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【新刊】『目をあけてごらん、離陸するから』大崎清夏
¥1,650
会社を辞め、身ひとつで詩を書いて生きることにした。地球のあちこちで、言葉に翻弄されて立ち尽くし、言葉に勇気づけられて歩きだす。中原中也賞受賞の詩人が、小説とエッセイで描く“魂の解放”。 目次 目をあけてごらん、離陸するから(ヘミングウェイたち;シューレースのぐるぐる巻き;フラニー、準備を整えて;雷鳥と六月;呼ばれた名前) 歌う星にて、フィールドワーク(アメリカ大陸を乗り継ぐ;あなたの言葉よ;航海する古書店;音読の魔法にかかる(ウルフのやり方で) 広州の鱈 ほか) ハバナ日記 著者等紹介 大崎清夏[オオサキサヤカ] 1982年、神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。2011年、ユリイカの新人としてデビュー。第二詩集『指差すことができない』で中原中也賞受賞。ダンスや音楽、美術といった他ジャンルとのコラボレーションも多数手がける。ロッテルダム国際詩祭をはじめ世界各地の国際詩祭への参加を通じて出会った海外現代詩の翻訳・紹介を少しずつ推し進めている
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【新刊】『カフカ素描集』著者 フランツ・カフカ
¥14,300
A4変形/344ページ 〈カフカの遺品のうち、まさに素描のほとんどが含まれている部分が、何十年にもわたってまったく手の届かない状態に置かれていた。そのひと束の紙が、カフカの創作の最後の偉大な未知数であったと言っても、決して過言ではない。〉 ――「前書き」より チューリッヒの金庫に保管されていた160点余の素描。2019年、没後百年を目前にしてようやく姿をあらわした、もうひとりの、画家カフカ。実物大、オールカラーで収録。 10年余におよぶ係争の末、2019年に公表され、世界的な話題となったカフカの素描群。その全てを初めて出版。 全素描に加え、関連する資料図版・詳細な解説を付し、絵を描くことに熱を上げていた当時のカフカを浮かび上がらせる。 ユダヤ文学研究者アンドレアス・キルヒャーによる詳細な学術的解説。 哲学者ジュディス・バトラーによる独創的な論考。 芸術家パーヴェル・シュミットによる全作品目録。
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【新刊】『カフカの日記』著者 フランツ・カフカ、編者 マックス・ブロート
¥5,500
SOLD OUT
四六版/570頁 〈日記を読んで心を動かされる。これは今のぼくに、もはや少しの確信もないせいだろうか? あらゆるものがぼくには仮構であるように見える。他人のどんな言葉も、ぼくがたまたま見たどんな光景も、ぼくのなかのすべてのものを、忘れていたものやまったく無意味なものですら、別な方向へ転がしてしまう。ぼくは前にそうだったよりも確信がなく、ただ生命の力だけを感じている。そしてぼくは意味もなく空っぽだ。ぼくは本当に、夜、しかも山のなかで迷ってる羊か、もしくはその羊のあとを追いかける羊のようなものだ。こんなに見捨てられていながら、それを嘆き悲しむ力を持っていないのだ〉(1913年11月19日) カフカの研ぎ澄まされた五感が捉えた日常、それを受けとめるカフカの心の世界。書くことへの思い、フェリーツェはじめ女性への苦悩、父との葛藤、不眠の苦しみ、ユダヤ人社会のこと、詳細な夢の描写、さまざまな創作スケッチ… そのすべてはカフカの文学に連なり、それ自体が文学になっている。 新潮社版『決定版カフカ全集』(全12巻)の第7巻(1992)を底本に、日記文学の金字塔を、カフカ没後100年の2024年、新たに世におくる。
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【新刊】『社会学入門・中級編』稲葉振一郎
