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【新刊】『四月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて』村上春樹 (著)/高妍(絵)
¥1,870
四六判/64ページ 100パーセントの恋人たちへ――村上春樹と台湾の画家が描く瑞々しい世界。 世界中の読者に愛される初期短編の表題作と「鏡」。二つの超人気短編が、瀟洒なピクチャー・ブックに! 物語は「昔々」で始まり、「悲しい話だと思いませんか」で終わる――ある朝、原宿の裏通りで少年と少女が偶然出会い、恋に落ちる。しかし二人の運命は……。若手画家と短編の村上ワールドが心地よく響き合う美しい一冊。
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【新刊】『笹塚diary』佐藤舞(サイン本)
¥700
B6判/124ページ 装丁:飯村大樹 写真:宇佐美亮 発行:カルガモBOOKS 大好きな街で考えた、心地良い場所や人との関係性について。 結婚・妊娠・出産を機に「書けなくなった」私が、 13年の結婚生活を終えて「書きたい」私に 変わっていく日々の記録です。 新しい家族の形を探りながら 人生のトライ&エラーを繰り返す四十代女性の生活日記を 読んでいただけたらうれしいです。 2024年12月1日発行 B6判124P 【著者プロフィール】 1982年静岡県生まれ、日本大学芸術学部文芸学科卒。 レコード会社・劇場・出版社・大学勤務を経て、現在は広告代理店の制作ディレクター。15歳男子と二人暮らし。そそっかしいミーハー。 笹塚/シングルマザー/離婚/結婚/ロスジェネ/渋谷〇〇書店/恋愛/独立系書店/読書/図書館/パン/カレー/散歩/カモ/中学生男子/ゴールデン街/偏見/古本/夏葉社/島田潤一郎さん/植本一子さん/金川晋吾さん/下北沢/代田橋/高円寺/乃木坂46/アイドル/沼津/さるさる日記/メモライズ/はてなブログ
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【新刊】『ピンポン』著・パク・ミンギュ、訳・斎藤真理子
¥2,090
新書判/296ページ いじめられている男子中学生が人類の運命を決める! 世界に「あちゃー」された男子中学生「釘」と「モアイ」は卓球に熱中し、人類存亡を賭けた試合に臨む。『カステラ』の韓国の鬼才が猛打する長篇!
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【新刊】『猫にご用心 知られざる猫文学の世界』
¥2,420
四六判・上製本/232ページ 英語で初めて書かれた小説といわれる、 16世紀イギリスの怪奇譚「猫にご用心」。 「猫には九つの命がある」という伝承の出典ともされている知る人ぞ知る物語が、 翻訳家・大久保ゆうさんによる完訳版としてよみがえりました。 歴史に埋もれた怪奇小説が、本邦初の書籍化です! 猫たちの会話を理解しようと、 主人公・ストリーマ氏は動物の言葉が分かるようになる秘薬を作り出すのですが……。 現実と噂話が錯綜しながら、魔術や宗教の話題が入り乱れ、 人間たちの滑稽な姿が猫の目を通して描かれる世にも不思議な怪奇小説「猫にご用心」。さらに、そこから派生した知られざる猫文学も同時収録。 すべての作品に共通するのは、グリマルキンという猫のキャラクターです。 シェイクスピアからゲゲゲの鬼太郎やファイナルファンタジーまで、 時代と場所を超えてさまざまな作品に登場する「猫の王様・グリマルキン」とは? 「猫にご用心」で初登場したといわれるグリマルキンは、なぜ現代にも生き続けるのか? 奇書と伝承の謎を追う大久保さんのスリリングな解説も巻末に収録しています。 読んでまさに愉快痛快な“猫文学”アンソロジー、ここに誕生!!
