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【新刊】読書会の記録本スペシャルセット(『富士日記』+『文集・「富士日記」の一年』
¥4,444
文庫3巻とZINE1冊。 『富士日記』中公文庫の上中下巻と、それを一年間かけて読んだ記録『文集・「富士日記」の一年』をセットにしたスペシャルセットです。
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【新刊】『戦前生まれの旅する速記者』佐々木光子
¥1,980
B6判/84ページ(画像は仮のものです) 速記一本で時代を駆けてきた女性の 軽やかなキャリアと人生の軌跡 「こういう話、面白い? そう。じゃあよかったわ。」 この本は、大正最後の年=1926年に生まれて、80歳になるまで速記者を続けた佐々木光子さんの人生を聞き取ったものです。 佐々木さんは戦前に女学校で速記を学び、日本銀行に勤め、戦後にフリーの速記者として独立。 NHKラジオでは寄席で落語を書き起こし、雑誌「平凡」では作家や俳優の座談会を活字にまとめ、青山学院では速記の講師を担い、経済界では田中角栄をはじめとした歴史に名を残す政治家たちの会合にも臨席。 速記の国際会議をきっかけに40代でフランス語を学び始め、語学留学と海外旅行を重ねるようになりました。 何歳になっても好奇心を失わず、時代に流されることもなく、速記という仕事一筋に駆け抜けてきた佐々木さんの約1世紀にわたる人生は、今とこれからを生きる私たちに大きな気づきをもたらしてくれるはずです。 本書に収録した主なエピソード ・樺太の職工だった父が残した月給袋 ・日本銀行の地下室の秘密 ・速記で乗り越えた新円切り替え ・いわさきちひろが描いてくれた絵 ・田中角栄の一言「速記屋さんご苦労さん」 ・家を建てるために箱根で働く ・デンスケ(テープレコーダー)の普及 ・速記者御用達の原稿用紙とペン ・フランス滞在。異国の文化を生きる ・ベルリンの壁を越えた先の光景 書名:『戦前生まれの旅する速記者』 著者:佐々木光子 聞き手:竹田信弥 編集・構成:秋葉貴章 装丁・組版:中村圭佑 判型:B6判、ガンダレ製本 ページ:84頁 版元:双子のライオン堂出版 価格:1800円+税 発売日:2024年12月1日(予定) ISBN:9784910144122
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【新刊】『文集・「富士日記」の一年』案内人・岸波龍
¥1,320
文庫判/97ページ 機械書房の岸波龍さんを案内人に、『富士日記』を1年かけてゆっくり読んだ記録を、参加者の声も含めてまとめました。 12回分の読書会後記を収録! いつでも連続読書会に参加した気分に。
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【新刊】『NHK出版 学びのきほん 傷つきのこころ学』宮地 尚子
¥825
A5判/112ページ 傷とともに生きる人のための、こころのケア論。 SNSの多様化、リモートワークの波及、デジタル社会の加速――。人と人との距離感が変わりつつある現代では、誰もが多くの「傷つき」を経験する。自分と他者はなぜ傷つき合い、それはどのように癒やせるのか。トラウマ研究の第一人者が、現代に特有の「傷つき」の背景を分析し、「レジリエンス」「エンパワメント」「ポスト・トラウマティック・グロウス」など、数十年培ってきた専門的知識を初めて私たちの日常生活に落とし込んで解説する。
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【新刊】『「細雪」の詩学 比較ナラティヴ理論の試み』平中悠一
¥5,500
四六判・上製/456ページ 谷崎最大の長編「細雪」。しかしその評価は未だ定まってはいない。本書は従来のナラトロジーを更新するノン・コミュニケーション理論を導入することで、日本語による三人称小説の〝客観的に論証可能な「語り」読解〟の方法論を提示し、プルースト、V・ウルフらに比肩する同時代の世界文学としてその価値を標定する──小説家として知られる著者が東京大学大学院に提出した日本語による博士論文。
