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【新刊】『水道水の味を説明する』鈴木ジェロニモ
¥1,650
四六判/352ページ “水道水の味”や“1円玉の重さ”など、一見無機的なものを、自身の独特の視点をかたどった言葉で表現したYouTube動画「説明」が各所から注目を浴びている。歌人としても活躍し、『BRUTUS』での又吉直樹との対談、文藝春秋オンラインでの穂村弘との対談など、いま次世代の表現者として大きな注目を集めているピン芸人・鈴木ジェロニモの初めての本です。
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【新刊】『Y字路はなぜ生まれるのか?』重永瞬
¥2,090
SOLD OUT
四六判/208ページ 「空間の歴史」を堆積した〈Y字路〉の謎を解く日常に残された最後の魔境、Y字路。各界の著名人をも虜にする「分かれ道」のすべてを、国内初の若きY字路専門家が語り尽くす! 散歩者、地理マニアにとって基礎教養とも言えるY字路、その成り立ちを紐解いてみると、町の様相が見えてくる。ひとりで歩いて見るだけではわからないY字路の楽しみ方を全国各地の事例とともに紹介。地形・地図・フィールドワークの探究から明らかになる、Y字路誕生の秘密とは。
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【新刊】『細雪(全)』谷崎潤一郎
¥1,320
文庫判/936ページ 大阪船場の旧家蒔岡家の美しい四姉妹を優雅な風俗・行事とともに描く。女性への永遠の願いを〝雪子〟に託す谷崎文学の代表作。〈解説〉田辺聖子
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【新刊】読書会の記録本スペシャルセット(『富士日記』+『文集・「富士日記」の一年』
¥4,444
文庫3巻とZINE1冊。 『富士日記』中公文庫の上中下巻と、それを一年間かけて読んだ記録『文集・「富士日記」の一年』をセットにしたスペシャルセットです。
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【小説×カレー】『華麗に文学をすくう?』シーズン1完食セット(尾崎世界観、高山羽根子、青木杏樹、オルタナ旧市街、浅生鴨、第一芸人文芸部(ピストジャム+ファビアン)おまけ付き)
¥7,920
*パッケージの写真はイメージです。 *『華麗に文学をすくう?』のシーズン1を全てセットで届けします。 内容は、尾崎世界観、高山羽根子、青木杏樹、オルタナ旧市街、浅生鴨、第一芸人文芸部(ピストジャム+ファビアン)それぞれの商品を1つずつ計6箱のセットをお届け。 *おまけであきたこまちの新米を約2合プレゼント! 「華麗に文学をすくう?」プレスリリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000005357.000016756.html
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【新刊】『戦前生まれの旅する速記者』佐々木光子
¥1,980
B6判/84ページ(画像は仮のものです) 速記一本で時代を駆けてきた女性の 軽やかなキャリアと人生の軌跡 「こういう話、面白い? そう。じゃあよかったわ。」 この本は、大正最後の年=1926年に生まれて、80歳になるまで速記者を続けた佐々木光子さんの人生を聞き取ったものです。 佐々木さんは戦前に女学校で速記を学び、日本銀行に勤め、戦後にフリーの速記者として独立。 NHKラジオでは寄席で落語を書き起こし、雑誌「平凡」では作家や俳優の座談会を活字にまとめ、青山学院では速記の講師を担い、経済界では田中角栄をはじめとした歴史に名を残す政治家たちの会合にも臨席。 速記の国際会議をきっかけに40代でフランス語を学び始め、語学留学と海外旅行を重ねるようになりました。 何歳になっても好奇心を失わず、時代に流されることもなく、速記という仕事一筋に駆け抜けてきた佐々木さんの約1世紀にわたる人生は、今とこれからを生きる私たちに大きな気づきをもたらしてくれるはずです。 