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【新刊】『タイヤル・バライ 本当の人』 トマス・ハヤン(著)、下村作次郎(翻訳)
¥3,080
四六判・上製本/268ページ 幽霊の対話は異なる時空を行き来しながら、この物語は進んでいく。死者たちの語らいに私たちは何を見るのか――民族の核心にある文化を直視し植民統治下に命を落としていった霊魂を救済する、台湾原住民文学の秀作。 『タイヤル・バライ 本当の人』では、多くの歴史事件によって、この世界で起こった様々な変化を暗喩しています。作品は、オットフ(幽霊)の眼を通して、タイヤル族が現実世界で味わった怪異現象や荒唐無稽な出来事について語っています。植民統治下で起こったタイヤル族の世代間の認識の変化をたどり、タイヤル族がどのようにして自分たちの心の核心である文化を直視したかを振りかえることで、不公平な扱いの中で命を落としていった霊魂が安らぎを得られ、タイヤル族は真摯に自分に向き合えるのです。台湾原住民族を理解するための一冊として、日本の皆さまにこの『タイヤル・バライ 本当の人』を読んでいただきたいと思います。(トマス・ハヤン「日本の読者の皆さまへ」より)
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【新刊】『5月の本』(編・西崎憲)
¥3,080
B6変型判・上製本/296 頁 時代も場所もまったく異なる文学作品たちをつなぐテーマは〈12か月〉―― 12か月のうちの〈5月〉をテーマに古今東西の小説・詩歌・随筆を集めたアンソロジー。 四季をあじわい、あの作品といま同じ季節を生きるよろこびをつくる本。シリーズ全12巻。 装丁:岡本洋平(岡本デザイン室)
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【新刊】『踊る幽霊』オルタナ旧市街(サイン本)
¥1,650
四六判/168ページ/サイン本 “いつまででも読んでいられるしどこまででも歩いていけると思った。ずれて輝く記憶と世界、軽妙さと誠実さ、私はオルタナ旧市街を信頼する。” ――芥川賞作家・小山田浩子さん、推薦。 【内容】 巣鴨で踊る老婆、銀座の魔法のステッキ男、流通センターのゆで太郎から始まる妄想、横浜中華街での怪異、不穏な水戸出張……街をめぐる断片的な21篇。 わたしたちは瑣末なことから日々忘れて暮らしている。忘れないと暮らしていけないとも思う。わたしとあなたの断片をみっともなく増やしていこう。何度でも覚え直せばいいし、何度でも忘れていい。 インディーズシーンで注目を集める謎多き匿名作家・オルタナ旧市街が、空想と現実を行き来しながら編み出した待望のデビュー・エッセイ集。 “誰の記憶にも残らなければ、書き残されることもない。それはそれで自然なのかもしれないけれど、身の回りに起こったことの、より瑣末なほうを選び取って記録しておく行為は、未来に対するちょっとしたプレゼントのようなものだと思う。”(表題作「踊る幽霊」より) 誰にでも思いあたる(いや、もしかしたらそれはあなたのものだったのかもしれない)この記憶のスクラップ帳は、書かれるべき特異な出来事も起きなければ、特殊な事情を抱えた個人でもない「凡庸」な人々にこそ開かれている。 【目次】 踊る幽霊[巣鴨] されども廻る[品川] 反芻とダイアローグ[水戸] スクラップ・スプリング[御茶ノ水] 午前8時のまぼろし[駒込] 老犬とケーキ[東陽町] タチヒの女[立川] 麺がゆでられる永遠[流通センター] アフターサービス[横浜] 大観覧車の夜に[お台場] ウィンドウショッピングにはうってつけの[五反田] おひとりさま探偵クラブ[銀座] 白昼夢のぱらいそ[箱根] 聖餐[吉祥寺] 愛はどこへもいかない[小岩] 猫の額でサーカス[浅草] がらんどう[南千住] さよなら地下迷宮[馬喰町] (not) lost in translation[渋谷] 見えざる眼[秋葉原] テールランプの複製[八重洲]
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【新刊】『『百年の孤独』を代わりに読む』友田とん(文庫版)サイン本
¥1,298