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【新刊】『傷を愛せるか 増補新版』宮地 尚子
¥792
A5判/112ページ 弱いまま 強くある ということ たとえ癒しがたい哀しみを抱えていても、傷がそこにあることを認め、受け入れ、傷の周りをそっとなぞること。過去の傷から逃れられないとしても、好奇の目からは隠し、それでも恥じずに、傷とともにその後を生きつづけること―。 ケアとは何か? エンパワメントとは何か? バリ島の寺院で、ブエノスアイレスの郊外で、冬の金沢で。旅のなかで思索をめぐらせた、トラウマ研究の第一人者による深く沁みとおるエッセイ。 解説=天童荒太 【目次】 Ⅰ 内なる海、内なる空 なにもできなくても 〇(エン)=縁なるもの モレノの教会 水の中 内なる海 泡盛の瓶 だれかが自分のために祈ってくれるということ 予言・約束・夢 Ⅱ クロスする感性――米国滞在記+α 二〇〇七―二〇〇八 開くこと、閉じること 競争と幸せ ブルーオーシャンと寒村の海 冬の受難と楽しみ 宿命論と因果論 ホスピタリティと感情労働 右も左もわからない人たち 弱さを抱えたままの強さ 女らしさと男らしさ 動物と人間 見えるものと見えないもの 捨てるものと残すもの ソウル・ファミリー、魂の家族 人生の軌跡 Ⅲ 記憶の淵から 父と蛇 母が人質になったこと 母を見送る 溺れそうな気持ち 本当の非日常の話 張りつく薄い寂しさ Ⅳ 傷のある風景 傷を愛せるか あとがき 文庫版あとがき 解説 切実な告白と祈り 天童荒太 初出一覧 エピグラフ・出典
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【新刊】『ロシア文学の教室』奈倉有里
¥1,595
四六判/384ページ 青春小説にして異色のロシア文学入門! 「この授業では、あなたという読者を主体とし、ロシア文学を素材として体験することによって、社会とは、愛とは何かを考えます」 山を思わせる初老の教授が、学生たちをいっぷう変わった「体験型」の授業へといざなう。 小説を読み出すと没頭して周りが見えなくなる湯浦葵(ゆうら・あおい)、 中性的でミステリアス、洞察力の光る新名翠(にいな・みどり)、発言に躊躇のない天才型の入谷陸(いりや・りく)。「ユーラ、ニーナ、イリヤ」と呼ばれる三人が参加する授業で取り上げられるのは、ゴーゴリ『ネフスキイ大通り』、ドストエフスキー『白夜』、トルストイ『復活』など才能が花開いた19世紀のロシア文学だ。 社会とはなにか、愛とはなにか? この戦争の時代を考えるよすがをロシア文学者・翻訳者の著者が真摯に描く 「ロシア文学の教室」。 ーーーーーーーーーーーーーーーー ◎目次(シラバス) 第1講 大通りの幻 ニコライ・ゴーゴリ『ネフスキイ大通り』 第2講 仄暗い森のなか アレクサンドル・プーシキン『盗賊の兄弟』と抒情詩 第3講 孤独な心のひらきかた フョードル・ドストエフスキー『白夜』 第4講 距離を越える声 アレクサンドル・ゲルツェン『向こう岸から』 第5講 悪魔とロマンティック ミハイル・レーモンルトフ『悪魔』 第6講 布団から出たくない イワン・ゴンチャロフ『オブローモフ』 第7講 恋にめちゃくちゃ弱いニヒリスト イワン・ツルゲーネフ『父と子』 第8講 土埃に舞う問い ニコライ・ネクラ―ソフ『ロシヤは誰に住みよいか』 第9講 やり直しのないこの世界 アントン・チェーホフ『初期短編集』 第10講 心の声の多声 マクシム・ゴーリキー『どん底』 第11講 温室の夢 フセーヴォロド・ガルシン「アッタレーア・プリンケプス」 第12講 よみがえるときまで レフ・トルストイ『復活』
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【新刊】『たのしむ知識 菊地成孔と大谷能生の雑な教養』
¥2,530
四六判/280ページ 雑味のない教養なんて、かみごたえがないよ。 YMOとは何だったのか、夢グループ対ゲンズ物語、『刑事コロンボ』とアイスお父さん、言論人のロックフェス、二代目大谷能生計画...... すべてのカルチャーに愛をこめて。『東京大学のアルバート・アイラー』『アフロ・ディズニー』の最強コンビが放つ、波乱の2020年代(ローリング・トゥエンティーズ)を生きるための対話 目次 まえがき Ⅰ 話せばわかるか Ⅱ 長電話 Ⅲ 闘争のエチカ Ⅳ たかが映画じゃないか Ⅴ 老イテマスマス耄碌 あとがき