本書に収録した主なエピソード ・樺太の職工だった父が残した月給袋 ・日本銀行の地下室の秘密 ・速記で乗り越えた新円切り替え ・いわさきちひろが描いてくれた絵 ・田中角栄の一言「速記屋さんご苦労さん」 ・家を建てるために箱根で働く ・デンスケ(テープレコーダー)の普及 ・速記者御用達の原稿用紙とペン ・フランス滞在。異国の文化を生きる ・ベルリンの壁を越えた先の光景 書名:『戦前生まれの旅する速記者』 著者:佐々木光子 聞き手:竹田信弥 編集・構成:秋葉貴章 装丁・組版:中村圭佑 判型:B6判、ガンダレ製本 ページ:84頁 版元:双子のライオン堂出版 価格:1800円+税 発売日:2024年12月1日(予定) ISBN:9784910144122
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【新刊】『両A面歌集・夏のはじまりとはじまり』今今日×竹田ドッグイヤー
¥1,210
文庫判/87ページ 両A面歌集は、左右どちらからでも読みはじめることができる歌集です。右開きとして読むと今今日さんの8月1日からはじまり、気がつくと竹田8月1日へ…。 ふたりの書き手が、ある夏の1ヶ月間、動物を感じる短歌を毎日1首ずつ詠みました。 終わりのない夏をお楽しみください。
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【新刊】『文集・「富士日記」の一年』案内人・岸波龍
¥1,320
文庫判/97ページ 機械書房の岸波龍さんを案内人に、『富士日記』を1年かけてゆっくり読んだ記録を、参加者の声も含めてまとめました。 12回分の読書会後記を収録! いつでも連続読書会に参加した気分に。
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【新刊】『NHK出版 学びのきほん 傷つきのこころ学』宮地 尚子
¥825
A5判/112ページ 傷とともに生きる人のための、こころのケア論。 SNSの多様化、リモートワークの波及、デジタル社会の加速――。人と人との距離感が変わりつつある現代では、誰もが多くの「傷つき」を経験する。自分と他者はなぜ傷つき合い、それはどのように癒やせるのか。トラウマ研究の第一人者が、現代に特有の「傷つき」の背景を分析し、「レジリエンス」「エンパワメント」「ポスト・トラウマティック・グロウス」など、数十年培ってきた専門的知識を初めて私たちの日常生活に落とし込んで解説する。
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【新刊】『「細雪」の詩学 比較ナラティヴ理論の試み』平中悠一
¥5,500
四六判・上製/456ページ 谷崎最大の長編「細雪」。しかしその評価は未だ定まってはいない。本書は従来のナラトロジーを更新するノン・コミュニケーション理論を導入することで、日本語による三人称小説の〝客観的に論証可能な「語り」読解〟の方法論を提示し、プルースト、V・ウルフらに比肩する同時代の世界文学としてその価値を標定する──小説家として知られる著者が東京大学大学院に提出した日本語による博士論文。
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【新刊】『傷を愛せるか 増補新版』宮地 尚子
¥792
A5判/112ページ 弱いまま 強くある ということ たとえ癒しがたい哀しみを抱えていても、傷がそこにあることを認め、受け入れ、傷の周りをそっとなぞること。過去の傷から逃れられないとしても、好奇の目からは隠し、それでも恥じずに、傷とともにその後を生きつづけること―。 ケアとは何か? エンパワメントとは何か? バリ島の寺院で、ブエノスアイレスの郊外で、冬の金沢で。旅のなかで思索をめぐらせた、トラウマ研究の第一人者による深く沁みとおるエッセイ。 