文庫判/360ページ/サイン本 脱線につぐ脱線、なのに気づけば……。ガブリエル・ガルシア=マルケスの魔法が生んだ、驚異の読書エッセイ。 “あの名作を読みたいのに挫折してしまった読書人全員にとって、これは希望の書です!!”――三宅香帆(書評家) “小説を読むことは「小説を読む時間を生きる」こと。その奇跡がここで起きている。自分の人生の経験や記憶や今ある日常やそれらいろいろが、『百年の孤独』とコラボして徘徊を始める”――保坂和志(作家) ガブリエル・ガルシア=マルケスの小説『百年の孤独』を、読者であるあなたの代わりに「私」は読む。ところがつい話が横道に逸れて脱線してしまう。『それでも家を買いました』、ドリフターズのコント、『スタンド・バイ・ミー』、ドラゴンクエストⅢ、ミスタードーナツ、消息不明のA子……様々な記憶がマコンドの出来事と混ざり合い、「私」は「読む」ことの正体に近づいていく。驚異の自主制作本が、待望の文庫化! (版元サイトより)
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【新刊】『4月の本』(編・西崎憲)
¥3,080
SOLD OUT
B6変型判・上製本/296 頁 時代も場所もまったく異なる文学作品たちをつなぐテーマは〈12か月〉―― 12か月のうちの〈4月〉をテーマに古今東西の小説・詩歌・随筆を集めたアンソロジー。 四季をあじわい、あの作品といま同じ季節を生きるよろこびをつくる本。シリーズ全12巻。 【目次】 春昼(太宰治) 四月(北川冬彦) 四月の蕾(獅子文六) 鷗外先生の墓に詣づるの記(日夏耿之介) 春日遅々(堀辰雄) 牧神の春(中井英夫) 四月短章(村山槐多) 褪春記(鏑木清方) 四月馬鹿(渡辺温) イギリスの春と春の詩(吉田健一〕 死人の埋葬〔「荒地」より〕(T・S・エリオット/吉田健一訳) 美しい墓地からの眺め(尾崎一雄) 山男の四月(宮沢賢治) かたくり(水野葉舟) ギャロッピング・フォックスリー(ロアルド・ダール/田口俊樹訳) 四月(ギュスターヴ・カーン/永井荷風訳) 春雪(久生十蘭) まどわしの四月(片山廣子) 若菜のうち(泉鏡花) 博士の目(山川方夫) 桜の森の満開の下(坂口安吾) 跋 四月はかならずやってくる(西崎憲)
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【新刊】『さみしがりな恋人たちの履歴と送信』笠井康平
¥2,750
四六判/340ページ どうして、いつまで、どうやって、 僕らは物語(おはなし)を作るのだろう。 いくつもの時代のカルチャーを経巡りながら、 ささやかに失われてばかりの生と語りの歴史をかたる、 言葉に恋する新時代の物語撰集。 ---- [推薦] 町屋良平(小説家) この本は言葉への恋愛小説だ。恋は苦しい。まるで人生みたいに? 恋は醜い。まるで人間みたいに? 恋は美しい。まるで世界みたいに? 恋は重い。まるで生死みたいに? 私は言葉より早く死んじゃうのに、どうしてこの小説は言葉を愛せると信じさせてくれるのだろう。 山内マリコ(小説家) 若さという足かせ、時代という苦難、増殖するノイズ……それらを「言葉」で超克しようと格闘した日々の全記録。東日本大震災からコロナ禍までの“極私的な自粛期間”に創作されたすべての作品は、信じるに足る、永遠の宝物だ。
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【新刊】『改元』畠山丑雄
¥1,980
四六判/227ページ 改元の年の異動で山奥の町に着任した公務員「私」は、集落に伝わる惟喬親王が見たという龍の夢の伝説を追って、この国のもうひとつの姿を目撃する。(「改元」)。山あいの地主の一族に生まれた少年は、日猶同祖論を唱える父によって「世界の救い主」となるべく「十」と名付けられた。第二次世界大戦をまたいで繰り広げられる、めくるめく年代記。(「死者たち」)。龍の夢が「私」を通過するとき、この国のもうひとつの姿があらわれる―現代日本小説屈指の剛腕による、抵抗と革命の二篇。
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【新刊】『チーヴァー短編選集』ジョン・チーヴァー
¥1,210
文庫判/336ページ/ 短篇小説の巨匠による最良の15篇 繊細で、不条理で、静かな緊張感に満ちた小説世界。ピュリッツァー賞、全米批評家協会賞 ジョン・チーヴァーは、サリンジャーと同時代に都会派の小説家として活躍した。小説世界は繊細で、精妙で、静かな緊張感に満ちている。サバービアの憂鬱、中産階級の孤独、東海岸を書きつづけた。長篇小説もあるが、本領は短篇にある。ピュリッツァー賞、全米批評家協会賞を受賞した『The Stories of John Cheever』のなかから選んだ、メランコリーが漂う極上の15篇
