中高一貫校、国語科教員。今年で教員10年目。研究分野の専門は谷崎潤一郎、語り論。教員として働くかたわら、個人文芸誌『地の文のような生活と』を一人で執筆・編集・刊行(現在vol.1~vol.6まで刊行中)。本づくりを通じて、自らが帯びる特権性と向き合おうとしている。
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【新刊】『モータープール』岸政彦
¥2,750
B6判横・並製/224ページ 新境地。 社会学者・岸政彦が フィルムカメラで撮った静かな街の記憶。 185枚のスナップと1篇の書き下ろしエッセイを収録。 そこにあるものは——— 社会学者・小説家と活躍する岸政彦による初の写真集。 主に大阪の街を歩きながら見つけた風景をフィルムカメラで撮影した1冊です。 <書誌情報> 著者:岸政彦 構成:東万里江 ブックデザイン:中村圭佑 発売日:2025年10月31日ごろ 定価:2500円+税 判型:B6判、並製 ページ:224頁 ISBN: 978-4-910144-17-7 発行元:双子のライオン堂出版部 岸政彦 きしまさひこ/社会学者・作家。京都大学大学院文学研究科教授。主な著作に『同化と他者化─戦後沖縄の本土就職者たち』(ナカニシヤ出版)、『街の人生』(勁草書房)、『断片的なものの社会学』(朝日出版社)、『ビニール傘』(新潮社)、『マンゴーと手榴弾─生活史の理論』(勁草書房)、『図書室』(新潮社)、『大阪』(柴崎友香と共著、河出書房新社)、『リリアン』(新潮社)、『東京の生活史』(筑摩書房)、『沖縄の生活史』(みすず書房)、『大阪の生活史』(筑摩書房)、『にがにが日記』(新潮社)、『調査する人生』(岩波書店)など。
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【新刊】『AV監督が映画を観て考えた考えたフェミニズムとセックスと差別と』二村ヒトシ
¥1,320
B6変形版/113頁/ ZINE概要 これからのフェミニズムって? 「普通のセックス」とは? 差別するってどういうこと? 「いい変態」って? セックスしないのが純愛? 痴女や女装子など旧来のジェンダー観を揺るがすAVでその地位を獲得した二村ヒトシが、国内外の名作映画から愛と性を考えるエッセイです。二村ヒトシ、還暦記念にして初のZINE、どうぞご注目ください! もくじ 『男女残酷物語サソリ決戦』を観て、フェミニズムのことを考えた 『毛皮のヴィーナス』を観て、変態って何だ、そもそもセックスって何だ、って考えた 『オアシス』を観て、差別って何だ、純愛って何だ、って考えた 『パトリシア・ハイスミスに恋して』とパトリシアが原作を書いた何本かの映画を観て、まともじゃなく生きることについて考えた 『紙の月』を観て、(大きなお世話かもしれないけれど)女の人にとって“私”という意 識って何だろう、と考えた 『海街diary』を観て、女を幸せにする「男らしくなさ」について考えた 『卍』を観たら、「すべての人間は変態である」と言われた気がして、勇気づけられた 『大いなる自由』を観て、セクシャルマイノリティ にとってだけじゃなくノンケ男女にとっても「セックスにおける自由 」って何だろう、と考えた 『ニンフォマニアック』を観て、人のセックスを解釈してはいけませんと思った 『オキナワより愛を込めて』を観て、50年前のギャルの生きざまについて考えた あとがきのようなおしゃべり 二村ヒトシ×碇雪恵(本書編集担当)※『ナミビアの砂漠』『花束みたいな恋をした』の感想付き。 著者:二村ヒトシ 装丁:宮﨑希沙(KISSA LLC) 装画:加藤崇亮 Special Thanks:松村果奈(映画 .com)、広瀬美玲 編集・発行人:碇雪恵 発行所:温度 ページ数:103ページ 判型:B6 二村ヒトシさんプロフィール AV監督・文筆家。1964年六本木生まれ。慶應義塾大学文学部中退。97年にAV監督としてデビュー。著書に『すべてはモテるためである』『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか』『あなたの恋がでてくる映画』『オトコのカラダはキモチいい』(金田淳子・岡田育との共著) 、『欲望会議―性とポリコレの哲学』(千葉雅也・柴田英里との共著)、『深夜、生命線をそっと足す』(燃え殻との共著)などがある。
