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【新刊】『愛と欲望の雑談』岸政彦・雨宮まみ
¥1,100
A5/96ページ/ 女性性とうまく向き合えない自身を描いた『女子をこじらせて』で、世の女性の心を鷲掴みにしたライター・雨宮まみさん。日常に転がる「分析できないもの」を集めた『断片的なものの社会学』で、社会学の新たな扉を開いた岸政彦さん。活躍する分野も性格もまったく違うお二人による「雑談」、もう、止まりません! 私たちはときには譲り合うことなく対立しながらも(例・浮気の是非)、他者を信頼したい、他者とともに在りたいという思いについては、共有していたと思う。――「あとがき」より (版元サイトより) <著者情報> 雨宮まみ ライター。エッセイを中心に書評などカルチャー系の分野でも執筆。著書に『女子をこじらせて』(幻冬舎文庫)、『まじめに生きるって損ですか?』(ポット出版)など。 岸政彦 1967年生まれ。社会学者。立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。研究テーマは沖縄、被差別部落、生活史。著書に『街の人生』(勁草書房)、『断片的なものの社会学』(朝日出版社)など。
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【新刊】『ニッポンのマツリズム 盆踊り・祭りと出会う旅』著:大石 始、写真:ケイコ・K・オオイシ
¥2,200
四六判変型・並製/288ページ 青森、秋田、東京から徳島、奄美、沖縄まで、 祭りの中で見つけたもうひとつの日本! 「祭りと盆踊りと出会う旅とは、僕にとってはそれまでまったく知らなかった日本列島の姿を発見する旅でもあった〜取材のたびに日本列島の新しい姿と出会い、驚かされてばかりいる」(あとがきより) 2010年の夏、「高円寺阿波おどり」と「錦糸町河内音頭大盆踊り」に衝撃を受けた著者は、以来南米のカーニバルやレイヴ・パーティーにも通じる祝祭感、高揚感のなかに、いまだ見知らぬ列島の姿を求めて、日本各地の祭りを追いかけている。本書にはそんな旅のなかから、北は青森、秋田、南は奄美、沖縄まで、全国13の盆踊り・祭り体験を収録!(版元サイトより) <プロフィール> おおいし・はじめ 1975年、東京生まれ。ライター、編集者。雑誌編集者を経て、2008年からフリーランスとしてワールドミュージックや民族音楽/芸能の取材記事、旅の紀行文などを各媒体に寄稿。これまでの著書に2015年の『ニッポン大音頭時代 「東京音頭」から始まる流行音楽のかたち』、2010年の『関東ラガマフィン』、編著書に2014年の『大韓ロック探訪記』、共同監修を手がけた書籍に『GLOCAL BEATS』(2011年)などがある。旅と祭りの編集プロダクション「B.O.N」所属。 ケイコ・K・オオイシ[写真] 1974年、東京生まれ。フォトグラファー、デザイナー。各媒体に写真を提供するほか、デザイナーとしてディスクガイド・ブックやアパレルなど各種広告、イヴェント・フライヤーを手掛ける。2012年にはコンピレーション・アルバム『DISCOVER NEW JAPAN 民謡ニューウェーブ VOL.1』のアートワークを手掛けた。旅と祭りの編集プロダクション「B.O.N」所属。
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【新刊】『北欧フェミニズム入門』枇谷玲子
¥1,200
A5/84ページ 翻訳者・枇谷玲子編著の北欧で刊行されたフェミニズムに関連した本をを介するブックガイド。 詳しくはこちら。https://note.com/reikohidani/
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【新刊・予約】『本の練習生』碇雪恵(サイン本)
¥1,320
予約商品
170*120 B6変形判/98ページ(表紙はイメージです) 本書は、ライター・編集者の碇雪恵さんが、双子のライオン堂で開催した多和田葉子『雪の練習生』の連続読書会に参加した記録エッセイです。 読書会を通して、難解な小説と格闘しながら、多様な人々との対話を通じて「わかる」ことの価値を問い直す、真摯でユーモラスな日々の記録。本書を通じて、読書会を追体験してもいいし、読書や小説との向き合い方を考えてもいい。 ・目次 少し長めの前日譚 第一回 読書会の練習生 2024年10月17日(木) 第二回 地面師の練習生 2024年11月21日(木) 第三回 年の瀬の練習生 2024年12月12日(木) 第四回 百合の練習生 2025年1月23日(木) 第五回 ラジオの練習生 2025年2月20日(木) 最終回 ふたたび、読書会の練習生 2025年3月20日(木) あとがき ・碇雪恵 北海道札幌市生まれ。出版取次会社、出版社勤務を経て現在はフリーランスでライター時々編集など。自身の出版レーベル「温度」よりエッセイ集『35歳からの反抗期入門』、二村ヒトシ『AV監督が映画を観て考えたフェミニズムとセックスと差別と』などを刊行。新宿ゴールデン街のバー「月に吠える」金曜店番。
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【新刊】『花咲くみちのひとりごと』燈花ふゆ(サイン本)
¥1,210
A5判/ページ GAMABOOKSのVTuber書店員・燈花ふゆさんの短歌100首を収録。 表紙もご自身で作られた渾身の1冊。
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【新刊】『すべてのことばが起こりますように』江藤健太郎(サイン本)