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【新刊】『今、ラジオ全盛期。 静かな熱狂を生むコンテンツ戦略』冨山雄一(シール付き)
¥1,738
四六判/224ページ(シール付き) ★オールナイトニッポンをV字回復に導いた★ ★統括プロデューサーによるコンテンツ戦略の全貌!!★ ◎年間イベント動員数25万人以上 ◎スポンサー数、過去最高 ◎ビジネス書なのに「泣ける」との声、多数!! なぜラジオのイベントは東京ドームを満員にできるのか? タイパが重視される時代に、ラジオは「リスナーとの関係性を、長期間かけてじっくりと耕す」というまったく逆の戦略で成功を収めています。どれくらい長期間かというと「ラジオは1クールが10年」という言葉もあるほど。じっくりと耕すことで、推し活のファンダムのような熱狂とは異なる、ラジオならではの「静かな熱狂」が生まれるのです。 本書は、オールナイトニッポンがV字回復するまでの20年間を紐解きながら、「静かな熱狂」を生むコンテンツづくりに必要な考え方をご紹介します。 【目次】 プロローグ なぜラジオのイベントに16万人が集まったのか? はじめに Chapter1 ラジオは風前の灯火だった――2000年代の「衰退」 ・華やかな世界の裏で、忍び寄る衰退の波 ・優秀なつくり手は次々とネットへ転職 ・鶴瓶師匠に教わった「流れに乗っかる面白さ」 ・ポルノグラフィティ岡野昭仁さんの即興に学ぶ ほか Chapter2「東日本大震災」でラジオの存在価値は変わった――2010年代前半の「転機」 ・2011年3月11日、当日の現場 ・東北出身サンドウィッチマンとの忘れられない出来事 ・裏番組『バナナマンのバナナムーンGOLD』からのエール ・福山雅治さんが提案してくれた24時間チャリティ特番 ほか Chapter3「SNS」と「イベント」がラジオを身近な存在にした――2010年代後半の「復活」 ・山下健二郎さんの「好きなものをカタチにする」チカラ ・星野源さんが壊してくれた「裏方は登場しない」の固定観念 ・「岡村歌謡祭」が教えてくれたリスナーの熱量 ・オードリー全国ツアーで見えた番組イベントの「型」 ほか Chapter4「コロナ禍」の逆境がラジオを強くした――2020年代の「全盛」 ・「一緒に不安になりましょう」近づくリスナーとの距離 ・前澤友作さんとつないだ「宇宙」からの生放送 ・佐久間宣行さんがきっかけでスポンサーとの関係性が変わった ・最後に、プロデューサーは大切な番組を続けるためにいる ほか エピローグ これからラジオはどうするのか――ラジオのコンテンツ戦略 ラジオのイベントに16万人が集まった理由 ラジオは、「耕す(カルティベイト)」 おわりに
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【新刊】『昏色の都』諏訪哲史
¥3,960
四六判・箱入り/268ページ 芥川賞に輝いた第一作以来、作品ごとに文体を変幻させてきた《小説狂》作家による 高踏的、唯美的、反時代的な、幻想文学の金字塔!! 《狂躁の夜、悪魔の筆を藉り、これらの小説は書かれた》 初出時の3倍に改稿された耽美的・象徴主義的な表題作「昏色(くれいろ)の都」170枚に、極限地の中洲でただ独り夢現のあわいを行き惑う幻想紀行譚「極光」、零落散逸した古漫画の記憶に遠い幼少期を幻視する瘋狂小説「貸本屋うずら堂」の2編を併録。文体や世界観を全く異にする鏤刻の3編。《夜ごと悪魔の筆が紡がせた》畢生の記念碑的小説集。 ──低い冬の陽が平原を黄金に透き、雲と地平、幾百年変わらぬ廃都ブリュージュの翳を紅に焦がし、日々わたしの眼裏に燃え落ちてゆく──
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【新刊】『きみはメタルギアソリッドV:ファントムペインをプレイする』 ジャミル・ジャン・コチャイ、矢倉喬士(訳)
¥2,750