解説=天童荒太 【目次】 Ⅰ 内なる海、内なる空 なにもできなくても 〇(エン)=縁なるもの モレノの教会 水の中 内なる海 泡盛の瓶 だれかが自分のために祈ってくれるということ 予言・約束・夢 Ⅱ クロスする感性――米国滞在記+α 二〇〇七―二〇〇八 開くこと、閉じること 競争と幸せ ブルーオーシャンと寒村の海 冬の受難と楽しみ 宿命論と因果論 ホスピタリティと感情労働 右も左もわからない人たち 弱さを抱えたままの強さ 女らしさと男らしさ 動物と人間 見えるものと見えないもの 捨てるものと残すもの ソウル・ファミリー、魂の家族 人生の軌跡 Ⅲ 記憶の淵から 父と蛇 母が人質になったこと 母を見送る 溺れそうな気持ち 本当の非日常の話 張りつく薄い寂しさ Ⅳ 傷のある風景 傷を愛せるか あとがき 文庫版あとがき 解説 切実な告白と祈り 天童荒太 初出一覧 エピグラフ・出典
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【新刊】『ロシア文学の教室』奈倉有里
¥1,595
四六判/384ページ 青春小説にして異色のロシア文学入門! 「この授業では、あなたという読者を主体とし、ロシア文学を素材として体験することによって、社会とは、愛とは何かを考えます」 山を思わせる初老の教授が、学生たちをいっぷう変わった「体験型」の授業へといざなう。 小説を読み出すと没頭して周りが見えなくなる湯浦葵(ゆうら・あおい)、 中性的でミステリアス、洞察力の光る新名翠(にいな・みどり)、発言に躊躇のない天才型の入谷陸(いりや・りく)。「ユーラ、ニーナ、イリヤ」と呼ばれる三人が参加する授業で取り上げられるのは、ゴーゴリ『ネフスキイ大通り』、ドストエフスキー『白夜』、トルストイ『復活』など才能が花開いた19世紀のロシア文学だ。 社会とはなにか、愛とはなにか? この戦争の時代を考えるよすがをロシア文学者・翻訳者の著者が真摯に描く 「ロシア文学の教室」。 ーーーーーーーーーーーーーーーー ◎目次(シラバス) 第1講 大通りの幻 ニコライ・ゴーゴリ『ネフスキイ大通り』 第2講 仄暗い森のなか アレクサンドル・プーシキン『盗賊の兄弟』と抒情詩 第3講 孤独な心のひらきかた フョードル・ドストエフスキー『白夜』 第4講 距離を越える声 アレクサンドル・ゲルツェン『向こう岸から』 第5講 悪魔とロマンティック ミハイル・レーモンルトフ『悪魔』 第6講 布団から出たくない イワン・ゴンチャロフ『オブローモフ』 第7講 恋にめちゃくちゃ弱いニヒリスト イワン・ツルゲーネフ『父と子』 第8講 土埃に舞う問い ニコライ・ネクラ―ソフ『ロシヤは誰に住みよいか』 第9講 やり直しのないこの世界 アントン・チェーホフ『初期短編集』 第10講 心の声の多声 マクシム・ゴーリキー『どん底』 第11講 温室の夢 フセーヴォロド・ガルシン「アッタレーア・プリンケプス」 第12講 よみがえるときまで レフ・トルストイ『復活』
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【新刊】『たのしむ知識 菊地成孔と大谷能生の雑な教養』
¥2,530
四六判/280ページ 雑味のない教養なんて、かみごたえがないよ。 YMOとは何だったのか、夢グループ対ゲンズ物語、『刑事コロンボ』とアイスお父さん、言論人のロックフェス、二代目大谷能生計画...... すべてのカルチャーに愛をこめて。『東京大学のアルバート・アイラー』『アフロ・ディズニー』の最強コンビが放つ、波乱の2020年代(ローリング・トゥエンティーズ)を生きるための対話 目次 まえがき Ⅰ 話せばわかるか Ⅱ 長電話 Ⅲ 闘争のエチカ Ⅳ たかが映画じゃないか Ⅴ 老イテマスマス耄碌 あとがき
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【新刊】『哲学者カフカ入門講義』仲正昌樹
¥2,200
四六上製/270ページ 没後100年。 ドゥルーズ+ガタリ、ベンヤミン、アドルノなど、哲学/現代思想の諸理論の視座から、カフカの主要作品を精読し、解釈を加えることを通して、世界を見る時の「自分」の視線の動きを変調させるやり方を学ぶ。 今までなかった哲学の視点からスリリングにその奇怪な小説の世界を読解する。 漫才でありそうな、ちょっとしたボケの効果が――読者がこの程度のことはそれほど珍しくもないなと思っているうちに――徐々に大きくなっていき、いつの間にかとんでもない不条理に発展していることに、しばらくしてから気付く。そういう、気付かないうちに読者の時間感覚、秩序感覚を狂わせてしまうような文体にこそカフカの魅力があると思う。(本文より)
