-
【新刊】『幸福論』アラン
¥1,760
新書判・並製/300ページ もっとも読みやすい幸福論 「本物の不幸もかなりあるにはある。そうだとしても、人々が一種の想像力の誘惑によって不幸をいっそう大きくしていることには、依然としてかわりない。自分のやっている職業について不平を言う人に、あなたは毎日、少なくともひとりぐらいは出会うだろう。そして、その人の言い分は、いつでも十分もっともだと思われるだろう。どんなことでも文句をつけられるものだし、なにも完全なものなどないからだ」 リセで哲学教授として長らく教鞭を執っていたアランの哲学は、想像力の暴走に身を委ねたり、抽象思考に終始するのでなく、また何か特別な状況を必要とするのでもない。日常を生きる場で、幸福への道筋を見つけだしていくのである。 自分自身の気分の揺らぎがときには不幸の悪循環をもたらす。不安に苛まれる時代にあって、いかに幸福を得るかの心の持ちようを教えてくれる、アラン畢生の名著。 【著者略歴】 アラン Alain 本名エミール・オーギュスト・シャルティエ(1868‐1951)。 「アラン」はペンネーム。フランスの哲学者で、パリのアンリ4世校など名門リセで哲学教授を務めた。抽象思考に終始するのではなく、わかりやすい日常生活の場面の中で、「幸福とは何か」を追究した。著書はほかに『人間論』『諸芸術の体系』『哲学講義』など。弟子にアンドレ・モーロワやシモーヌ・ヴェイユがいる。
-
【新刊】『おてあげ 第6号』困ってる人文編集者の会
¥1,100
四六判並製/94ページ 特集は「もたもた」! 寄稿者は、今野良介さん、晴山生菜さん、吉モトコさん、高野文里さん、星圭さん、やげんさん、でぃこ田でぃ子さん、阿里さん、飯田正人さん(登場順)です。
-
【新刊】『おてあげ 第5号』困ってる人文編集者の会
¥1,100
B6並製/87ページ 特集:あきた。 【巻頭言】「あきた。」について・・•柴山浩紀 【座談会】2024年下半期に読んでよかった本と「あきた。」について…困ってる人文編集者の会 【エッセイ】わたしのおてあげ いかに自分を飽きさせないか…井戸本幹也(編集者) ゲンロンは飽きない…植田将暉(編集/ウォッチャー) 本をどのように読んでいますか…富間文(編集) 繰り返す悩みごと…青木麻衣(書店員) 水原一平…吉田(ボブ)(編集) ひとりじゃないって素敵なことね……長倉るる(ライター) 【連載】飯田、おまいだったのか。(略)第4話…飯田正人(バイヤー) 【特別企画】文学フリマ京都に行ってきた!…困ってる人文編集者の会 こまへん日記…困ってる人文編集者の会 プロフィール/次号予告/編集後記
-
【新刊】『おてあげ 第4号』困ってる人文編集者の会
¥1,100
四六判並製/94ページ 【巻頭言】おねがい…竹田純 【座談会】2024年上半期のベスト本とおねがいについて…困ってる人文編集者の会 【エッセイ】わたしのおてあげ お願いは世界を広げる…竹田信弥(書店主) おねがいはしたくない…七竈(記者) ルビをふる仕事…髙井愛(デザイナー) あがり症…佐藤顕子(フォトグラファー) アドゥーは待っている…森田直(編集者) 希望は棄てない…藤枝大(編集沙) 【連載】飯田、おまいだったのか。(略)第3話…飯田正人(バイヤー) 【特別企画】文学フリマ岩手に行ってきた!…困ってる人文編集者の会 こまへん日記 2024年9月28日~10月2日…困ってる人文編集者の会 おてあげ通信…困ってる人文編集者の会 プロフィール/次号予告/編集後記 著者プロフィール 困ってる人文編集者の会 (麻田江里子/柴山浩紀/竹田純)
-
【新刊】『おてあげ 第3号』困ってる人文編集者の会
¥1,100
四六判並製/96ページ 特集:ばたばた 目次 ●ばたばた…麻田江里子 ●『おてあげ』について ●鼎談 2023年のベスト本と、ばたばたについて …困ってる人文編集者の会 ●エッセイ わたしのおてあげ 余裕を持ってばたばたしたい …古賀詩穂 書籍編集者の一年目…藤井翔太 絵本と大人のあいだで…サンローラン メディアプロモーションの困りごと…晴天耕作 全然いいけど、全然よくない。…わだめぐみ 嫉妬…國枝達也 ●連載 飯田、おまいだったのか。いつも本を仕入れていたのは。飯田はぐったりとめをつぶったまま、うなづきました。 第2話…飯田正人 ●こまへん日記 2024年3月30日〜4月3日…困ってる人文編集者の会 ●おてあげ通信 vol.2 ●プロフィール ●編集後記
-
【新刊】『積ん読の本』石井千湖
¥1,540