¥2,090
社会学はどこまで行けるのか?―因果推論から質的社会調査まで、現在の社会学の方法を社会科学の潮流のなかに位置づけ、AIを用いた統計的機械学習の可能性をも射程に、学問の針路をうらなう。 目次 第1章 なぜ因果推論なのか? 第2章 社会学における「質的調査」と「量的調査」 第3章 「社会変動の一般理論」から「質的社会調査」へ 第4章 媒介項としての「合理的主体性」 第5章 対面的・コミュニカティヴな質的社会調査の意味 第6章 人工知能による社会(科)学? 第7章 エピローグ―社会学の道を歩むには
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【新刊】『社会倫理学講義』稲葉振一郎
¥2,090
倫理学は哲学の一分野として探究されてきた。それは文明の発展や社会の変動とともに深化を余儀なくされた思考の蓄積でもある。ロボットやAIが人間と一緒に暮らす世界が迫り、環境破壊が動物の権利を問う時代、社会とは、そして人間とはいったいどのようなものか。 目次 倫理学とは何か?―どのようなことが論じられるのか? 規範倫理学1 功利主義 規範倫理学2 権利論 規範倫理学3 徳倫理学 メタ倫理学1 表出主義 メタ倫理学2 実在論 メタ倫理学3 錯誤説と逆転説 現代倫理学のコンテクスト 政治哲学 応用倫理学1 生命医療倫理学 応用倫理学2 環境倫理学 応用倫理学3 動物倫理学 応用倫理学4 AI倫理学 人間とはどのようなものか?
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【新刊】『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』川本直
¥2,475
「ジュリアンは私で、私はジュリアンだった」 作風は優雅にして猥雑、生涯は華麗にしてスキャンダラス。 トルーマン・カポーティ、ゴア・ヴィダル、ノーマン・メイラーと並び称された、アメリカ文学史上に燦然と輝く小説家ジュリアン・バトラー。 その生涯は長きにわたって夥しい謎に包まれていた。 しかし、2017年、覆面作家アンソニー・アンダーソンによる回想録『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』が刊行され、遂にその実像が明らかになる――。 発売当初より、佐藤亜紀氏、高遠弘美氏、伏見憲明氏、富士川義之氏、柳下毅一郎氏が推薦! 朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞、毎日新聞、産経新聞、東京・中日新聞、北海道新聞、共同通信、新潮、群像、サンデー毎日、週刊新潮、週刊読書人、婦人公論、現代ビジネス、ONTOMO、TBSラジオetc.各メディアで絶賛。 もうひとつの20世紀アメリカ文学史を大胆不敵に描く壮大なデビュー長編小説にして、読売文学賞(小説賞)受賞作!
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【新刊】『パリのガイドブックで東京の町を闊歩する〈1〉まだ歩きださない』友田とん(代わりに読む人)
¥770
SOLD OUT
新書/47頁 正しい言葉なら、これほど長く考えつづけることはなかっただろう。 「パリのガイドブックで東京の町を闊歩する」 突然、啓示のように降ってきた言葉を口ずさむ「私」はそんなことが果たしてできるのだろうかと考えながら、住みなれたはずの東京の町を歩きはじめる。表参道へ、荻窪へ、そして神保町へ。パリのガイドブックを手にした「私」はどこにたどり着くのか。第1号はとあるものを求めて、2018年夏、炎天下の都内をくり返し行き来した記録である。 正しいものを手にするよりも間違えたものを手にする方が、ずっと面白いことが起きるということを文学で実践する本です。 目次 第一章 まだ歩きださない 第二章 フレンチトーストを求めて 第三章 ポストフレンチトーストを歩く 友田とん 作家・編集者。ナンセンスな問いを立て日常や文学に可笑しさを見つける文章を書く。出版社・代わりに読む人代表。京都市出身、博士(理学)。2018年に刊行した自主制作書籍『『百年の孤独』を代わりに読む』をたずさえ全国を行商し、本屋さんへ営業したのをきっかけに、ひとり出版社・代わりに読む人を立ち上げる。