四六判/ 272ページ 〈メタルギアソリッドV〉と一族の戦禍の歴史が解け合う魔術的冒険ほか、痛みと笑いに貫かれた新世代イスラム・マジックリアリズム短篇集。全米図書賞最終候補、O・ヘンリー賞受賞。 ビデオゲームのマップに入り込み、アフガニスタンの故郷で殺されようとしている叔父を救出に向かう少年(「きみはメタルギアソリッドⅤ:ファントムペインをプレイする」)、配達され続ける息子の肉片を縫い合わせていく母親(「差出人に返送」)。パレスチナの囚人解放を求めてYouTubeでハンガー・ストライキを拡散する大学生たち(「ハラヘリー・リッキー・ダディ」)。いつまでも死ねない老女を見守る天使と地球(「ヤギの寓話」)。サルに変身し反乱軍を率いることになった青年の数奇な運命(「サルになったダリーの話」)⋯⋯。 9・11以後の数多の瓦礫をさまよう亡霊を、神話的な笑いで紡ぐ戦争文学の新地平。最注目作家による傑作短篇集。
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【新刊】読書会の記録本スペシャルセット(『富士日記』+『文集・「富士日記」の一年』
¥4,444
文庫3巻とZINE1冊。 『富士日記』中公文庫の上中下巻と、それを一年間かけて読んだ記録『文集・「富士日記」の一年』をセットにしたスペシャルセットです。
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【新刊】『カフカ断片集:海辺の貝殻のようにうつろで、ひと足でふみつぶされそうだ』頭木
¥693
文庫判/224ページ 家庭生活、友人関係、結婚、仕事、文学など、 あらゆることに、私は失敗する。 いや、失敗することすらできない。(本文より) 20世紀を代表する巨星が残した、短く未完成な小説のかけらたち。 絶望的で何故だか笑える言葉の中にある、カフカが本当に伝えたかったこと。 カフカは完成した作品の他に、手記やノート等に多くの断片を残した。その短く、未完成な小説のかけらは人々を魅了し、断片こそがカフカだという評価もあるほど。そこに記されたなぜか笑える絶望的な感情、卓越した語彙力で発せられるネガティブな嘆き、不条理で不可解な物語、そして息をのむほど美しい言葉。誰よりも悲観的で人間らしく生きたカフカが贈る極上の断片集。完全新訳で登場。 本作に収録されている断片 ・わたしはいつでも道に迷う。 森の中だが、ちゃんと道がある。 うっそうとした暗い森だが、道の上にはわずかな空も見える。 それでもわたしは、果てしなく、絶望的に、道に迷う。 しかもわたしは、一歩、道から外れると、たちまち千歩も森に迷い込んでしまう。 よるべなくひとりだ。 このまま倒れて、ずっと倒れたままでいたい…… (〔道に迷う〕より) ・すぐとなりにいる人までの道のりが、わたしにとっては、とても長い。 (〔隣人までの距離〕より) ・ふさわしくない。 それはわかりきっている。 だが、こうもふさわしくないとなると…… (〔ふさわしくない〕より) ・うまくいかないことは、うまくいかないままにしておかなくては。 さもないと、もっとうまくいかなくなる。 (〔うまくいかないこと〕より)
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【新刊】『失踪者』カフカ(翻訳:池内紀)
¥1,430
新書サイズ/361ページ 『審判』『城』とともに「孤独の三部作」と呼ばれる連作の第一巻。従来『アメリカ』という表題で知られていた作品だが、本コレクションでは、カフカ自身の命名によるタイトルに戻されている。主人公カール・ロスマン青年がアメリカ社会を遍歴したあげく、大陸の一点で失踪する。
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【新刊】『歌集 ビットとデシベル』フラワーしげる
¥1,980
SOLD OUT
四六判/176ページ おれか おれはおまえの存在しない弟だ ルルとパブロンでできた獣だ タンカトロニクス 西崎憲×短歌=フラワーしげる 待望の第一歌集、ついに完成
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【新刊】『物語のカギ 「読む」が10倍楽しくなる38のヒント』渡辺祐真(スケザネ)
¥1,980