A5/144ページ 本を読むよりも買うスピードが上回ったまさにその瞬間から「積ん読」は始まる。部屋の片隅に、1冊、また1冊と積み上げられる「積ん読」の山を見て、人は焦り、罪の意識を覚え、自嘲するのだ。 そもそも「積ん読」とはなにか。その言葉の歴史は意外にも古く、明治時代にまで遡る。100年以上に渡って受け継がれてきた日本の読書家たちの「伝統芸」は、今や「TSUNDOKU」として世界の共通語ともなった。 そんな「積ん読」の本質に迫るべく、ブックレビュアーの石井千湖が、斯界の本読み12人の「積ん読」事情を探るインタビュー取材を敢行。ある者は「積ん読」こそが出版界を救うものだと熱く語り、またある者は「積ん読」にこそ書物の真の価値があるのだと断言する。 写真に収められた圧巻の「積ん読」の山と、「積ん読」を語るその言葉を一読いただき、読書家諸氏におかれては、ほっとするなり、笑うなり、共感するなり、感心するなり、呆れるなりしていただきたい。 飯間浩明(辞書編纂者) 池澤春菜(作家、声優) 小川公代(英文学者) 小川哲(作家) 角田光代(作家) 柴崎友香(作家) しまおまほ(マンガ家、イラストレーター) 管啓次郎(翻訳家、詩人) 辻山良雄(Title店主) マライ・メントライン(ドイツ人) 柳下毅一郎(特殊翻訳家、映画評論家) 山本貴光(文筆家、ゲーム作家)
-
【新刊】『とりあえず話そう、お悩み相談の森 解決しようとしないで対話をひらく』安達茉莉子
¥1,540
四六/224ページ 森の生きものになった気持ちで読む、解決しようとしないお悩み相談! 『毛布 - あなたをくるんでくれるもの』『私の生活改善運動 THIS IS MY LIFE 』など、生活にまつわるエッセイで大注目の作家 安達茉莉子による、お悩み相談本が登場。 身近な人にはちょっと話しづらく感じてしまう、人付き合い・働くこと・暮らしの悩みに、悩みを問題と捉えて解決しようと“しない”姿勢で、対話をするように応答していきます。 専門家のように悩みの明確な解決方法を示すわけではありません。しかし、これまでの著者自身の経験から生み出された言葉と絵によって、読んでいくうちに「こうしなければいけない」「これは解決しなければいけない問題だ」という思い込みから解き放たれていきます。 さらに、著者がお悩みと向き合う中で見つけた、悩みの根っこともいえる共通点から、これからの生き方を考えてみました。 〈本書の内容〉 はじめに とりあえず話そう〜人付き合いの悩み編〜 とりあえず話そう〜働くことの悩み編〜 とりあえず話そう〜暮らしの悩み編〜 “森”からのおてがみ〜これからの六つの手がかり〜 1:他人の時間を奪うのが怖くて人に自分の相談ができない 2:「感情労働」との向き合い方 3:休むための休みがほしい 4:自分に正直になるってどうやるの? 5:実は別にダメじゃなかった 6:自分自身を否定しがちだった頃 アフタートークのような「おわりに」
-
【新刊】『英国王立園芸協会とたのしむ 植物のふしぎ』
¥2,970
A5 /224ページ タネはなぜ、自分の進むべき道をまちがえないの? 竹は花? ミミズは地中で何してる?……世界屈指の園芸アドバイザーが驚くべき植物の姿を130のQ&Aで答える。美しくギフトにも最適。
-
【新刊】『イライラ文学館 不安や怒りで爆発しそうなときのための9つの物語』頭木弘樹
¥1,980
SOLD OUT
イライラしたときには、イライラした物語を。物語によるアンガーマネジメントが誕生! 最近、イライラしませんか? そんなときこそ、イライラした物語を。本書は小説からエッセイ、マンガまで、古今東西の〈イライラ文学〉を集めたアンソロジーです。「イライラしたときには、イライラ文学館を訪れて、イライラ文学にふれて、イライラに共感することで、イライラを相殺してもらいたい」(イライラ文学館館長より)。筒井康隆や内田百閒、チェーホフ等、バラエティ豊かな9つの物語が楽しめる、読むアンガーマネジメント。ぜひお試しあれ。 目次 ◎筒井康隆「心臓に悪い」 ◎志賀直哉「剃刀」 ◎アントン・チェーホフ「ねむい」 ◎ル・クレジオ「ボーモンがはじめてその痛みを経験した日」 ◎谷崎潤一郎「病褥の幻想」 ◎内田百閒「搔痒記」 ◎ソ・ユミ「当面人間――しばらくの間、人間です」 ◎土田よしこ「わけもなく楽しくて...!?の巻」「ムシムシイライラの巻」(『ツル姫じゃ~っ!』より
-
【新刊】『アカデミック・ハラスメントの解決ー大学の常識を問い直す』北仲千里&横山美栄子
¥2,200