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【新刊】『先人は遅れてくる―パリのガイドブックで東京の町を闊歩する〈3〉』友田とん(代わりに読む人)
¥1,870
新書/144ページ 近所で見かけた看板の言葉をきっかけに本当の言葉探しをはじめた「私」は町を歩き、弘法大師と高野山から、『オズの魔法使い』、松任谷由実のドキュメンタリー番組、『西遊記』など何かを求める旅の物語に思いを馳せるうちに、半導体エンジニアの職へと導かれた出会いの記憶へと至って…。訪ねた土地で芋づる式に記憶を蘇らせていく至福。 目次 第1章 半径1km圏内の言葉 第2章 弘法大師のご利益か 第3章 繰り返しの効能 第4章 先人は遅れてくる 友田とん 作家・編集者。ナンセンスな問いを立て日常や文学に可笑しさを見つける文章を書く。出版社・代わりに読む人代表。京都市出身、博士(理学)。2018年に刊行した自主制作書籍『『百年の孤独』を代わりに読む』をたずさえ全国を行商し、本屋さんへ営業したのをきっかけに、ひとり出版社・代わりに読む人を立ち上げる。
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【新刊】『パリのガイドブックで東京の町を闊歩する2 読めないガイドブック』友田とん(代わりに読む人)
¥1,650
新書/92ページ フレンチトーストをついに食べた「私」は東京の町を闊歩するため、行く先々でパリのガイドブックを買い集め、順に読もうと試みるが……。 荻窪のコンビニから、村上春樹へ、そしてパリ・ノートル・ダムへ。日常を冒険に変える奔放な思考の脱線 第2弾。
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【新刊】「食卓の世界史」
¥1,012
地理的条件、調理技術、伝統、交易の盛衰―「料理」を通してみると、歴史はますます鮮やかになる。古今東西の英雄から、時には庶民の食卓まで、興味深いエピソードと歴史的なレシピで案内する。 目次 1 ハンムラビ―古代メソポタミア野菜の「三本柱」 2 アレクサンドロス三世―食事は質素で大酒飲み 3 ネロ―絶滅危惧種最後の一本 4 楊貴妃―茘枝は幼少期の味 5 ハールーン・アッ=ラシード―食は市場にあり 6 バシレイオス一世―古代から中世へ 7 チンギス・ハン―「赤い食べ物」「白い食べ物」 8 マルコ・ポーロ―大旅行家が観察した食事情 9 コロンブス―近世の食卓へ 10 エルナン・コルテス―「コロンブス交換」の時代 11 スレイマン一世―多様な遺産を継承するオスマン帝国 12 カトリーヌ・ド・メディシス―「伝承」の真実 13 ルイ一四世―洗練されたサーヴィスの確立 14 フリードリヒ二世―コーヒーではなくビールを飲め! 15 リンカーン―感謝祭とクレオール料理 16 コナン・ドイル―大英帝国のカレー 17 夏目漱石―一生にして三食を経る 18 マクドナルド兄弟―ファストフードの誕生 遠藤雅司 歴史料理研究家。2013年から世界各国の歴史上の料理と音楽を再現するプロジェクト「音食紀行」をスタートさせ、実食イベントやレストランとのコラボレーション、テレビ番組への料理提供などを行う。
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【新刊】「言語の本質」今井むつみ・秋田喜美
¥1,056
日常生活の必需品であり、知性や芸術の源である言語。 なぜヒトはことばを持つのか? 子どもはいかにしてことばを覚えるのか? 巨大システムの言語の起源とは? ヒトとAIや動物の違いは? 言語の本質を問うことは、人間とは何かを考えることである。 鍵は、オノマトペと、アブダクション(仮説形成)推論という人間特有の学ぶ力だ。認知科学者と言語学者が力を合わせ、言語の誕生と進化の謎を紐解き、ヒトの根源に迫る。