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【新刊】『みどりいせき』大田ステファニー歓人
¥1,870
四六判/216ページ このままじゃ不登校んなるなぁと思いながら、僕は小学生の時にバッテリーを組んでた一個下の春と再会した。 そしたら一瞬にして、僕は怪しい闇バイトに巻き込まれ始めた……。 でも、見たり聞いたりした世界が全てじゃなくって、その裏には、というか普通の人が合わせるピントの外側にはまったく知らない世界がぼやけて広がってた──。 圧倒的中毒性! 超ド級のデビュー作! ティーンたちの連帯と、不条理な世の中への抵抗を描く。 【著者略歴】 大田ステファニー歓人 (おおた・すてふぁにー・かんと) 1995年東京都生まれ。2023年、『みどりいせき』で第47回すばる文学賞を受賞してデビュー。24 年、同作で第37回三島由紀夫賞受賞。
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【新刊】『〈弱さ〉から読み解く韓国現代文学』小山内園子
¥1,870
四六判/240ページ 物語のなかの〈弱さ〉が、読む人の心に光を灯す どの作品も、〈弱さ〉を正面から描いているから――。 著者が数々の作品の翻訳を手掛けるなかで、「なぜ韓国現代文学に魅せられるのか」を自らに問い、深く考えてたどり着いたのが、この答えでした。 〈弱さ〉とは、自らの意志とは関係なく選択肢を奪われた状態のこと。その視点で、『82年生まれ、キム・ジヨン』をはじめとする多彩な13の作品を読み解きながら、そのメッセージを探り、魅力を掘り下げます。一つひとつの物語を丁寧にたどっていくと、この暴力的な現代社会を生きるための道が照らし出されるはずです。 2023年1月~3月にNHKラジオ第2「カルチャーラジオ 文学の時間」で放送された同名の講座、待望の書籍化! 第一章:試練の歴史と作家のまなざし――パク・ミンギュ『亡き王女のためのパヴァーヌ』 第二章:ある女性が〈ひとり〉になるまでの物語――チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』 第三章:性暴力を「信じてもらえない語り」で描く――カン・ファギル『別の人』 第四章:「普通」の限界、クィア文学が開けた風穴――パク・サンヨン『大都会の愛し方』 第五章:経済優先社会で行き場を失う労働者――孔枝泳『椅子取りゲーム』 第六章:植民地支配下、声を上げる女たちの系譜――パク・ソリョン『滞空女 屋根の上のモダンガール』 第七章:民主化運動、忘却に静かに抗う――キム・スム『Lの運動靴』 第八章:セウォル号沈没事件・キャンドル革命と〈弱者〉――ファン・ジョンウン『ディディの傘』 第九章:「子どもが親を選べたら」少子化が生んだ想像力――イ・ヒヨン『ペイント』 第十章:社会の周縁から人間の本質を問う――キム・ヘジン『中央駅』 第十一章:あり得たかもしれない、ハッピーエンドの物語――チョン・セラン『シソンから、』 第十二章:高齢女性の殺し屋が問いかける〈弱さ〉――ク・ビョンモ『破果』 第十三章:弱くある自由を叫ぶ――チョ・ナムジュ『私たちが記したもの』 〈弱さ〉から始まる未来を想像する――あとがきにかえて
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【新刊】『ことぱの観察』向坂くじら
¥1,980