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【新刊】『哲学者カフカ入門講義』仲正昌樹
¥2,200
四六上製/270ページ 没後100年。 ドゥルーズ+ガタリ、ベンヤミン、アドルノなど、哲学/現代思想の諸理論の視座から、カフカの主要作品を精読し、解釈を加えることを通して、世界を見る時の「自分」の視線の動きを変調させるやり方を学ぶ。 今までなかった哲学の視点からスリリングにその奇怪な小説の世界を読解する。 漫才でありそうな、ちょっとしたボケの効果が――読者がこの程度のことはそれほど珍しくもないなと思っているうちに――徐々に大きくなっていき、いつの間にかとんでもない不条理に発展していることに、しばらくしてから気付く。そういう、気付かないうちに読者の時間感覚、秩序感覚を狂わせてしまうような文体にこそカフカの魅力があると思う。(本文より)
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【新刊】『〈弱さ〉から読み解く韓国現代文学』小山内園子
¥1,870
四六判/240ページ 物語のなかの〈弱さ〉が、読む人の心に光を灯す どの作品も、〈弱さ〉を正面から描いているから――。 著者が数々の作品の翻訳を手掛けるなかで、「なぜ韓国現代文学に魅せられるのか」を自らに問い、深く考えてたどり着いたのが、この答えでした。 〈弱さ〉とは、自らの意志とは関係なく選択肢を奪われた状態のこと。その視点で、『82年生まれ、キム・ジヨン』をはじめとする多彩な13の作品を読み解きながら、そのメッセージを探り、魅力を掘り下げます。一つひとつの物語を丁寧にたどっていくと、この暴力的な現代社会を生きるための道が照らし出されるはずです。 2023年1月~3月にNHKラジオ第2「カルチャーラジオ 文学の時間」で放送された同名の講座、待望の書籍化! 第一章:試練の歴史と作家のまなざし――パク・ミンギュ『亡き王女のためのパヴァーヌ』 第二章:ある女性が〈ひとり〉になるまでの物語――チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』 第三章:性暴力を「信じてもらえない語り」で描く――カン・ファギル『別の人』 第四章:「普通」の限界、クィア文学が開けた風穴――パク・サンヨン『大都会の愛し方』 第五章:経済優先社会で行き場を失う労働者――孔枝泳『椅子取りゲーム』 第六章:植民地支配下、声を上げる女たちの系譜――パク・ソリョン『滞空女 屋根の上のモダンガール』 第七章:民主化運動、忘却に静かに抗う――キム・スム『Lの運動靴』 第八章:セウォル号沈没事件・キャンドル革命と〈弱者〉――ファン・ジョンウン『ディディの傘』 第九章:「子どもが親を選べたら」少子化が生んだ想像力――イ・ヒヨン『ペイント』 第十章:社会の周縁から人間の本質を問う――キム・ヘジン『中央駅』 第十一章:あり得たかもしれない、ハッピーエンドの物語――チョン・セラン『シソンから、』 第十二章:高齢女性の殺し屋が問いかける〈弱さ〉――ク・ビョンモ『破果』 第十三章:弱くある自由を叫ぶ――チョ・ナムジュ『私たちが記したもの』 〈弱さ〉から始まる未来を想像する――あとがきにかえて
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【新刊】『ことぱの観察』向坂くじら
¥1,980
四六判/272ページ 文芸の世界で最も注目を集める作家が挑んだ、言葉の定義をめぐるエッセイ集。 「好きになる」「さびしさ」「つきあう」――。日常で何気なく使っている言葉で私たちは、他人と「本当に」分かり合えているのだろうか。一つ一つの言葉が持つあいまいさや脆さを鋭く見抜き、記憶や経験、痛みや喜びの「手ざわり」からその意味を結び直す。他人や、自分自身や、そのあいだにある関係を観察した日々の、試行錯誤の記録。 ある言葉があって、同じ言葉を使う他人がいる。しかし、お互いにほかの文脈を持っていて、ほかの意味を考えている。だから会話が食いちがい、ときに関係がうまくいかなくなるのだ。定義をしながら、そしてその不完全さを思いながら、いつも感じてきたことがある。言葉がわたしの中である意味をむすぶとき、そこにはわたしの記憶や、経験や、痛みや喜びの手ざわりが、どうしようもなくまとわりつく。そしてきっと、他人の使う言葉には、彼らの記憶や、経験や、手ざわりが、同じようにまとわりついている。(「観察」より)