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【新刊】『鐘の鳴る夜は真実を隠す』著・田中佳祐、装画・石田スイ
¥1,210
サイズ:四六判 ページ:200ページ □■あなたは、嘘つき犯人を見破れるか? 謎解き×人狼×マーダーミステリー!■□ カーニバルの夜、事件は起こった。殺害されたMs.ターナーは、街唯一の大学・ノースベル大学の名誉ある学長だった。 容疑者は7人。物語の中で容疑者が語る[証言]には、たった一つだけ嘘が含まれているーー。 物語に散りばめられたヒントや情報を集めて、真犯人を捜し出せ! さぁ、あなたは嘘つき犯人を見破れるか!? ーーこの物語の主人公は、あなたである。 短編ミステリー小説を読んですべての謎を解き明かし、犯人を推理しよう! ・1話15分ほどでさくっと読める、8人のキャラクターそれぞれの視点の物語が8エピソード ・エピソードの最後には、注目すべき[証言]と、ヒントとなる[Tips]を収録 ・全エピソードの中に、たった一つだけ嘘の[証言]がある ・各エピソードで提示される[小さな謎]を解くと、嘘つき犯人捜しの手掛かりになる ・エンディング・解説は特別袋とじ仕様! 真犯人は開けるまでわからない ・巻末には、捜査に役立つ[マップ]&[推理シート]付き! 【著:田中佳祐】 ゲームクリエイター・小説家。マーダーミステリー、ボードゲームのプロデュース多数。 著書に『街灯りとしての本屋』(雷鳥社)、『読書会の教室』(晶文社)などがある。 【装画:石田スイ】 漫画家。2010年ヤングジャンプ月例第113回MANGAグランプリ準優秀賞。 代表作に『超人X』(となりのヤングジャンプ)『ジャックジャンヌ』(Nintendo Switch)『東京喰種トーキョーグール』(週刊ヤングジャンプ)などがある。 ■LIAR(ライアー)とは?■ 物語をたのしみながら、犯人捜しのドキドキとスリルを体験できる、新感覚ミステリーゲーム小説シリーズ
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【新刊】『『忘れられた日本人』をひらく 宮本常一と「世間」のデモクラシー』若林恵・畑中章宏
¥1,760
SOLD OUT
新書判変形/208ページ 宮本常一は民主主義の理論家だ!──宇野重規(政治学者) 不世出の民俗学者・宮本常一の主著のひとつであり、今なお愛され読み継がれる『忘れられた日本人』。そこに描かれた日本人の姿を、ノスタルジアや復古主義に陥ることなく、グローバリズムとナショナリズムとが錯綜する21世紀の世界のなかにいかに価値づけ、その可能性をひらくことができるのか。編集者・若林恵が民俗学者・畑中章宏と「忘れられた日本人」と「民主主義」の新たな姿をさがす、寄り道だらけの対話篇。 『宮本常一:歴史は庶民がつくる』『感情の民俗学』(畑中章宏)と『実験の民主主義』(宇野重規+若林恵)の必読副読本! 【本書の目次】 はじめに 若林恵 1. 翻訳 translation 2. 反作用 reaction 3. 寄合 consensus 4. 実施 practice 5. 経営体 enterprise 6. 海賊 pirates 7. 世間 worldly 8. 環世界 unwelt 9. 進歩 progress 10. 実験 experiment 11. 道具 tools 12. 伝承 lore おわりに 畑中章宏 (版元サイトより)
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【新刊】『あやふやで、不確かな』宮田愛萌
¥1,760