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【新刊】『松明のあかり』バリュー・ユアグロー
¥1,540
新書判・並製/85ページ アメリカ合衆国在住の作家バリー・ユアグローがトランプ政権下のアメリカに住む不安を小説に。 『ボッティチェリ 疫病の時代の寓話』からわずか5年。ユアグローから再び届いた「アメリカのいまを伝える」緊急文書。 「ここに収められた物語は心の、思いきっていえば魂の訴えである。」(柴田元幸) “昨年の大統領選で、本書の収録作「彼」で言及される「彼」の元とおぼしき人物が、七千万以上の国民に支持されて大統領に復帰して以来、合衆国から暗い知らせが届かない日はない。そして、七千余万の人たちのうちかなりの人数にとっては、それら暗い知らせも暗くはなく、ひょっとすると喝采すべき明るい知らせなのかもしれない、と思うと気持ちはますます暗くなる。 とはいえ、そんな吞気なことを言っていられるのも、あくまで当方は外国にいて、いまのところは直接、精神的にも物理的にも甚大な害は被っていないからだろう――いまのところは。が、暗さの渦中にいる人々は、どんな思いで生きているのか? バリー・ユアグローから届いたこれらの寓話は、そのひとつの実例を伝えてくれる“ (訳者あとがきより) -- 『松明のあかり』作者からのメッセージ 2020年、コロナ・ウィルスがニューヨークで猛威を振るっていたときに私は『ボッティチェリ』を書きました。そしていま、別の疫病のさなかに『松明のあかり』を書きました。今回は全米で猛威を振るっている政治的な疫病です。この本に収めた一連の寓話は、切羽詰まった警鐘であり、助けを求める訴えであり、自分が子供のころに移ってきた国でいま為されているさまざまな酷(むご)いことに対する苦悶の叫びです。日々押し寄せてくる、アメリカのみならず世界中を危険にさらしている暴虐、非道、噓のただなかで生きる、その痛みに満ちた経験を、これらの物語は想像力を通して綴っています。ところどころで暗いユーモアを使ってもいますが、絶望に陥らないため、ただ単に絶叫してしまわないために笑うのです。日本の読者の皆さんに、アメリカにいる私たちが、私たちの多くが、いまだ人間でいること、なんとか人間らしさを保ち、私たちの名において日々為されていることに深い恐怖を覚えていることをわかっていただければと思います。『ボッティチェリ』を素晴らしい本にしてくれたチームが、この『松明のあかり』も素晴らしい本にしてくれたことに感謝します。
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【新刊】『家守綺譚(下)』近藤ようこ
¥1,815
SOLD OUT
A5判・並製/264ページ 時は明治時代、文筆家・綿貫征四郎は、亡友の家の「家守」として暮らすことになった。待っていたのは白木蓮や都わすれ、萩、サザンカなど植物に満ちた庭。そして、サルスベリに懸想されたり、河童の衣を拾ったり、化狸を助けたりといった不思議な出来事が次々と起こり……。梨木香歩の傑作小説を巨匠・近藤ようこが漫画化。下巻。 ※このコンテンツは固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
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【新刊】『家守綺譚(上)』近藤ようこ
¥1,870
SOLD OUT
A5判・並製/264ページ 亡友の家で待っていたのは四季折々の草花と、ちょっと不思議な毎日でした。 時は明治時代、文筆家・綿貫征四郎は、亡友の家の「家守」として暮らすことになった。待っていたのは、白木蓮や都わすれ、萩、サザンカなど植物に満ちた庭。そして、サルスベリに懸想されたり、河童の衣を拾ったり、化狸を助けたりといった不思議な出来事が次々と起こり……。梨木香歩の傑作小説を近藤ようこが漫画化。