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【新刊】『悪い時』ガブリエル・ ガルシア・マルケス、(訳)寺尾隆吉
¥1,100
文庫判/352ページ 十月の雨の朝、外出しようとラバに跨ったセサル・モンテロは、戸口に貼られた一枚のビラを目にする。行き先を変更した彼は、クラリネット吹きのパストールの家に入り込むと、銃声を響かせたのだった……。「暴力時代」後のコロンビア社会を覆う不穏な空気が蘇る、腐臭と秘密に満ちた物語。 『悪い時』によって私は壁際に追い詰められた。だが、『悪い時』がなければ『百年の孤独』は書けなかったことだろう。壁際に追い詰められたら、その壁を壊す以外に出口はないのだ。 ──ガルシア・マルケス
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【新刊】『部屋と自炊本と私 本や資料の電子化&活用術』吉川浩満・平山亜佐子
¥1,650
A5判/136ページ 文筆家・挿話蒐集家の平山亜佐子さんがシラスで毎週配信している「平山亜佐子のこちら文献調査局」。 その1コーナーとして文筆家・編集者・YouTuber・卓球コーチ・DJの吉川浩満さんを迎えて7回にわたり配信された「電書課 部屋と自炊本と私」を書籍化! 棚から溢れ床を侵食してゆく本や雑誌、紙資料の山に生活が圧迫されている方も少なくないでしょう。同じ悩みを抱えた吉川さんがたどり着いたソリューション、それがいわゆる「自炊」。本を裁断し、スキャンしてデータ化するというものです。 「やっぱ本は紙じゃなきゃ」という方も多いでしょう。わかります。なのですが、自炊本には自炊本の数々の利点があります。 本書では1万数千冊を自炊してきた吉川さんが試行錯誤の末に見出した最新の自炊とその活用方法を惜しみなく公開。 さらにはゲストとして美少女コミック研究家の稀見理都さん、そして独自のこだわりでグラビア雑誌を自炊するDBMさんが登場、それぞれに異なる用途やノウハウを紹介してくれています。 日々増殖する本と格闘する日々へのヒントが得られる一冊です! 目次 第一回 余は如何にして自炊者となりしか……6 イントロダクション/自炊の歴史/自炊の方針/環境構築 コンピュータと 裁断機/環境――スキャナ/環境―ソフトウェア/モバイル環境のソフト ウェア 第ニ回 設定には手間をかける――環境編:ソフトウェア……25 なぜ「自炊」というのか/ ScanSnap Home のプリセット/アクションウィ ザード/ファイル管理/ PDF リーダー/モバイルアプリ 第三回 この自炊者を見よ――環境編:ハードウェア……44 自炊動画公開/厚い本の裁断/裁断した本をスキャンする/スキャン後の確 認/検索の精度 第四回 平山、はじめての自炊……55 はじめての自炊/スキャンした後で迷う/「資料(名称未設定)」フォルダ/ 検索の検証/旧字の OCR / PDF の加工/ Kindle の活用 第五回 乗るしかない、アーカイブのビッグウェーヴに!――漫画雑誌の自炊(ゲスト:稀見理都)……71 美少女コミック研究/コレクターではない/エロ本は残らない/アーカイブ 化のビッグウェーブ/自炊のポリシー/データフロー/スキャン理念/ホー ムセンターで道具は全部揃う/中綴じ雑誌の自炊/ JPEG のデータ管理/ JPEG + OCR の威力/オープンソース化を目指して/アーカイブの課題 第六回 紙の呪縛と自炊者の密かな愉しみ――グラビア雑誌の自炊(ゲスト:DBM)……95 グラビア雑誌の自炊/使用備品/スキャンの様子/メンディングテープ強し /スキャン失敗例その2/ファイル管理/スキャン環境とバックナンバー管 理/デジタルの愉しみ/ハードウェア環境 第七回 帯に短し襷に長し――現時点での最新環境報告……116 八ヶ月ぶり二回目/ Android 環境/アプリケーションの長所と短所/雑感