四六版/200ページ 考えていることなんて伝わらないし、言葉はあいまいだ。 だから私たちは、伝える努力をしなくちゃいけない。 瑞々しい感性が光る、恋愛連作短編。 どこにでもいる普通の女の子、冴。冴からの愛を信じられなくなった伸。友人が恋人と別れたことをきっかけに、自分が恋人のことを愛しているかわからなくなった成輝。逆に、恋人との絆を強くした智世。冴のことが嫌いだけど好きで忘れられない真澄――。4組それぞれが抱える恋心を丁寧に描く。 〈宮田愛萌さんコメント〉 宮田愛萌です。この度『あやふやで、不確かな』を出版させていただくことになりました。私はいつも、他者とのコミュニケーションとは難しいものだと思っています。自分以外の人間と完全にわかりあうことなんて不可能であるのに、わかり合えたらと願ってしまう。そういう矛盾がなんかいいな、と思ってこのお話を書きました。 書き終えた今でも、私は登場人物たちとはわかり合えそうにありませんし、書いている時も喧嘩ばかりでしたが、それでも良い関係が作れたのではないかと思っています。 冴たちの物語を、たくさんの方に受け取っていただけたら嬉しいです。 よろしくお願いします。 (版元サイトより)
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【新刊】『ダムヤーク』佐川恭一
¥1,650
SOLD OUT
四六版/132ページ 佐川恭一の初短編集。 収録作:「ダンスナイト」「ダムヤーク」「聖人」「超速個人史B」「マルドレットの人々」「ライジング・フォース」
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【新刊】『ららほら2』編著・藤田直哉
¥1,650
批評家 藤田直哉企画編集の文芸誌。第二弾は震災後文学を語る対談集。 双子のライオン堂で行われた、表題をテーマにした全六回の対談イベントの集成本。参加者との対話も多く収録されています。「1」巻は饗文社より2019年に刊行されていますが、「『ららほら』は、東日本大震災を経験した人たちの書く小説を多くの人と共有するために、新しく創刊された文芸誌です」と表明されているとおり、(対談メインでもあり)「2」単体で成立する内容となっています。 時期的に本書内で言及されていない(はず)ですが、くどうれいんさんの『氷柱の声』(講談社)が芥川賞候補になった記憶も新しく、10年後に初めて語れるようになる文章もあるだろうと思います。 第一回 震災後文学を日本文学に位置づける 仲俣暁生×藤田直哉(円堂都司昭/坂田邦子/長瀬海/藤井義允/竹田信弥) 第二回 東日本大震災と、芸能の力 矢野利裕×藤田直哉(杉田俊介/円堂都司昭/荒木優太/仲俣暁生/坂田邦子/片上平二郎/藤井義允/今藤晃裕) 第三回 震災後文学とアナーキズムと反出生主義 荒木優太×藤田直哉(宮本道人/仲俣暁生/檀原照和/長瀬海/西崎航輝(ソーシャルディア)/藤井義允/竹本竜都) 第四回 なぜ二〇一〇年代の日本文学はディストピアが主流になったのか 円堂都司昭×藤田直哉(仲俣暁生/片上平二郎/西崎航輝(ソーシャルディア)) 第五回 文学の自由と倫理ーー『美しい顔』をめぐって 長瀬海×藤田直哉(円堂都司昭/パヴォーネ・キャーラ/高田雅子/竹田信弥) 第六回 震災後文学と東北文学ーー木村友祐作品をめぐって 杉田俊介×藤田直哉(吉田威之/スズキロク/竹田信弥) 付録 震災後文学年表 作品リスト
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【新刊】被災地の「言葉」をつなぐ文芸誌『ららほら』編著・藤田直哉
¥1,320
四六判/ハードカバー/260ページ 目次 藤田直哉 「はじめに」 Ⅰ 当事者たち 平山睦子 「家族という壁」 大澤史伸 「藤田直哉さんへの手紙」 木田修作 「あの日からのこと」 木田久恵 「「分からない」から始まった」 Ⅱ 被災地の言葉を集める者たち 小松理虔 「語りにくさをくぐり抜ける、小さな場づくり」 金菱清 「「亡き人への手紙」から考えざるを得なかったこと」 瀬尾夏美 「震災後に書き始める」 川口勉 「彼らの原発」 土方正志 「被災地で本を編む」 甲斐賢治、清水有、田中千秋「信頼できる状況を作り出すために――「3がつ11にちをわすれないためにセンター」の挑戦」 Ⅲ 特別寄稿 室井光広 「〈冬の大三角〉座で正しく不安を学ぶ」 藤田直哉 「おわりに」