四六判/458ページ ●第1章 アカデミック・ハラスメントとは何か ▼第1節 言葉の整理─キャンパス・ハラスメント、パワー・ハラスメント、アカデミック・ハラスメント ・対策の法令はセクハラのみ ・「相手が不快ならパワハラ?」ではない ・強い叱責ばかりがパワハラ/アカハラではない ・「加害」がなくても「被害」は起きうる ▼第2節 アカデミック・ハラスメントの世界 ・アカハラ問題をとくに掘り下げる意義 ・処分事由の変化 ・処分報道の例 ▼第3節 教員の学生に対するアカデミック・ハラスメント ・特徴1 尊敬や期待が裏切られるとき ・特徴2 専門教育における教員の立場の強さ ・特徴3 キャンパスの外にまで及ぶ教員の社会的影響力 ▼第4節 研究者同士のアカデミック・ハラスメント ・特徴1 相互評価による学会/学界運営 ・特徴2 キャリアに長く影響を及ぼす ▼第5節 アカデミック・ハラスメントと向き合う ・問題があることを直視しよう ・良識ある大学人による「基準」づくりをしよう ・アカハラが起こる背景を見直そう ▼第6節 アカデミック・ハラスメントの具体例 ・学生の不幸─尊敬できない教員 ・研究室でのハラスメントやいじめ ・研究者同士のハラスメントやいじめ ◎コラム 研究者世界のピラミッド ●第2章 相談員は見た! 知られざる学問研究の世界 ▼第1節 学問分野のサブカルチャーとアカデミック・ハラスメント ・研究中心の大学と教育中心の大学 ・研究文化の違い ▼第2節 理系のアカデミック・ハラスメント ・チームで行われる研究と教育 ・「発表せよ、さもなくば滅びよ」 ・典型例1 ブラック研究室の「ピペド」 ・典型例2 長時間労働が当たり前 ・典型例3 強い叱責、追い詰め ▼第3節 オーサーシップと研究倫理問題 ・誰が著者? ・オーサーシップ問題は「微妙な問題」の象徴 ・国際基準のルールはあるけれど ・研究不正とアカハラの深い関係 ▼第4節 教授がとても「偉い」ところ ・小講座制が生んだピラミッド組織 ・「教授独裁型」という悪夢 ・小講座制は絶対悪? ▼第5節 医歯学部の医局講座制 ・医学部教授がとくに「偉い」理由 ・「医局」という不思議なシステム ・万年助教の存在はハラスメント!? ▼第6節 文系でのアカデミック・ハラスメント ・文系の研究スタイル ・ディープな関係、マインド・コントロール ◎コラム 教育中心の大学でのハラスメント ●第3章 アカデミック・ハラスメントへの対応 ▼第1節 ハラスメント相談員の役割 ・被害の意味づけをする ・そこから抜け出す方法を考える ・責任者に関係調整・環境調整の依頼をする ・解決するまで面談を継続する ▼第2節 解決までのステップ1「助言・情報提供」 ・相談者自身で解決を図る ・二次被害への怖れ ▼第3節 解決までのステップ2「通知」─行為者への注意・警告 ・通知パターン1 行為者に対する聴き取りを行った上で通知する ・通知パターン2 簡単な事実確認だけをして通知する ・だれが「通知」をするか ・通知を行う上で注意するべきこと ▼第4節 解決までのステップ3「調整」─人間関係や環境の改善 ・調整パターン1 相談者と行為者の引き離し ・調整パターン2 上司や同僚、相談員による監視(モニタリング) ・調整パターン3 行為者による謝罪 ・調整パターン4 当事者間での話し合いの援助(調停) ▼第5節 解決までのステップ4「苦情申し立て」 ・事実調査の進め方 ・調査に入る前に準備しておくこと ・行為者に通知するとき ・調査期間中の配慮 ・事情聴取の際の配慮 ・事実調査後の対応 ・結論が出るまでの期間 ・処分が決まったら─当事者への通知と処分の公表 ▼第6節 再発防止のための取り組み─経験から学ぶ ・ほかにも被害が隠れていないかどうか調べる ・実際に起きた事例をもとに啓発・教育・研修をする ◎コラム 弁護士を活用する ●第4章 ハラスメントをなくすために大学が取り組むべきこと ▼第1節 大学という組織固有の難しさ ・自治の原則が閉鎖性を生む ・ハラスメントは大学のガバナンス問題 ▼第2節 ハラスメントが起きにくい「体質」をつくる ・ハラスメントが起こりやすい組織 ・アクセスしやすい相談窓口 ・スキルのある専任の相談員をおく ・大学間の環境の格差 ▼第3節 研究不正にかかわるハラスメントにどう取り組むか ・研究不正とハラスメントの関係 ・研究不正の起こりにくい土壌をつくる ・ローカルルールを超えて ◎コラム 外部相談のメリットとデメリット ●アカデミック・ハラスメントに関する資料 ・大学院生の教育・研究環境に関するアンケート調査票の例 ・広島大学ハラスメント相談室規則 ・広島大学におけるハラスメントの防止等に関する規則 ・広島大学におけるハラスメントの防止等に関するガイドライン
-
【新刊】『本を作るのも楽しいですが、売るのはもっと楽しいです。──韓国の文学を届ける』金承福
¥2,420
四六判/208ページ 大学の先輩が手書きで韓国語に訳してくれた吉本ばななの『キッチン』、茨木のり子の詩に重ねた民主主義への思い、ハン・ガンの初邦訳作品『菜食主義者』刊行の舞台裏――互いの国の物語をつないできた人々の情熱が、日韓文学の未来をひらく。出版社クオンの社長による、読むことへの愛と信頼に満ちたエッセイ!