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【新刊】『ハピドラ! マンガで紹介 気分ぶちアゲ海外ドラマ』momomosparkle
¥1,870
大判/144ページ 「海外ドラマにはね、あなたをハッピーでぶちアゲにしてくれる魔法がつまってるのよ! 」 最近ルームシェアを始めた、のんびり屋のモモちゃん&姉御肌のスパークちゃん。仕事で落ち込んで帰ってきたモモちゃんに「ピッタリの特効薬」をさずけようと、スパークちゃんが見るだけで元気になる海外コンテンツ、<ハピドラ>の世界に誘い込む! ストレンジャー・シングス、セックス・エデュケーション、クィア・アイ、こんまり、パーフェクト・スイーツetc...とどんどんあふれるドラマ&ショー番組。キャラ紹介やあらすじ、神回やファッションや小物のかわいいポイントまで、愛情たっぷりにプレゼンしまくる2人! やがてモモちゃんとスパークちゃんの関係にもすこしずつ変化があらわれて…! ? おうち時間が充実すること間違いなし! ネットフリックス時代が待望したゆめかわイラストエッセイ、ついに書籍化! 【目次】 プロローグ ◆CHAPTER 1 エンジン系コンテンツ イントロダクション ル・ポールのドラァグ・レース KonMari~人生がときめく片付けの魔法~ GLOW:ゴージャス・レディ・オブ・レスリング 私はラブ・リーガル セックス・エデュケーション ◆CHAPTER 2 チャージ系コンテンツ イントロダクション クィア・アイ~外見も中身もステキに改造~ クィア・アイ in Japan グレイス&フランキー モダンラブ ~今日もNYの街角で~ パーフェクト・スイーツ ◆CHAPTER 3 トリップ系コンテンツ イントロダクション 拝見! こだわりの住空間 ~Amazing Ineriors~ リップ・シンク・バトル ストレンジャー・シングス ~未知の世界~ アンブレイカブル・キミー・シュミット カーダシアン家のお騒がせセレブライフ エピローグ
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【新刊】『日本語からの哲学』平尾昌宏
¥1,980
四六判/312ページ 〈です・ます〉体で書き上げた論文が却下された著者が抱いた疑問。「なぜ〈です・ます〉で論文を書いてはならないのか?」 〈である〉と〈です・ます〉、二つの文末辞の違いを掘り下げていった末にたどり着いたのは、全く異なった二つの世界像=哲学原理だった。 国語学、日本語学の成果をふまえ、日本語で哲学することの可能性を追求した画期的な論考。〈である〉と〈です・ます〉それぞれが表す哲学原理とは? 愛、正義、ケアの概念は〈である〉で語るべきか、それとも〈です・ます〉で語るべきか? 世界には〈です・ます〉でしか描けないものがある。スケールの大きな思考実験にして、唯一無二の哲学入門。 「本書は(自分でも驚くのだが)日本語の「です・ます」と「である」について、ただそれだけを論じた本である。だが、その結果として(これも驚いたことに)、全く異なった二つの世界像に到達する。この二つの世界像がそれぞれどのようなものか、それらにどんな意味があるか、それを今ここで示すのは難しい。その意味、というより、それらに何らかの意味があることを明らかにするためだけに、これだけの分量が必要だったと言うしかない。もしその内実に関心があるという奇特な方がいらっしゃったら、後は本文を読んで貰うしかない。」(「まえがき」より) 【目次】 まえがき ■第1部 問題編 第1章 なぜこんな問題を考えるか 第2章 なぜ論文を〈です・ます〉で書いてはならないのか 第3章 〈です・ます〉肯定論 ■第2部 日本語学・国語学編 第4章 「女子ども向き」説 [ノート1]〈です・ます〉とケア 第5章 「話し言葉」説 第6章 「敬語」説 [ノート2]人称詞と敬語 第7章 モダリティ [ノート3]言語と主観性 第8章 待遇表現論 第9章 文体論 ■第3部 日本語からの哲学編 第10章 〈です・ます体〉から〈である体〉へ [ノート4]〈だ体〉の問題 第11章 〈である体〉の人称的構造 第12章 〈です・ます体〉の人称的構造 [ノート5]文体、ジャンル、混用 第13章 文体から原理へ、学問経由 [ノート6]〈である原理〉と正義 第14章 〈です・ます世界〉と〈である世界〉 第15章 世界内の構成要素 ■第4部 異論と展開編 第16章 文体と原理 第17章 二分法を超えて 第18章 我と汝、我とそれ 第19章 生成 第20章 制度と間 [ノート7]愛とケア 結びに代えて あとがき