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【新刊】『母影』尾崎世界観(文庫)
¥605
SOLD OUT
サイズ:文庫 小学校で独りぼっちの「私」の居場所は、母が勤めるマッサージ店だった。「ここ、あるんでしょ?」「ありますよ」電気を消し、隣のベッドで客の探し物を手伝う母。カーテン越しに揺れる影は、いつも苦し気だ。母は、ご飯を作る手で、帰り道につなぐ手で、私の体を洗う手で、何か変なことをしている――。少女の純然たる目で母の秘密と世界の歪(いびつ)を鋭く見つめる、鮮烈な中編。第164回芥川賞候補作。
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【新刊】『母影』尾崎世界観
¥1,870
主人公は小学校低学年の女の子。母子家庭で育った彼女は、学校に友達がおらず、放課後の時間をもっぱら母親の働くマッサージ店の空きベッドで過ごしている。カーテンの向こうでお客さんを施術して「直してあげる」母親は、昔は女性客の相手もしていたはずなのに、次第に店に来るのがおじさんばかりになってきて……。
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【新刊】『「知らない」から始まる 10代の娘に聞く韓国文学のこと』(ま)& アサノタカオ
¥1,980
未知の世界を発見する喜びは、いつも知らないものたちの冒険心からはじまる。 サウダージ・ブックスの編集人で韓国文学ファンである父親が、K - POPが好きな10代の娘に話を聞いてみた。憧れのソウルを旅行したこと、韓国の小説を読んだこと。隣の国のカルチャーを追いかける親子の、少しミーハーで少しきまじめな証言を一冊に。インタビュー&エッセイによる韓国文学ガイド。 《作者のチョン・セランには、いまの韓国はそう簡単に幸せになることが許されない暗い時代だっていう考え方があって、暗ければ暗いほど、小さな希望に光を感じられるっていうことなんじゃないの? だから……ホ先生が通りすがりの子どもに運を分けてあげたいと思うちょっとしたエピソードにもあたたかい価値が生まれるんだと思う。》 ——(ま)「ホ先生が人生の最後に抱く幸福には、でも陰がある」本書より もくじ はじめに ——「知らない」からはじまる旅と読書 アサノタカオ Ⅰ インタビュー ま&アサノタカオ 「バンタン食堂」で会ったお姉さんは、とてもフレンドリーだった ——BTS聖地巡礼その他 1 距離みたいなものがなくなってメンバーが身近な存在に ——BTS聖地巡礼その他 2 この「むなしさ」は自分と同じ「世界線」にある ——チェ・ウニョン『ショウコの微笑』 ホ先生が人生の最後に抱く幸福には、でも陰がある ——チョン・セラン『フィフティ・ピープル』 思いを話したいと願うようになったから「ことば」が出てきた ——ファン・インスク『野良猫姫』 背負いきれないものを背負っている人たちが何かを封印して生きている ——キム・エラン『外は夏』 問題の原因は目に見えない感情や気持ち、人と人の関係にある ——チョン・セラン『保健室のアン・ウニョン先生』 非日常のあとの日常を普通に生きていく人を描くこと ——チョン・セラン『屋上で会いましょう』 Ⅱ エッセイ 心の矢印が、ぐっと朝鮮半島のほうに傾いた アサノタカオ 忘れられたものたち、忘れてはならないものたち ——ファン・ジョンウン『ディディの傘』 アサノタカオ わからない世界で自分を生きる ——チョン・セラン『声をあげます』 (ま) おわりに ——親子という境域(ボーダーランズ)で話を聞く アサノタカオ 著者紹介 (ま) 2004生まれ。高校生(執筆当時)。K - POPファン、韓国語を勉強中。 アサノタカオ 1975年生まれ。大学卒業後、2000年からブラジルに滞在し、日系移民の人類学的調査に従事。2009年よりサウダージ・ブックスの編集人をつとめながら、現在はフリーランスで編集と執筆の仕事をしている。著書に『読むことの風』(サウダージ・ブックス)、共著に『韓国文学ガイドブック』(黒あんず監修、Pヴァイン)。