-
【新刊】『なぜ人は締め切りを守れないのか』難波優輝
¥1,980
四六変形/288ページ 時間について:時間とはそもそも何なのか? 計画について:昔の人はもっとのんびり生きていた 仕事について:無理な要求から逃れる方法は? 死 について:最大にして最後の締め切りを考える ●締め切りの間を縫って、私たちが〈いい時間〉を手に入れるために “残業によって得られる賃金は計算できる。さまざまな締め切りの集合体である「プロジェクト」は、時間を対価に成果を提示する。いっぽうで、愛する人と過ごす時間、趣味に没頭する時間の価値は計算が難しい。私たちは、〈いい時間〉を計量することができずにいるのだ──。” 〈目次〉 序章 なぜ人は締め切りを守れないのか 第1章 いい時間とわるい時間──私たちはどんな「今」を生きたいのか? 第2章 プロジェクト──私たちから時間を奪うもの 第3章 生きている時間──私たちはいつも何かに間に合わない 第4章 いろいろな遊びの時間を旅する──時間の遊び論 第5章 いい時間をつくる──時間正義のためのデザイン 第6章 デッドライン──死から締め切りの本性を考える あとがき ブックガイド 新しい時間をデザインするために 参考文献
-
【新刊】『小説を書くこと、続けること、世界と繋がること』〈対談録 太田の部屋2〉太田靖久・旗原理沙子
¥990
新書判/82頁 双子のライオン堂書店で、連続で開催している小説家の太田靖久さんと様々なクリエーターが「つくる」をテーマに語り合う配信イベントのZINEのシリーズ第2弾を刊行します。 第2弾は、小説家・旗原理沙子さんと行った対談と、文学賞を受賞した旗原さんに太田さんが追加で7つの質問を送り、それに応答するエッセイを収録しました。 <基本情報> 書名:『小説を書くこと、続けること、世界と繋がること』〈対談録 太田の部屋2〉 著者:太田靖久・旗原理沙子 ブックデザイン:竹田ドッグイヤー 発売日:2025年11月23日(文学フリマ東京) 予価:900+税 判型:新書判、並製 ページ:82頁 発行元:双子のライオン堂出版部 <著者> 太田靖久(おおた・やすひさ) 小説家。2010年「ののの」で新潮新人賞。著書『ののの』(書肆汽水域)、『犬たちの状態』(金川晋吾との共著/フィルムアート社)、『ふたりのアフタースクール』(友田とんとの共著/双子のライオン堂出版部)、『犬の看板探訪記 関東編』(小鳥書房)など。文芸ZINE『ODD ZINE』の編集、様々な書店や図書館での企画展示、「ブックマート川太郎」の屋号で出店も行っている。 旗原理沙子(はたはら・りさこ) 小説家。1987年群馬県生まれ、東京、大阪など転々として育つ。2021年、「代わりになる言葉」を電子書籍で刊行しインディーズデビュー。2024年「私は無人島」で第129回文學界新人賞受賞。「犯罪者と私」( 文學界2024年12月号)など。 <「はじめに」> 本書には私と旗原さんの対談(2023年11月開催)を再構成したテキストに加え、その約2年後(20 25年8月)の私からの7つの問いに対する旗原さんの応答形式のエッセイを収録しました。 旗原さんは2024年に『文學界』新人賞を受賞されているため、対談はその前の出来事であり、エッセイはその後のこととなります。 社会通念としては新人賞の受賞を機に対外的にも作家と認められるのかもしれませんが、物事の本質はそれほど単純ではないでしょう。小説を書き続けていなければその人は小説家ではないのかもしれません。 旗原さんにとっての変わるもの/変わらないものの軌跡を追うことで見えてくる景色があります。それは旗原さんの独自の経験でありながら、たしかな普遍性があり、広く創作にかかわる人たちの参考にもなるはずです。(太田靖久)
-
【新刊】岡和田晃『世界の起源の源』
¥2,200
新書判/272ページ もとより名ざしえない者、もはや相まみえることはないであろう私たちの夢……。 文芸評論家・岡和田晃の第二詩集。茨城文学賞を受けた第一詩集『掠れた曙光』(幻視社/書苑新社、2019)以降、2020年1月から2024年4月までに書かれた形而上詩とプロレタリア詩、計52編を一挙に収録。 近現代の文学に随伴し、現代音楽にも通じる技巧性の確保、あるいは「呪いの解放」(睡蓮みどり)に加えて――現場感覚を保持しながら――猖獗を極めるアイヌ民族の否定やガザでの虐殺といった事態への抵抗が目論まれている。 「壘」(主宰・荒巻義雄)、「白亜紀」(主宰・武子和幸)、「潮流詩派」(主宰・麻生直子)といった詩誌に発表された作品や、「現代詩手帖」(思潮社)や「ナイトランド・クォータリー」(アトリエサード)といった商業文芸誌、さらには「早稲田学報」、「茨城の文化」、『詩の檻はない』といった、地域や海外等との連帯を目した媒体に発表された詩群を集成している。