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【新刊】『恋のすべて』くどうれいん・染野太朗
¥1,870
四六変形判・並製/136ページ 俵万智、推薦! 「素晴らしすぎて、恋の歌を引退しそうになった。言葉の奥に、もどかしい生身の息づかいが聞こえる」 追う恋、待つ恋、甘い恋、怖い恋、苦しい恋… あなたに贈る恋のショート・フィルム。 作家くどうれいんと歌人の染野太朗がタッグを組み、恋の短歌に挑んだ雑誌『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』の短歌連載「恋」に書き下ろしを加え書籍化。 誰も置き去りにしないシンプルな言葉から驚くほど深い情景が浮かび上がる。音や匂い、湿度まで感じられるような体験はまるで映画を観ているかのよう。短歌初心者でも大丈夫。椅子に座り、それを眺めるだけであなたの恋のことを想うはず。 【目次】 I.テーマ別の恋 ふたりが短歌5首を送り合うメインパート。 1日1テーマ読むような楽しみ方もできます。 ふれる/Yellow/DENIM/Sea/日曜日/嫉妬/Chiristmas/やさしさ/会話/東京/3/水族館/キッチン/KISS /永遠 Ⅱ.贅沢な新作30首!※書き下ろし 読み応えたっぷりの30首の連作。二人がたどり着いた「恋のすべて」とはーー。くどうれいんと染野太朗の短歌の真骨頂。 ・くどうれいん『川面』 ・染野太朗『蛍』
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【新刊】『校正・校閲11の現場 こんなふうに読んでいる』牟田都子
¥2,200
A5判並製/144ページ 言葉のあるところには、すべて校正がある。 世の中には様々な校正・校閲の現場があるはずなのに、現場に関わる人以外にはなかなか中が見えづらい。本書は、校正者の牟田都子さんが11箇所の校正・校閲の現場で働く方々に取材をした対談集です。 マンガ、レシピ、テレビ、辞書、ウェブ、法律書、スクール、地図、新聞、商業印刷物、雑誌、それぞれの現場における特徴や進行の仕方、仕事の醍醐味や難しさを伺い、その現場特有の仕事道具や、どのような経緯で今の仕事に就いたのかなども教えていただきました。 校正・校閲に興味のある方、言葉そのものに関心のある方にぜひ手にしていただきたい内容です。 [目次] はじめに 1 マンガ 講談社校閲部 2 レシピ レタスクラブ(KADOKAWA LifeDesign) 3 テレビ タイトルアート 4 辞書 境田稔信 5 ウェブ ヴェリタ 6 法律書 有斐閣法律編集局校閲部 7 スクール 日本エディタースクール 8 地図 平凡社地図出版 9 新聞 毎日新聞社校閲センター 10 商業印刷物 タクトシステム 11 雑誌 BRUTUS(マガジンハウス) 参考文献 より校正・校閲を知るためのブックリスト おわりに
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【新刊】『中原昌也トリビュート』
¥660
文庫/ページ 【目次】 エッセイ→「中原昌也とわたし」みーら 小説→「こんな夜もあった」若松沙織(わかしょ文庫)書評→「点滅し続ける言葉たち『焼死体たちの革命の夜』中原昌也」岸波龍 あとがき→岸波龍 エッセイ、小説、書評。三者三様の表現方法で、中原昌也を語るーー デザイン→かわかみなおこ
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【新刊】『間取りと妄想』大竹昭子
¥770
文庫/224ページ 同棲中であるミワの家は、玄関のドアを開けると二つのドアが現れる。彼は帰宅すると、ミワのいるリビングに通じるドアではなく、先にもう一方のドアを開くという……(「どちらのドアが先?」)。三橋葉子は、母の死を機に、叔父が暮らしていた家に移り住んだ。葉子はその家に住むにあたり、窓がなくドアも見つけにくい小部屋をつくった……(「仕込み部屋」)。単行本時、話題沸騰した唯一無二の間取り小説、待望の文庫化。(解説・春日武彦)