四六判/272ページ 文芸の世界で最も注目を集める作家が挑んだ、言葉の定義をめぐるエッセイ集。 「好きになる」「さびしさ」「つきあう」――。日常で何気なく使っている言葉で私たちは、他人と「本当に」分かり合えているのだろうか。一つ一つの言葉が持つあいまいさや脆さを鋭く見抜き、記憶や経験、痛みや喜びの「手ざわり」からその意味を結び直す。他人や、自分自身や、そのあいだにある関係を観察した日々の、試行錯誤の記録。 ある言葉があって、同じ言葉を使う他人がいる。しかし、お互いにほかの文脈を持っていて、ほかの意味を考えている。だから会話が食いちがい、ときに関係がうまくいかなくなるのだ。定義をしながら、そしてその不完全さを思いながら、いつも感じてきたことがある。言葉がわたしの中である意味をむすぶとき、そこにはわたしの記憶や、経験や、痛みや喜びの手ざわりが、どうしようもなくまとわりつく。そしてきっと、他人の使う言葉には、彼らの記憶や、経験や、手ざわりが、同じようにまとわりついている。(「観察」より)
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【新刊】『今、出来る、精一杯。』根本宗子(単行本)
¥1,760
四六判/208ページ 劇作家 根本宗子、文学界へ進出! 東京都三鷹市のスーパーマーケット「ママズキッチン」で働く人々は皆どこかヘン。しかしもっとおかしいのは毎日この店を訪れ「お弁当をタダでくれ」を叫ぶ車椅子に座る女だった。言葉を聞き入れてもらえない少女、自分の意見を捨てた女、完璧に見えるバイトリーダーに、他人の人生を壊してしまった男…。 「黙ってれば、自分の意見を持たなければ、嫌な思いもしませんから」 ――バックヤードで繰り広げられる言葉の応酬と傷つけ合い。めんどうな12人の人間が曝け出した感情の先に希望は灯るのか。 演劇界の異才による傑作群像劇、ついに小説化!
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【新刊】『##NAME##』児玉雨子
¥1,760
SOLD OUT
サイズ: 四六判 ページ:164 光に照らされ君といたあの時間を、ひとは”闇”と呼ぶ――。かつてジュニアアイドルの活動をしていた雪那。少年漫画の夢小説にハマり、名前を空欄のまま読んでいる。第169回芥川賞候補作(版元サイトより)
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【新刊】『夜明けと白と屍の病』白倉由美
¥2,695
四六判/384ページ その感染症に罹患した者は、身体全体が白くなる。 肌も髪も睫毛も、瞳孔さえも。 そしてアンデッド(「死なない身体」)に変化するーー 何処に行けば君を見失わずにいられるのだろう? 逃れられない罪を償うにはどうしたらいいのだろう? 伝染病の噂、宗教と信仰、水の汚染、止まない雨、あらゆる厄災と悪意が満ち、世界の終わりが近づくーー、 ーー白倉由美の最新作は、マジックリアリズムのように絡み合った世界を歩むための物語。
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【新刊】『ネコのムル君の人生観』(上・下セット)
¥3,080
文庫判/(上)456ページ、(下)464ページ *上下巻セットです。 人のことばを理解し、読み書きを習得した雄ネコのムルが綴る自伝と、架空の音楽家クライスラーの伝記が交差する傑作長編。 上巻はムルの生い立ちから、友だちのプードル犬ポントとの友情、美猫との恋話など青春時代まで。愛猫家必読! 豊富な訳注と抜群に読みやすい訳文で、奇才ホフマンが放つ、世界に冠たるネコ文学の世界を堪能する。 下巻では、若々しさと瑞々しい知性、気負いがぶつかり合う修業時代から成熟期まで、血気盛んな若者としてのムルの成長が描かれる。教養小説のパロディーと音楽家クライスラー篇の熱狂が奏でる二重小説。
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【新刊】『悪い時』ガブリエル・ ガルシア・マルケス、(訳)寺尾隆吉
¥1,100
文庫判/352ページ 十月の雨の朝、外出しようとラバに跨ったセサル・モンテロは、戸口に貼られた一枚のビラを目にする。行き先を変更した彼は、クラリネット吹きのパストールの家に入り込むと、銃声を響かせたのだった……。「暴力時代」後のコロンビア社会を覆う不穏な空気が蘇る、腐臭と秘密に満ちた物語。 『悪い時』によって私は壁際に追い詰められた。だが、『悪い時』がなければ『百年の孤独』は書けなかったことだろう。壁際に追い詰められたら、その壁を壊す以外に出口はないのだ。 ──ガルシア・マルケス