-
【新刊】『ひとり出版入門』宮後優子
¥2,420
SOLD OUT
四六判/ どうやって本をつくる? どうやって運営していく? ひとり出版ノウハウのすべて。 本の制作と販売、出版社登録、書誌情報登録、書店流通、在庫管理、翻訳出版、電子書籍、さまざまなひとり出版の運営についてまとめられています。 著者 宮後優子 装幀 守屋史世(ea) 編集 小林えみ、宮後優子 校正 牟田都子 印刷 藤原印刷 <目次> はじめに 1章 本のつくり方 本をつくるプロセス 1 企画を立てる 2 著者と打ち合わせする 3 企画書をつくる 4 原価計算をする 5 企画内容を確定する 6 台割とスケジュールをつくる 7 著者に原稿を依頼する 8 原稿整理をする 9 写真撮影や図版の手配をする 10 デザイナーに中ページのデザインを依頼する コラム:デザイナーの探し方 11 ISBNを割り振る 12 デザイナーに表紙のデザインを依頼する 13 束見本を発注する 14 用紙を確定して印刷代を計算する コラム:コストをおさえ美しい本をつくるコツ コラム:書店流通で避けたほうがいい造本 15 著者編集者が校正する 16 校正者が校正する コラム:校正者、翻訳者の探し方 17 文字や画像をDTP で修正する 18 定価を決めて注文書を作成する 19 受注して刷り部数を決める コラム:書店への訪問営業 20 書誌データを登録する 21 印刷所へ入稿する コラム:紙見本の入手方法 コラム:印刷所の選び方(おすすめ印刷所リスト) 22 色校をチェックする 23 色校を印刷所へ戻す(校了) 24 電子書籍を作成する(必要があれば) 25 刷り出しや見本をチェックする 26 制作関係者やプレスに見本を送付する 27 販促をする(イベント企画やプレスリリースの作成) 28 請求書をもらい支払い処理をする 29 書店で確認する 30 発売後の売れ行きを見ながら追加受注する コラム:売上の入金時期 コラム:直販サイトのつくり方 コラム:本の発送料をおさえるコツ コラム:倉庫のこと 番外編 翻訳出版 1 翻訳したい本の原書、PDFを入手する 2 原書出版社に版権の問い合わせをし、オファーする 3 版権取得可能なら、契約と支払いをする 4 翻訳書を制作し、原書出版社のチェックを受ける 5 翻訳書を出版する 2章 本の売り方 書店流通のために必要なこと 書店への配本の流れ 出版物の流通方法を決める 1 版元直販(直販サイト、イベントでの販売) 2 別の出版社のコードを借りる(コード貸し) 3 Amazonと直取引で売る(e 託) 4 書店と直取引で売る 5 トランスビューの取引代行で流通 6 中小取次経由で流通 7 大手取次経由で流通 電子書籍の流通 コラム:Book&Design の場合 コラム:図書館からの注文 3章 ひとり出版社の運営 ビーナイス 烏有書林 西日本出版社 よはく舎 ひだまり舎 コトニ社 みずき書林 Book&Design URLリスト、索引 参考文献 おわりに 宮後 優子 (ミヤゴ ユウコ) (著/文) 編集者。東京藝術大学美術学部芸術学科卒業後、出版社勤務。1997年よりデザイン書の編集に従事。デザイン専門誌『デザインの現場』『Typography』の編集長を経て、2018年に個人出版社・ギャラリーBook&Design を設立。日本デザイン学会会員。共著『要点で学ぶ、ロゴの法則150』(BNN)。 https://book-design.jp/
-
【新刊】『校正・校閲11の現場 こんなふうに読んでいる』牟田都子
¥2,200
A5判並製/144ページ 言葉のあるところには、すべて校正がある。 世の中には様々な校正・校閲の現場があるはずなのに、現場に関わる人以外にはなかなか中が見えづらい。本書は、校正者の牟田都子さんが11箇所の校正・校閲の現場で働く方々に取材をした対談集です。 マンガ、レシピ、テレビ、辞書、ウェブ、法律書、スクール、地図、新聞、商業印刷物、雑誌、それぞれの現場における特徴や進行の仕方、仕事の醍醐味や難しさを伺い、その現場特有の仕事道具や、どのような経緯で今の仕事に就いたのかなども教えていただきました。 校正・校閲に興味のある方、言葉そのものに関心のある方にぜひ手にしていただきたい内容です。 [目次] はじめに 1 マンガ 講談社校閲部 2 レシピ レタスクラブ(KADOKAWA LifeDesign) 3 テレビ タイトルアート 4 辞書 境田稔信 5 ウェブ ヴェリタ 6 法律書 有斐閣法律編集局校閲部 7 スクール 日本エディタースクール 8 地図 平凡社地図出版 9 新聞 毎日新聞社校閲センター 10 商業印刷物 タクトシステム 11 雑誌 BRUTUS(マガジンハウス) 参考文献 より校正・校閲を知るためのブックリスト おわりに