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【新刊】『海風クラブ』呉 明益
¥3,080
四六判型/480ページ 現代台湾文学を牽引する著者最新作。再び神話と現実が混じりあう感動巨編! 白い犬の後を追いかけてきたタロコ族の少年と、自分を売ろうとする父親から逃げてきた少女。山の深い洞穴で二人は出会い、心を交わす。 少年が少女の村に、少女が少年の村へ入れ替わり出ていくのを、巨人は見つめていた。 山は巨人の体であった。人々に忘れ去られた最後の巨人ダナマイ。彼の言葉を解すのは、傷を負った動物たち。 時を経て再会する二人を軸に、様々な過去を背負う人々を抱えて物語は動き出す。 舞台は原住民と漢人、祖霊と神が宿る台湾東部の海豊村。 山を切り崩すセメント工場の計画が持ち上がり、村の未来を前にして、誇りを守ろうとする人々と、利益を享受しようとする人々が対立する。 巨人がなおも見つめ続ける中、かつてない規模の台風が村を襲い、巨人と人間の運命が再び交差する――。 物語を動かすのはつねに、大いなるものに耳を傾ける、小さき者たち。
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【新刊】『窮理 第28号』
¥1,100
A5判/100ページ 物理系の科学者が中心の随筆雑誌。 随筆以外にも、評論や歴史譚なども織り交ぜ、科学の視点に立ちながらも、社会や文明、自然、芸術、人生、思想、哲学など、幅広い事柄について自由に語る。第28号。10周年記念号。 (表紙画)高木隆司「夕焼雲と森林のかっとう」 (裏表紙画)細谷暁夫「秋」 (目次構成) (エッセイ) 物理学者とエッセイの系譜 永田和宏 発見と驚きと感動の記述 蜂飼耳 サイエンスエンターテイナーという職業 二人の先人に想いを馳せて 五十嵐美樹 ファラデーに学ぶこと 市村禎二郎 寺田寅彦「随筆難」と父 花輪昭太郎 演劇「光子の裁判」 渡辺美帆子 (連載) 学術誌ヒストリー(四) 初期の『Philosophical Transactions』を再読する 柴田和宏 音楽談話室(二十八) AIは人間並みの芸術作品が作れるか? 井元信之 仁科芳雄をめぐる旅(二) 岡山市(後編)第六高等学校 伊藤憲二 科学随筆UN PASSAGE(一) 雲とかなしみ 西一六八 科学随筆U30(四) 茶碗の輝き 藤むすめ (講評 佐藤文隆 細川光洋) 窮理のことのは(二) 全体は部分の総和たり得るか 今野真二 (コラム連載) 窮理逍遙(二十一) 才気あふれるリンデ 佐藤文隆 窮理の種(二十七) ラジオ百年 川島禎子
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【新刊】『百年後』前野健太
¥1,980
四六判型/256ページ 愛なんて、孤独なんて、ただの言葉だろ。 「東京の空」、「コーヒーブルース」など、今の時代を歌う名曲を数多く発表し、音楽ファン、文芸読者をも熱狂させ続けるシンガーソングライター・前野健太。音楽活動の他、文芸誌でのエッセイ連載、ラジオのレギュラー番組を持ち、俳優としても活躍する、今、最も期待される書き手による初のエッセイ集。 文芸誌『すばる』連載「グラサン便り」のエッセイをはじめ、これまで数多くの雑誌等で書かれてきた文章の他、未発表、書き下ろしの文章を多数収録。右肩下がりの時代の青春を、友情を、恋愛を、街を、人を、時代をすくい取り、描く。 カバー写真を写真家・ホンマタカシが撮り下ろし。 「寧に人間を描いていくと、直接「現代」や「社会問題」を描かなくても、その時代性は滲み出る。(中略)だから自分はラブソングを作りたいのかもしれない。男女の会話の奥に、言葉と言葉、表情と表情の深い谷間にまだ誰も名づけていない感情があって、それを見つけて、それを描き、それを輝かせた時に、その映画や歌や漫画は昇華され、人を震わせるのだと思う。いや、それがなんなのかわからないから、わからなくて美しくて悲しいから、歌を作ったりするのかな」―「ラブソング」より