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【新刊】『部屋と自炊本と私 本や資料の電子化&活用術』吉川浩満・平山亜佐子
¥1,650
A5判/136ページ 文筆家・挿話蒐集家の平山亜佐子さんがシラスで毎週配信している「平山亜佐子のこちら文献調査局」。 その1コーナーとして文筆家・編集者・YouTuber・卓球コーチ・DJの吉川浩満さんを迎えて7回にわたり配信された「電書課 部屋と自炊本と私」を書籍化! 棚から溢れ床を侵食してゆく本や雑誌、紙資料の山に生活が圧迫されている方も少なくないでしょう。同じ悩みを抱えた吉川さんがたどり着いたソリューション、それがいわゆる「自炊」。本を裁断し、スキャンしてデータ化するというものです。 「やっぱ本は紙じゃなきゃ」という方も多いでしょう。わかります。なのですが、自炊本には自炊本の数々の利点があります。 本書では1万数千冊を自炊してきた吉川さんが試行錯誤の末に見出した最新の自炊とその活用方法を惜しみなく公開。 さらにはゲストとして美少女コミック研究家の稀見理都さん、そして独自のこだわりでグラビア雑誌を自炊するDBMさんが登場、それぞれに異なる用途やノウハウを紹介してくれています。 日々増殖する本と格闘する日々へのヒントが得られる一冊です! 目次 第一回 余は如何にして自炊者となりしか……6 イントロダクション/自炊の歴史/自炊の方針/環境構築 コンピュータと 裁断機/環境――スキャナ/環境―ソフトウェア/モバイル環境のソフト ウェア 第ニ回 設定には手間をかける――環境編:ソフトウェア……25 なぜ「自炊」というのか/ ScanSnap Home のプリセット/アクションウィ ザード/ファイル管理/ PDF リーダー/モバイルアプリ 第三回 この自炊者を見よ――環境編:ハードウェア……44 自炊動画公開/厚い本の裁断/裁断した本をスキャンする/スキャン後の確 認/検索の精度 第四回 平山、はじめての自炊……55 はじめての自炊/スキャンした後で迷う/「資料(名称未設定)」フォルダ/ 検索の検証/旧字の OCR / PDF の加工/ Kindle の活用 第五回 乗るしかない、アーカイブのビッグウェーヴに!――漫画雑誌の自炊(ゲスト:稀見理都)……71 美少女コミック研究/コレクターではない/エロ本は残らない/アーカイブ 化のビッグウェーブ/自炊のポリシー/データフロー/スキャン理念/ホー ムセンターで道具は全部揃う/中綴じ雑誌の自炊/ JPEG のデータ管理/ JPEG + OCR の威力/オープンソース化を目指して/アーカイブの課題 第六回 紙の呪縛と自炊者の密かな愉しみ――グラビア雑誌の自炊(ゲスト:DBM)……95 グラビア雑誌の自炊/使用備品/スキャンの様子/メンディングテープ強し /スキャン失敗例その2/ファイル管理/スキャン環境とバックナンバー管 理/デジタルの愉しみ/ハードウェア環境 第七回 帯に短し襷に長し――現時点での最新環境報告……116 八ヶ月ぶり二回目/ Android 環境/アプリケーションの長所と短所/雑感
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【新刊】『あなたにオススメの』本谷有希子
¥1,870
四六判/258ページ 気づけば隣にディストピアーー 世界が注目する芥川賞作家・本谷有希子が描く、心底リアルな近未来! 「推子のデフォルト」 子供達を<等質>に教育する人気保育園に娘を通わせる推子は、身体に超小型電子機器をいくつも埋め込み、複数のコンテンツを同時に貪ることに至福を感じている。そんな価値観を拒絶し、オフライン志向にこだわるママ友・GJが子育てに悩む姿は、推子にとっては最高のエンターテインメントでもあった。 「マイイベント」 大規模な台風が迫り河川の氾濫が警戒される中、防災用品の点検に余念がない渇幸はわくわくが止まらない。マンションの最上階を手に入れ、妻のセンスで整えた「安全」な部屋から下界を眺め、“我が家は上級”と悦に入るのだった。ところが、一階に住むド厚かましい家族が避難してくることとなり、夫婦の完璧な日常は暗転する。