-
【新刊】『太宰治『桜桃』読書会 めろんと『桜桃』を読む』
¥825
A6/中綴じ/36ページ ▼概要: 太宰治「桜桃」読書会。太宰晩年の作品、父の苦悩を描く桜桃……現代から見たその姿は、はたしてどのように見えるのか。
-
【新刊】『鍵のかかった部屋はいかに解体されたか?』仲俣暁生
¥1,870
──青春小説を探偵小説によって殺害してください。 舞城王太郎に宛てた「依頼状」として発表当時、大いに話題を呼んだ伝説的な批評文〈「鍵のかかった部屋」をいかに解体するか〉と、それへの「解答」ともいうべき 優れた諸作品をミステリだけでなく広く現代日本文学から探った、いまだかつてない「探偵小説論=青春小説」論。 【目次】 「鍵のかかった部屋」をいかに解体するか ── For How Much Longer Do We Tolerate Murder Cases? 悪の遍在について──宮部みゆきが戦ったもの エモーショナル・レスキューの憂鬱──米澤穂信『犬はどこだ』 クッションボール、穴のあいた壁、上昇気流──堀江敏幸『雪沼とその周辺』 「探偵」の帰り着くべきところ──柴崎友香『帰れない探偵』
-
【新刊】大崎清夏『いいことばかりは続かないとしても』
¥2,090
新書判/272ページ 山にも、街にも、悲しみの先にも。どこにだって発見はある。自然と芸術を求めて旅する最注目詩人の、〈生への祈り〉と〈センスオブワンダー〉に満ちた傑作エッセイ 祝・萩原朔太郎賞受賞! いま最も注目される詩人・大崎清夏の、旅と暮らしとことばの軌跡。 熊のいる山奥・湘南の海辺・震災後の能登半島・知床の雪原・ハンセン病資料館・ヴェネチア・そして古今の文学と映画と芸術の中まで――〈自然=力=詩〉を探して、どこまでも。 すみかも、生活も、人間関係も、 何かが変わってしまっても、柔らかい力強さをもって生きてゆくために。 「いいことばかりは続かないとしても、あくまでも軽妙に、明るく、希望をもって。(…)どんなに事態が悪化したように見えるときでも、そこに新しく面白いことを見つけることはできる。その先に待ち受ける大仕事にとりかかることはできる。無限の可能性を持った子どもにもう戻れない私たちは、大人として世界を拓けばいい。英語が話せなければ、日本語で語りかければいい。崇高な野生動物になれないなら、人間という変な動物として、生き延びる道を探ればいいのだ。」(本文より) 〈目次〉 熊に会ったら歌うこと。 遠くにトナカイがいます ちゃんと知りながら、へんなことをやる ムーミンの世界のこと 何かをほんとうに聞くときには…… ミヒャエル・エンデ『モモ』のこと いいことばかりは続かないとしても ウェス・アンダーソンの動物たち 動物と知り合うヒト 岩合光昭さんの写真のこと 港はありません その家に、住んでいた どうぞゆっくり見てください もうひとつの地震日記 快楽主義者の詩学 谷川俊太郎さんのこと いつか眼差しが再び会うまで 『燃ゆる女の肖像』のこと 詩人の副業、詩の日常 『パターソン』のこと 存在しない故郷への旅 『ミリオンダラー・ベイビー』のこと 説明できない理想のために…… 『木のぼり男爵』のこと それはあなたの自由 『さらば、愛の言葉よ』のこと 雪と踊る方法、あるいは訪れの合図 映画『Shari』のこと 大志の歌の祭りに寄せて 安野みつまさ先生へ 池上上々日記 その心は優しかった。 『いのちの芽』の詩人たちと出会った日のこと 中也はポエムか 大衆との合作について 風の展示を見にいく 自然を浴びに、ヴェネチアへ行く 装丁:佐々木暁 装画:小城弓子
-
【新刊】『お笑いを〈文学〉する〜「笑える/笑えない」を超える』小田垣有輝(サイン本)
¥1,210
新書判/120頁 双子のライオン堂書店で、開催した連続講義「笑いを〈文学〉する」が書籍になります。 2024年に小田垣有輝さんをお招きして開講した授業を、書籍化に伴い授業だけでは伝えきれなかった熱い思いと独自の論をブラッシュアップして展開します。 【目次】 はじめに 1、東京03と中島敦『山月記』~トリオネタの魅力/『山月記』って本当に二人? 2、ピン芸人の構造論―「語り」か「噺」か 3、「お笑い」と「コード」ー既存のコードへの「抵抗」と「逸脱」 4、トム・ブラウンをなぜ笑う?―文学史と小川洋子『貴婦人Aの蘇生』をヒントに 5、ランジャタイとラーメンズ―谷崎・芥川の文学論争と比較して 6、ランジャタイとシェイクスピア―文学と「おばけ」の関係 ―ランジャタイとは何か 付録 登場人物紹介&参考文献 おわりに 【基本情報】 書名:『お笑いを〈文学〉する 「笑える/笑えない」を超える』 著者:小田垣有輝 ブックデザイン:竹田ドッグイヤー 発売日:2025年5月11日(文学フリマ) 予価:1100+税 判型:新書判、並製 ページ:120頁 発行元:双子のライオン堂出版部 【著者】 小田垣有輝(おだがき・ゆうき) 私立中高一貫校、国語科教員。