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【新刊】『花だったころ』ゆずりはすみれ
¥1,980
108ページ 「わたしたちが/わらったり ないたり/おこったり おどろいたり/するのは/花だった頃の 名残だろうか」……デビュー以来、生命の息吹を感じさせる言葉を紡ぎつづけてきた詩人の、最新の成果。
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【新刊】『私が諸島である』
¥2,530
四六判/343p 西洋列強による植民地支配が行われたカリブ海の国々をそれぞれ孤立したものとしてではなく、ひとつの世界として認識し、その独自の思想を体系化する画期的著作。 目次 序章 冒険の季節 第1章 ひとつの世界としてのカリブ海 第2章 1492を越えて、人間であること 解呪の詩学 第3章 カリブ海を定義する者へ 存在論的不純性 第4章 神話とカリブ海 悲しくも希望に満ちた叙事詩 第5章 出会いを押し進めるために 相互歓待 第6章 カリブ海の社会モデル論 プランテーション、多元、クレオール 第7章 環カリブ海的経験のクレオライゼーション この海の下で、我々は手を取り合う 第8章 カリブ海によるクレオール的時政学 海が歴史である 第9章 ミサイルとカプセル 円環性の実践としての弁潮法 第11章 カリブ海のポストモダンの地平 カリビアン・カオス(前編) 第12章 カリブ海のポストモダンの地平 カリビアン・カオス(後編) 第13章 押し付けられた言語は誰の存在の家か 私‐像を描く言語 第14章 クレオール礼賛の裏で カリビアン・フェミニズム 第15章 クレオールの精神 カリビアン・クィア・スタディーズ
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【新刊】『死んでいるのに、おしゃべりしている!』
¥1,760
四六変形判/182ページ “だって、川柳に出会わなければわたしはとっくにこの世にいなかったのだから。” 東京のいわゆる「恵まれた」家庭に「女性として」生まれ、教育にたくさんのお金を費やされたのに、期待どおり「東大」に行けず、望まれた「バリキャリ」にもなれなかったわたし。人間関係もうまく築けず生活は破綻。ノンバイナリーかつアロマンティックだけど、そこに帰属意識も見出せない。心を殺して自罰的にしか生きてこられなかったわたしは、「私たちはモノじゃない、人間だ」「悪いのはあなたじゃない」というまっとうな言葉に、自分が救われることを許せなかった。 そんなわたしを助けてくれたのが、川柳だった。 “わたしの心には「自分が悪い」という考えが無限に湧き出る大きな穴が空いていて、これを直接手当てすることは難しい。一方、身体にはすぐに限界がくる。虚弱な身体を頼りなく思うこともあったけれど、身体は常に心の問題を「手当てができるかたち」にしようとがんばってくれていたのだ。/川柳も、わたしを「無限」や「永遠」の世界から救い出してくれた。「症状」と言うと語弊があるが、川柳も目に見えるし、有限だ。川柳はわたしが初めて手に入れた身体だった。” 川柳しながら経験する世界は、アナーキーで自由だ。本書は、自分には〈人間をうまくやれない〉と思わされてきた者たちに贈るエッセイ集であり、極私的な回復記でもある。 業界最注目の川柳人による、初のエッセイ集。 【目次】 まえがき Ⅰ こころ お題サイト哀歌 食卓の上の洗濯物 ワレワレハウチュウジンダ 代わりに忘れて できのわるいロボット Ⅱ ことば ちっちゃいものクラブ 声をあてる べつの呪文 いけフリ アンコントロール 酢豚の目 川柳になりたい? Ⅲ からだ おしゃれ考 続・おしゃれ考 身体があるから踊るのだ フェアリーゴッドマザー 手当てができる モノがキラキラしてる あとがき 引用文献・資料一覧
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【新刊】『版元番外地』下平尾直
¥3,080