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【新刊】『【山川方夫 短篇アンソロジー】山川方夫の玉手箱』(選)横田創・竹田信弥
¥3,300
横田創・竹田信弥 選【山川方夫 短篇アンソロジー】 山川方夫の玉手箱 収録作品 全10作品+解説対談 「夏の葬列」 「ジャンの新盆」 「待っている女」 「他人の夏」 「愛のごとく(上・下)」 「お守り」 「蒐集」 「暑くない夏」 「あるドライブ」 「展望台のある島」 解説対談 横田創×竹田信弥「他人の中の他人としての自分」
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【新刊】『ひとり出版入門』宮後優子
¥2,420
四六判/ どうやって本をつくる? どうやって運営していく? ひとり出版ノウハウのすべて。 本の制作と販売、出版社登録、書誌情報登録、書店流通、在庫管理、翻訳出版、電子書籍、さまざまなひとり出版の運営についてまとめられています。 著者 宮後優子 装幀 守屋史世(ea) 編集 小林えみ、宮後優子 校正 牟田都子 印刷 藤原印刷 <目次> はじめに 1章 本のつくり方 本をつくるプロセス 1 企画を立てる 2 著者と打ち合わせする 3 企画書をつくる 4 原価計算をする 5 企画内容を確定する 6 台割とスケジュールをつくる 7 著者に原稿を依頼する 8 原稿整理をする 9 写真撮影や図版の手配をする 10 デザイナーに中ページのデザインを依頼する コラム:デザイナーの探し方 11 ISBNを割り振る 12 デザイナーに表紙のデザインを依頼する 13 束見本を発注する 14 用紙を確定して印刷代を計算する コラム:コストをおさえ美しい本をつくるコツ コラム:書店流通で避けたほうがいい造本 15 著者編集者が校正する 16 校正者が校正する コラム:校正者、翻訳者の探し方 17 文字や画像をDTP で修正する 18 定価を決めて注文書を作成する 19 受注して刷り部数を決める コラム:書店への訪問営業 20 書誌データを登録する 21 印刷所へ入稿する コラム:紙見本の入手方法 コラム:印刷所の選び方(おすすめ印刷所リスト) 22 色校をチェックする 23 色校を印刷所へ戻す(校了) 24 電子書籍を作成する(必要があれば) 25 刷り出しや見本をチェックする 26 制作関係者やプレスに見本を送付する 27 販促をする(イベント企画やプレスリリースの作成) 28 請求書をもらい支払い処理をする 29 書店で確認する 30 発売後の売れ行きを見ながら追加受注する コラム:売上の入金時期 コラム:直販サイトのつくり方 コラム:本の発送料をおさえるコツ コラム:倉庫のこと 番外編 翻訳出版 1 翻訳したい本の原書、PDFを入手する 2 原書出版社に版権の問い合わせをし、オファーする 3 版権取得可能なら、契約と支払いをする 4 翻訳書を制作し、原書出版社のチェックを受ける 5 翻訳書を出版する 2章 本の売り方 書店流通のために必要なこと 書店への配本の流れ 出版物の流通方法を決める 1 版元直販(直販サイト、イベントでの販売) 2 別の出版社のコードを借りる(コード貸し) 3 Amazonと直取引で売る(e 託) 4 書店と直取引で売る 5 トランスビューの取引代行で流通 6 中小取次経由で流通 7 大手取次経由で流通 電子書籍の流通 コラム:Book&Design の場合 コラム:図書館からの注文 3章 ひとり出版社の運営 ビーナイス 烏有書林 西日本出版社 よはく舎 ひだまり舎 コトニ社 みずき書林 Book&Design URLリスト、索引 参考文献 おわりに 宮後 優子 (ミヤゴ ユウコ) (著/文) 編集者。東京藝術大学美術学部芸術学科卒業後、出版社勤務。1997年よりデザイン書の編集に従事。デザイン専門誌『デザインの現場』『Typography』の編集長を経て、2018年に個人出版社・ギャラリーBook&Design を設立。日本デザイン学会会員。共著『要点で学ぶ、ロゴの法則150』(BNN)。 https://book-design.jp/