今年で教員11年目。研究分野の専門は谷崎潤一郎、語り論。教員として働くかたわら、個人文芸誌『地の文のような生活と』を一人で執筆・編集・刊行(現在vol.1~vol.6まで刊行中)。本づくりを通じて、自らが帯びる特権性と向き合う。 <「はじめに」> なぜ人は、お笑いを観て笑うのでしょうか。 「お笑い」という名称からもわかるように、お笑いはお笑いを鑑賞する者に「笑う」という反応を要請します。小説であれば、もちろん笑える小説もあるし、泣ける小説もあるし、怒りを共有する小説もあるし、漠然としたもやもやを読者に植え付ける小説もあるし、小説を読む者の反応は様々である、ということが「当たり前」となっています。しかし、一般的にお笑いは「笑う」という反応に限定されます。ネタ番組では、観覧の人々はみな笑っているし、その中に泣いたり怒ったりする人はいません。 でも、お笑いを観て「笑う」以外の反応をしたっていいはずです。そうでなければ、「笑えるお笑い=良いお笑い」という評価軸しか存在しないことになります。お笑いの中には「笑えないけど良いお笑い」だって存在します。 本書では、物語論や社会学を媒介にしながら「お笑い」と「文学」の関係を考えていきます。そうすることによって「笑えるか否か」という評価軸とは違う軸が見えてきます。私たちが普段観ているお笑いを違った視点から批評することによって、お笑いが備えている豊かな世界が立ち現れるはずです。(小田垣有輝)
-
【新刊】『書く人の秘密 つながる本の作り方』〈対談録 太田の部屋1〉植本一子&太田靖久(Wサイン本)
¥990
新書判/84頁/Wサイン本 双子のライオン堂書店で、連続で開催している小説家の太田靖久さんと様々なクリエーターが「つくる」をテーマに語り合う配信イベントが、ZINEのシリーズになります。 第1弾は、2023年と2025年に植本一子さんと行った2つの対談を1冊の冊子にまとめました。 ZINEやリトルプレスについて考えて続けているお二人のそれぞれの視点が交差します。 自分でも”作ってみたい”人は必携の1冊です。 また、今後のシリーズとして刊行していきますので、ラインナップにもご注目ください! <基本情報> 書名:『書く人の秘密 つながる本の作り方』〈対談録 太田の部屋1〉 著者:太田靖久・植本一子 ブックデザイン:竹田ドッグイヤー 発売日:2025年5月11日(文学フリマ) 予価:900+税 判型:新書判、並製 ページ:84頁 発行元:双子のライオン堂出版部 <著者> 太田靖久(おおた・やすひさ) 小説家。2010年「ののの」で新潮新人賞。著書『ののの』(書肆汽水域)、『犬たちの状態』(金川晋吾との共著/フィルムアート社)、『ふたりのアフタースクール』(友田とんとの共著/双子のライオン堂出版部)、『犬の看板探訪記 関東編』(小鳥書房)など。文芸ZINE『ODD ZINE』の編集、様々な書店や図書館での企画展示、「ブックマート川太郎」の屋号で出店も行っている。 植本一子(うえもと・いちこ) 写真家。2003年にキヤノン写真新世紀で優秀賞を受賞。2013年、下北沢に自然光を使った写真館「天然スタジオ」を立ち上げる。著書に『かなわない』『愛は時間がかかる』、写真集に『うれしい生活』、小説家・滝口悠生との共著『さびしさについて』などがある。主な展覧会に『アカルイカテイ』(広島市現代美術館)、『つくりかけラボ07 あの日のことおぼえてる?』(千葉市美術館)。 <「はじめに」(太田靖久)> 植本一子さんとの2回のトークイベント(2023年9月と2025年3月開催)を再構成して追記等も行い、本書に収録しました。2回目は1回目の1年半後に行われたため、その間の変化も楽しんでいただけるはずです。 今企画は双子のライオン堂の竹田さんからの提案がきっかけでした。 「太田さんは質問がうまいのでゲストを迎える形式のトークイベントを定期開催するのはいかがですか?」 すぐに快諾しました。自分の話をするより、誰かの話を聞いていたいと思うのは、知らないことを知りたいというシンプルな好奇心が根っこにあるからです。 1回目のゲストは植本さんが良いなとひらめきました。植本さんの文章には親しみやすさがあるのに、決して安全なものではなく、深くえぐってくる強度もあります。そんな植本さんのやさしさと鋭さのバランスや、創作と事務作業の使い分けについてなど、様々に興味がありました。また、ZINEに関するトークイベントをほとんど行っていないとうかがい、貴重な内容になるという判断もありました。 植本さんには登壇だけでなく、〈つくるをかんがえる〉というタイトルも付けていただきました。それが企画の方向性を固めるうえで助けになったことも忘れずに記しておきます。(太田靖久)