四六変形判/上製本/288ページ ひとり出版社〈共和国〉代表《下平尾 直》渾身の書き下ろし、初の単著! 「書物で世界をロマン化せよ!」ーー 2014年春、ひとりの失業編集者が、こんな理想を掲げて出版の世界に火をおこした
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【新刊】『太宰治『桜桃』読書会 めろんと『桜桃』を読む』
¥825
A6/中綴じ/36ページ ▼概要: 太宰治「桜桃」読書会。太宰晩年の作品、父の苦悩を描く桜桃……現代から見たその姿は、はたしてどのように見えるのか。
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【新刊】『ミシンは触らないの』中前結花
¥1,870
作家・山崎ナオコーラさん、絶賛!! デビュー作『好きよ、トウモロコシ。』が大反響の中前結花、待望の第2作。 不器用で不格好なわたしを“だいじょうぶ”にしてくれた言葉を集めたエッセイ集。 凸凹で傷つきやすい、やさしいあなたへ送る一冊。 <書籍概要> 出会ったばかりの人にもらったラブレター、母の涙とともにかけられた言葉で思い出す後悔、できないことばかりで苦しんだときに光をくれた友人の言葉……。 読めばきっと、明日を生きる力が湧いてくる。持ち前のあたたかくやわらかかつユーモラスな筆致で「忘れられない言葉」をまとめたエッセイ集。 装丁は、話題作を多く手がけるブックデザイナー 名久井直子氏が担当。
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【新刊】『もなかと羊羹』仲俣暁生
¥880
A6判/44ページ 『共産主義者宣言』になぞらえてこう嘯きたくなるほど広範囲に波紋を投げかけた。編集者歴40 年の著者はなぜ「軽出版」を始めたのか。その仕組みは書き手にとってどんな意味があり、実際にどうやればいいのか。「宣言+エッセイ+虎の巻」の三層構造でお届けする、実用的でエモーショナルな「軽出版」マニフェスト! 軽出版は、書き手が書くことの自由を取り戻すための仕組みでもある。 破船房というレーベルでは、とりあえず自分の書いた文章を少しずつ本にしていくつもりだけど、この仕組みでもよいと考えてくれる人の文章やその他の作品も形にしていきたい。 「軽出版」や「軽出版者」は、私一人だけの言葉にしたくない。 臆することなく、軽々と、ヘヴィな中身の本を出していこうよ。 これが私の軽出版者宣言である。 ──「軽出版者宣言」より
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【新刊】『鍵のかかった部屋はいかに解体されたか?』仲俣暁生
¥1,870
──青春小説を探偵小説によって殺害してください。 舞城王太郎に宛てた「依頼状」として発表当時、大いに話題を呼んだ伝説的な批評文〈「鍵のかかった部屋」をいかに解体するか〉と、それへの「解答」ともいうべき 優れた諸作品をミステリだけでなく広く現代日本文学から探った、いまだかつてない「探偵小説論=青春小説」論。 【目次】 「鍵のかかった部屋」をいかに解体するか ── For How Much Longer Do We Tolerate Murder Cases? 悪の遍在について──宮部みゆきが戦ったもの エモーショナル・レスキューの憂鬱──米澤穂信『犬はどこだ』 クッションボール、穴のあいた壁、上昇気流──堀江敏幸『雪沼とその周辺』 「探偵」の帰り着くべきところ──柴崎友香『帰れない探偵』
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【新刊】『酒場の君』武塙麻衣子
¥1,650