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【新刊】『しをかくうま』九段理江
¥1,650
第45回野間文芸新人賞受賞作。 疾走する想像力で注目を集める新芥川賞作家が描く、馬と人類の壮大な歴史をめぐる物語。 太古の時代。「乗れ!」という声に導かれて人が初めて馬に乗った日から、驚異の物語は始まる。この出逢いによって人は限りなく遠くまで移動できるようになった――人間を“今のような人間”にしたのは馬なのだ。 そこから人馬一体の歴史は現代まで脈々と続き、しかしいつしか人は己だけが賢い動物であるとの妄想に囚われてしまった。 現代で競馬実況を生業とする、馬を愛する「わたし」は、人類と馬との関係を取り戻すため、そして愛する牝馬<しをかくうま>号に近づくため、両者に起こったあらゆる歴史を学ぼうと「これまで存在したすべての牡馬」たる男を訪ねるのだった――。
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【新刊】『単語帳』グレゴリー・ケズナジャット
¥550
SOLD OUT
U-NEXT電子書籍サービスで好評配信中の電子短編から選りすぐりの3作を文庫化します。 本作は、2022年「開墾地」が第168回芥川賞の候補にもなったグレゴリー・ケズナジャットさん。 「モフモフ」をどう英訳するか。そんな切り口から始まる第二言語習得の旅を描きます。
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【新刊】『イライラ文学館 不安や怒りで爆発しそうなときのための9つの物語』頭木弘樹
¥1,980
イライラしたときには、イライラした物語を。物語によるアンガーマネジメントが誕生! 最近、イライラしませんか? そんなときこそ、イライラした物語を。本書は小説からエッセイ、マンガまで、古今東西の〈イライラ文学〉を集めたアンソロジーです。「イライラしたときには、イライラ文学館を訪れて、イライラ文学にふれて、イライラに共感することで、イライラを相殺してもらいたい」(イライラ文学館館長より)。筒井康隆や内田百閒、チェーホフ等、バラエティ豊かな9つの物語が楽しめる、読むアンガーマネジメント。ぜひお試しあれ。 目次 ◎筒井康隆「心臓に悪い」 ◎志賀直哉「剃刀」 ◎アントン・チェーホフ「ねむい」 ◎ル・クレジオ「ボーモンがはじめてその痛みを経験した日」 ◎谷崎潤一郎「病褥の幻想」 ◎内田百閒「搔痒記」 ◎ソ・ユミ「当面人間――しばらくの間、人間です」 ◎土田よしこ「わけもなく楽しくて...!?の巻」「ムシムシイライラの巻」(『ツル姫じゃ~っ!』より
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【新刊】『速く、ぐりこ!もっと速く!』早乙女ぐりこ
¥1,980
暮らしレーベル第6弾。 自己中心的な性格で、誰かのためにがんばることができなかった私も、書き続けたらこの世に何かを残すことができるだろうか。 ひとりじゃできないこと。それはセックスなんかじゃなくて、もっともっと私の存在の根幹にかかわること。 血迷ってマッチングアプリを始めた。よりによって、遊び目的の人間ばかりが集まっていると言われる一番チャラいやつ。自己紹介欄に何を書こうかなと考える。出会いを求めている男女が集う場でも、自分が、自立していてひとりでも幸せに生きていける女であるかのように取り繕った文章しか書けないのが笑える。自立していてひとりでも幸せに生きていける女が、なんでマッチングアプリなんか始めてるんだよ。(本文より)