-
【新刊】『Hukyu』GAMABOOKS(サイン本)
¥2,200
A5判/279ページ/諸星めぐるさんのサイン入り! 今をつなぐバーチャル文化普及史マガジン「Hukyu(ふきゅう)」創刊号です。 創刊号特集は「VTuber×民俗学」と題し、総勢26名のVTuber(&VTuber関係者)の インタビューを収録しています。 純粋にVTuberを楽しみながら、+αで新たな視点も得られる本になっていますので、 VTuber好きの方は是非気軽な気持ちでお手に取っていただけますと幸いです。 ---------------------------- 21世紀以降、私たちを取り巻く文化は想像以上に急激に変化し続けている。 かの柳田國男が闊歩した平地の都会や農村は、鉄の車が様々な燃料を元に動き回り、道行く人々は異世界につながる四角い窓を持ち歩いている。そしてかつての農耕文化の営みが都市民俗に変わっていったように、バーチャル文化と呼ばれるインターネット上にも様々な民俗がリアルタイムに生まれ、増殖し、息をしている。 雑誌『Hukyu』では、このような社会生活に包括されるバーチャル文化を、学際的な視点から立体的に取り上げていくことを目的とする、いまを生きる「私たちのための」普及誌である。このため、雑誌名には普及・不朽・不急・負笈などの意味を込めさせていただいた。 『Hukyu』における民俗学とは、伝統的民俗文化の回帰という、過去との懐古的な伝言ゲームを知ることだけが目的ではない。歴史は必ずしも一つではなく、語り継ぐ過去の先には現代に生きる日常と価値観が、同時多発的に存在している。 そして本誌は、ありのままをいまを「つなぎ」留め置くが、その後の変化やいまある他の見方を否定することはしない。掲載されるすべての人々の視点は導き出された「答え」であり、それぞれの「可能性」でもある。読者の方々には、ゆたかな好奇心に身を任せ、好きなページから手に取っていただき、自分自身の価値観との対話を楽しんでいただきたい。 (~Hukyu序文より一部抜粋~)
-
【新刊】『アイムホーム』向坂くじら
¥2,200
四六判 /200ページ 一冊の窓から強風が入る。 “ただいま”と帰ってきやがった孤独も まっとうに味わう恵みの讃歌。 杉咲花(俳優) 目次 複製 ●バスタオル よい家 うちにはだれも あじたま ほほえみ わたしのなかの パジャマのうた わき毛 良心Ⅰ 排出 手よ hustéra イブ 半身 正直 おかえり ●土 ただいま 居間に 庭 家族 ドアに 鏡に トイレに あと ひと皿のソネット ●フィルム あーあ 像について 負けて帰ってきた人よ 忘れることについて 家の外のこと 思い出すことについて アイムホーム ●打ち覆い 産褥 窓 彫刻 その棒 カーテン Maundy ベッドで 解体を待つ家に 椅子 ●遠くのこと 歩く はる 膝ふたつ 遠くのこと うちにはだれも 青
-
【新刊】『珠洲の夜の夢/うつつ・ふる・すず さいはての朗読劇』大崎清夏
¥1,650
B6変形判 /136ページ 作曲家・阿部海太郎の声かけにより、演出・長塚圭史、戯曲・大崎清夏によって2022年、23年と奥能登珠洲で上演された『さいはての朗読劇』全戯曲。 詩人・大崎清夏の初めての戯曲集は、珠洲に伝わる民話と民謡から生まれました。珠洲に暮らす方々のお話。土地に響く声、語られる声。二つの戯曲には、誰もが知っている物語と、誰も知らない珠洲の姿があります。 “草むらのほうから、夏の終わりのいい風がざあっと吹いて、会場を吹き抜けた。 「あいの風だ。」 と誰かが言った。“(本文より) “演劇の戯曲を書くのは初めてだった。そして、戯曲を書くということは、途轍もないことだった。その驚きについては「珠洲の夜の夢」日記で触れたから、ここでは繰り返さない。あの舞台を作った日々が、私の創作人生にとって決定的な「何か」になったことは間違いなく、いまの私の仕事も暮らしも、あの日々がなかったらどうなっていただろうと考えると、咄嗟に浮かぶのは「ありえない」という言葉だ。” “この戯曲集が完成する頃には、能登半島地震から一年半が経つことになります。珠洲の復興への道のりについては、私にはわからないことだらけです。でも、この戯曲集によって、ひとつの珠洲の物語をこの先の未来へ手渡すことができれば、少なくともそれは珠洲を愛する私にとって、ひとつの復興の形になるのではないかと思います。”(あとがきより) “大崎さんは、決して目の前のもの/ことから目を逸らさない。むしろ永久に正しい焦点を探し続けている。“(「まえがきのまえに」より)阿部海太郎 “珠洲を舞台にした『夏の夜の夢』。読み始めると、途端に物語の中の人、外の人が鮮やかに動きだす。“(まえがきより)長塚圭史