四六判/324ページ/サイン本 本の魅力をわかりやすく伝える書評動画で人気のYouTubeチャンネル「スケザネ図書館」。 その配信者である著者が、文学だけでなくマンガや映画まで幅広い「物語」へのあふれる愛を語りながら、より深く味わうための目のつけどころ=「カギ」をわかりやすく解説します。 小説・詩歌・マンガ・映画など幅広いジャンルを対象に、『走れメロス』、『アンナ・カレーニナ』といった名作文学から『呪術廻戦』(マンガ)、『ドライブ・マイ・カー』(映画)など近年の人気作まで、多種多様な作品をピックアップ。 それら具体例を紹介しながら紹介する「カギ」は、「語り手を信頼するな!(『日の名残り』)」、「比較・変遷をたどれ!(歌人・俵万智の作風の変化)」、「元ネタを探ろう(『ピーターパン』と『約束のネバーランド』)」など。 著者自身が物語の面白さに目覚めた経験談を交えながら、様々な角度から「物語」の楽しみ方を案内します。 ふだんあまり本を読まない人や、まだ読書に慣れていない中高生にこそ読んでもらいたい1冊です。 【目 次】 はじめに 序章 なんで物語を読むのか? 物語を味わうってどんなこと? 第一章 物語の基本的な仕組み 第二章 虫の視線で読んでみる 第三章 鳥の視点で読んでみる 第四章 理論を駆使してみる 第五章 能動的な読みの工夫 おわりに
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【小説×カレー】『華麗に文学をすくう?』シーズン1完食セット(尾崎世界観、高山羽根子、青木杏樹、オルタナ旧市街、浅生鴨、第一芸人文芸部(ピストジャム+ファビアン)おまけ付き)
¥7,920
*パッケージの写真はイメージです。 *『華麗に文学をすくう?』のシーズン1を全てセットで届けします。 内容は、尾崎世界観、高山羽根子、青木杏樹、オルタナ旧市街、浅生鴨、第一芸人文芸部(ピストジャム+ファビアン)それぞれの商品を1つずつ計6箱のセットをお届け。 *おまけであきたこまちの新米を約2合プレゼント! 「華麗に文学をすくう?」プレスリリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000005357.000016756.html
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【新刊】『石ころ路』田畑修一郎・山本善行(撰)
¥1,870
四六判/120ページ びしょ濡れになりながら、四谷の驛まで歩いた。私の心は何かしら怒りに燃えていた。どんなにしても生きるぞ、私はそう力んでいた。私はもう永い間小説の仕事はしていなかった。當分できないともあきらめていた。私はできるだけ小商人になり切ろうと努力していた。それより他に生活のあてはなかったからだ。 【収録作『木椅子の上で』より抜粋】 小品をもって、作者や作品との出会い、本との出会いの場へと誘う「灯光舎 本のともしびシリーズ」第2弾は昭和期に活躍した早世の作家・田畑修一郎の作品3編をお届けします。 暗く切ない人間模様のなかにどこか親しみを感じる「あの路この路」、生への執念と小説家として生きる希望と現実の葛藤を見事に描き出した「木椅子の上で」の2編、そして、田畑文学の柱のひとつといえる「石ころ路」を収録。 自身の病と私生活の苦悩から逃れるように三宅島へ赴いたひとりの男が主人公の「石ころ路」は、現地の風景や住民との交流をきっかけに、陰鬱としたなかに一筋の光を見つけるように少しずつ自身を取り戻していく姿が描かれます。 日常生活を正面からとらえ、自分を静かに見つめて描かれた田畑文学の一端を読者の心に届けます。 田畑修一郎の作品を収録した類書は少ないかと思いますので、多くの方々にとって田畑文学との出会いになる貴重な1冊になれば幸いです。 シリーズ「灯光舎 本のともしび」について 人々の心に染み入る作品を取り上げ、小品仕立ての書籍にしてお届けする「灯光舎 本のともしび」。書物の愛好家はもとより、作者や作品ないしは読書そのものへの入り口にしてほしいという想いのもと、「小品」をコンセプトに素朴で味わいのある佇まいで、刊行いたします。 撰者には、書物エッセイストで京都銀閣寺に店を構える古書善行堂店主・山本善行氏を迎え、シリーズとしての発刊を目指します。
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【新刊】『台湾および落語の!』真木 由紹
¥2,970
台湾と日本を行きつ戻りつ、足とスケボーを興じ分けつ、そんなササキの日常に浮かび上がる落語家志望のかつての台湾人学生。病み上がりの師匠が「台湾語落語」を完成させれば、消えた学生求めて物語が動き始める。学生は何故に消え、何故そこにいるのか。聞こえてきたのは台湾地方選挙の盛り上がり。さあ、師弟の二人会は実現するのか?ドタバタでもありながら歴史を汲んで大まじめ。台湾(語も)、落語、スケボー、これら全部、日本文学にブチ込む!
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【新刊】『こうやって書いた日記』杉森仁香
¥770
文庫判/