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【新刊】『カイヨワ幻想物語集 ポンス・ピラト ほか 』カイヨワ
¥1,320
新書変形/200ページ キリストを死刑に処したローマ帝国の官僚・ピラトの苦悩と決断を描く物語「ポンス・ピラト」。『遊びと人間』で知られるロジェ・カイヨワが著したフィクショナルな物語全4篇。 【収録作品】 ノア 怪しげな記憶 宿無しの話 ポンス・ピラト 訳者あとがき (付録)『ポンス・ピラト』追記
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【新刊】『おてあげ 第4号』困ってる人文編集者の会
¥1,100
SOLD OUT
四六判並製/94ページ 【巻頭言】おねがい…竹田純 【座談会】2024年上半期のベスト本とおねがいについて…困ってる人文編集者の会 【エッセイ】わたしのおてあげ お願いは世界を広げる…竹田信弥(書店主) おねがいはしたくない…七竈(記者) ルビをふる仕事…髙井愛(デザイナー) あがり症…佐藤顕子(フォトグラファー) アドゥーは待っている…森田直(編集者) 希望は棄てない…藤枝大(編集沙) 【連載】飯田、おまいだったのか。(略)第3話…飯田正人(バイヤー) 【特別企画】文学フリマ岩手に行ってきた!…困ってる人文編集者の会 こまへん日記 2024年9月28日~10月2日…困ってる人文編集者の会 おてあげ通信…困ってる人文編集者の会 プロフィール/次号予告/編集後記 著者プロフィール 困ってる人文編集者の会 (麻田江里子/柴山浩紀/竹田純)
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【新刊】『世界のひきこもり 地下茎コスモポリタニズムの出現』ぼそっと池井多
¥1,980
四六判/288ページ ひきこもり歴35年、「世界ひきこもり機構」(GHO)を創設した50代の著者が、インターネットを通じて世界のひきこもりたち、およびその支援者たちと対話した記録。フランス、イタリア、アメリカ、インド、カメルーン、アルゼンチン、中国、台湾、北朝鮮、フィリピンなど、世界13カ国に及ぶ国のひきこもりたちが普段何を考え、どのように暮らしているのかを明らかにした「ひきこもり」の常識を覆す衝撃的な本。 ※本書は、ひきこもり当事者や経験者によるメディア「ひきポス(HIKIPOS)」に掲載され話題を呼んだ、世界各地のひきこもりのインタビューや手記を再編集し、新たに文章を加えたものです。
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【新刊】『「知らない」から始まる 10代の娘に聞く韓国文学のこと』(ま)& アサノタカオ
¥1,980
未知の世界を発見する喜びは、いつも知らないものたちの冒険心からはじまる。 サウダージ・ブックスの編集人で韓国文学ファンである父親が、K - POPが好きな10代の娘に話を聞いてみた。憧れのソウルを旅行したこと、韓国の小説を読んだこと。隣の国のカルチャーを追いかける親子の、少しミーハーで少しきまじめな証言を一冊に。インタビュー&エッセイによる韓国文学ガイド。 《作者のチョン・セランには、いまの韓国はそう簡単に幸せになることが許されない暗い時代だっていう考え方があって、暗ければ暗いほど、小さな希望に光を感じられるっていうことなんじゃないの? だから……ホ先生が通りすがりの子どもに運を分けてあげたいと思うちょっとしたエピソードにもあたたかい価値が生まれるんだと思う。》 ——(ま)「ホ先生が人生の最後に抱く幸福には、でも陰がある」本書より もくじ はじめに ——「知らない」からはじまる旅と読書 アサノタカオ Ⅰ インタビュー ま&アサノタカオ 「バンタン食堂」で会ったお姉さんは、とてもフレンドリーだった ——BTS聖地巡礼その他 1 距離みたいなものがなくなってメンバーが身近な存在に ——BTS聖地巡礼その他 2 この「むなしさ」は自分と同じ「世界線」にある ——チェ・ウニョン『ショウコの微笑』 ホ先生が人生の最後に抱く幸福には、でも陰がある ——チョン・セラン『フィフティ・ピープル』 思いを話したいと願うようになったから「ことば」が出てきた ——ファン・インスク『野良猫姫』 背負いきれないものを背負っている人たちが何かを封印して生きている ——キム・エラン『外は夏』 問題の原因は目に見えない感情や気持ち、人と人の関係にある ——チョン・セラン『保健室のアン・ウニョン先生』 非日常のあとの日常を普通に生きていく人を描くこと ——チョン・セラン『屋上で会いましょう』 Ⅱ エッセイ 心の矢印が、ぐっと朝鮮半島のほうに傾いた アサノタカオ 忘れられたものたち、忘れてはならないものたち ——ファン・ジョンウン『ディディの傘』 アサノタカオ わからない世界で自分を生きる ——チョン・セラン『声をあげます』 (ま) おわりに ——親子という境域(ボーダーランズ)で話を聞く アサノタカオ 著者紹介 (ま) 2004生まれ。高校生(執筆当時)。K - POPファン、韓国語を勉強中。 アサノタカオ 1975年生まれ。大学卒業後、2000年からブラジルに滞在し、日系移民の人類学的調査に従事。2009年よりサウダージ・ブックスの編集人をつとめながら、現在はフリーランスで編集と執筆の仕事をしている。著書に『読むことの風』(サウダージ・ブックス)、共著に『韓国文学ガイドブック』(黒あんず監修、Pヴァイン)。
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【新刊】『とても小さな理解のための(新版)』向坂くじら
¥2,200
B6/232ページ 向坂くじらデビュー詩集、増補・新装版。 又吉直樹(お笑い芸人) 日々の息苦しさからの解放。 ここに綴られた詩は、あらゆる事象の境界を 溶かし、生まれたての眼で世界を見せてくれる。 今日マチ子(漫画家) 幼さを内包しながら、少女は溶ける。 羽化した大人の身体。虫の眼で見つめる世界。 日常の美しさと痛みを描き出す、透明な言葉たち。 堀静香(歌人、エッセイスト) 「幸福な人間に詩は書けない」とある詩人は言ったが、わたしはそれを信じない。くじらさんは手を伸ばす。いま匂いや重みをもつきみ、おまえ、あなたへと。あなたの向こうの窓やその先へと。その道すがら、出会う誰かと互いに呼吸を渡し合って、生きて詩を書きつづける彼女のことを、わたしは誰よりも信じている。 名著、復活。
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【新刊】『九階のオバケとラジオと文学』今井楓(サイン本)
¥1,650
B6/ページ(サイン本) *11月上旬の発送予定です。 「春になったら死ぬんだと思っていた。明るい陽気に負けてしまって、眩しくて、魔法みたいに消えちゃう気がした。」 ラジオ、花、五反田駅前の思い出、そして文学。 本を読みながら大人になった今、日常と仕事のあいだのさまざまを古今東西の文学を通じて豊かな言葉で紡ぐ清新なエッセイ。
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【新刊】『シュークリーム』内田百閒
¥2,200
B6変形/160ページ 書物の愛好家はもとより、作者や作品ないしは読書そのものへの入り口にしてほしいという想いのもと、「小品」をコンセプトに刊行してきた「灯光舎 本のともしび」第1期最終巻。 第1期の最後を飾るのはいまも根強いファンが多い文豪・内田百閒。敬愛してやまなかった師・夏目漱石にお金を借りに行く百閒らしい諧謔のきいた随筆から祖母のおもかげを語る小品「シュークリーム」など7作品を収録。 どことなく哀しさを帯びるユーモアや、収録作「昇天」に蔓延する不気味な世界観など百閒文学の旨みを凝縮した1冊。本や文学に親しむきっかけを与えてくれる小品集です。 百閒の随筆は、「私たちの暮らし」と「本」をつないでくれる架け橋のような存在だと感じます。百閒の随筆から本のある生活を始めてみませんか。