今なら特典付き!! ========= 「私はこの夜をきちんと覚えておこうと思った」 横浜、野毛、鶴見、川崎、西荻窪、渋谷、武蔵小杉、湯島、早稲田、そして長野、名古屋、京都━━。忘れえぬ酒場40軒の思い出。 私家版ながら大きな話題を呼んだ『酒場の君』が書き下ろしを加えてついに書籍化! 文筆家・武塙麻衣子待望のデビュー単行本となるエッセイ集。 「この世の中に存在する「酒場」は数知れない。本を読んでも読んでも決して読み尽くせないのと同じように、毎日どんなに食べ歩いたとしてもすべての店を訪れ尽くすことは到底できない。でもだから楽しいのだと思っている。 私には私だけの酒場白地図というものが頭の中にあり、好きなお店や何度も行きたいお店、行ってみたいお店などを日々その地図に少しずつ書き込んでいく。その作業が楽しい」(「はじめに」より) 【本文より】 酒場で一番大切なことはその場所に馴染みきることだと私は思っていて、目立たず邪魔せずもとからその場所にあったみたいな(大きな古い時計とかどこかの電気会社のカレンダーとか)そういうものになれはしないかと、私はいつももぞもぞ変な動きをしてしまう。 ********** 隣に来たお姉さんたちに「美味しそうに食べるねぇ」 声をかけられ、「えへへ、どうも」と乾杯する。美味しそうに食べるというのは別に私の特技でもなんでもなく、ただただ口の中の食べ物が素晴らしいというだけなのだけど、私はそれをまるで自分の手柄か何かのように「だって美味しいですからね」とつい胸を張ってしまうのだ。 ********** この季節にはこの店のこの料理を食べたい、というのはとても贅沢な願いだなぁと思う。また来年も美味しいですねぇとたくさん言える日々でありますように。「ご馳走様でした」と外に出ると、雨がやんでいた。 【著者プロフィール】 武塙麻衣子(たけはな・まいこ) 1980年横浜生まれ。立教大学文学部卒業。客室乗務員、英語講師などの職業を経て作家となる。日記ZINE『驟雨とビール』『頭蓋骨のうら側』など。『群像』2024年6月号より小説「西高東低マンション」を連載中。
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【新刊】大崎清夏『いいことばかりは続かないとしても』
¥2,090
新書判/272ページ 山にも、街にも、悲しみの先にも。どこにだって発見はある。自然と芸術を求めて旅する最注目詩人の、〈生への祈り〉と〈センスオブワンダー〉に満ちた傑作エッセイ 祝・萩原朔太郎賞受賞! いま最も注目される詩人・大崎清夏の、旅と暮らしとことばの軌跡。 熊のいる山奥・湘南の海辺・震災後の能登半島・知床の雪原・ハンセン病資料館・ヴェネチア・そして古今の文学と映画と芸術の中まで――〈自然=力=詩〉を探して、どこまでも。 すみかも、生活も、人間関係も、 何かが変わってしまっても、柔らかい力強さをもって生きてゆくために。 「いいことばかりは続かないとしても、あくまでも軽妙に、明るく、希望をもって。(…)どんなに事態が悪化したように見えるときでも、そこに新しく面白いことを見つけることはできる。その先に待ち受ける大仕事にとりかかることはできる。無限の可能性を持った子どもにもう戻れない私たちは、大人として世界を拓けばいい。英語が話せなければ、日本語で語りかければいい。崇高な野生動物になれないなら、人間という変な動物として、生き延びる道を探ればいいのだ。」(本文より) 〈目次〉 熊に会ったら歌うこと。 遠くにトナカイがいます ちゃんと知りながら、へんなことをやる ムーミンの世界のこと 何かをほんとうに聞くときには…… ミヒャエル・エンデ『モモ』のこと いいことばかりは続かないとしても ウェス・アンダーソンの動物たち 動物と知り合うヒト 岩合光昭さんの写真のこと 港はありません その家に、住んでいた どうぞゆっくり見てください もうひとつの地震日記 快楽主義者の詩学 谷川俊太郎さんのこと いつか眼差しが再び会うまで 『燃ゆる女の肖像』のこと 詩人の副業、詩の日常 『パターソン』のこと 存在しない故郷への旅 『ミリオンダラー・ベイビー』のこと 説明できない理想のために…… 『木のぼり男爵』のこと それはあなたの自由 『さらば、愛の言葉よ』のこと 雪と踊る方法、あるいは訪れの合図 映画『Shari』のこと 大志の歌の祭りに寄せて 安野みつまさ先生へ 池上上々日記 その心は優しかった。 『いのちの芽』の詩人たちと出会った日のこと 中也はポエムか 大衆との合作について 風の展示を見にいく 自然を浴びに、ヴェネチアへ行く 装丁:佐々木暁 装画:小城弓子