¥2,200
B6判並製/192ページ 愛、笑い、海、狂気、デジャブ、旅をめぐる「人間」たちの物語。 「書きたいから書いた。出したいから出した」 既存の文芸の枠の「外」から突如やってきた破格の初小説集。 発行所:プレコ書房 発売日:2025年4月28日 判型:128mm×182mm 造本:カバーなし ニス仕上げ 帯ステッカー付き 価格:2,000円(税込2,200円) 装画・装丁・本文レイアウト:柿木優 解説:郡司ペギオ幸夫 編集:江藤健太郎 印刷・製本:藤原印刷 ISBN:978-4-9913956-0-4 解説・推薦 郡司ペギオ幸夫(科学者・早稲田大学教授) 読み終わって、冬の浜辺で一人焚き火をしていた、存在しない記憶を思い出した。 「すべてのことばが起こりますように」の主人公であるウジャマ(内山)はデジャブとしての生を繰り返す。デジャブとして生き続けるこの感じをきっかけに、本解説もまたデジャブ体験のように書き連ねられることになる。 ああ、江藤くんですか、知ってますよ。よく覚えてます。彼は私の授業の第一回の講義で、授業が終わると教卓に走り込んできましてね、言うんですよ。「郡司さん、早稲田の理工で郡司さんの授業わかるの、俺以外いませんよ」ってね。《解説より》
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【新刊】宮田愛萌『写真短歌集 わたしのをとめ』 (オリジナルポストカード&サイン付)
¥4,708
SOLD OUT
A5判・上製・角背・144頁 (オリジナルポストカード(FARMイベント仕様)&サイン付) 現代を⽣きる、わたし。想像の世界のをとめ。リアルと仮想をつなぐ短歌。 撮り下ろし写真96点と新作50⾸、収録。短歌、縁の地でもある宮崎⽇向市の短歌甲⼦園審査員など短歌の良さを少しでも発信できるよう活動中。和装・洋装を着た本⼈写真と短歌のコラボ。制作全て本⼈監修し様々な分野のプロフェッショナル集結で出来上がった渾⾝の1冊です。 【収録作品より】 絶対に許されません許しません わたし以外が世界だなんて しらたまのようなふとももさらすのは望月だけであれと願わん ディオールもシャネルもなにも知らぬきみせめて色だけおんなじ口紅 ばらばらにしてしまったな。手のひらで。梅花空木は離弁花だから その人は綺麗なもので満ちていてふりむかないでわたしのをとめ 現代を生きる、わたし。想像の世界の、をとめ。 【著者プロフィール】 宮田愛萌(みやた・まなも) 小説家・タレント。1998年4月28日生まれ、東京都出身。2023年アイドル卒業時にデビュー作『きらきらし』を上梓。現在は文筆家として小説、エッセイ、短歌などジャンルを問わず活躍。 本に関連するTV/トークイベント/対談などにも出演。 *バターの女王アンバサダー *TBSポッドキャスト「ぶくぶくラジオ」 *小説現代エッセイ連載「ねてもさめても本のなか」講談社 *短歌研究エッセイ連載「猫には猫の・犬には犬の」短歌研究社 *TV LIFEラジオ番組「文化部特派員『宮田愛萌』」パーソナリティ *著書『あやふやで不確かな』幻冬舎 *著書『春、出逢い』講談社 撮影/小石謙太
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【新刊】十文字青『さよならは言わない』(サイン本)
¥2,530
四六判変型、上製、カバーなし、表紙クロス装、箔押し/216ページ 医師から末期癌を告げられた作家には、多くの進行中のシリーズがあり、そして別れた妻と子がいた。病状を切りだせぬなか、彼の前にかつての同級生が不意に現れる。 十文字青が書き下ろしで贈る、「作家」の物語。 著:十文字青 装幀 名久井直子 装画 タダジュン 本文組版 はあどわあく(大石十三夫)
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【新刊】村上きわみ 『とてもしずかな心臓ふたつ』(おとなの国語キャンペーン書籍)
¥2,530
単行本/おとなの国語キャンペーン書籍のしおり付き
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【新刊】 江國香織『いつか記憶からこぼれおちるとしても』(おとなの国語キャンペーン書籍)
¥638
文庫/おとなの国語キャンペーン書籍のしおり付き
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【新刊】 夏目漱石『こころ』(おとなの国語キャンペーン書籍)
¥473
文庫/おとなの国語キャンペーン書籍の帯としおり付き
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【新刊】 『谷崎潤一郎フェティシズム小説集』(おとなの国語キャンペーン書籍)
¥528
文庫/おとなの国語キャンペーン書籍の帯としおり付き
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【新刊】 『転の声』尾崎世界観(サイン本)
¥1,650
四六変形・上製/168p 第171回芥川賞候補作。 「俺を転売して下さい」喉の不調に悩む以内右手はカリスマ”転売ヤー”に魂を売った? ミュージシャンの心裏を赤裸々に描き出す。 主人公の以内右手は、ロックバンド「GiCCHO」のボーカリストだ。着実に実績をつみあげてきて、ようやくテレビの人気生放送音楽番組に初出演を果たしたばかり。しかし、以内は焦っていた。あるときから思うように声が出なくなり、自分の書いた曲なのにうまく歌いこなせない。この状態で今後、バンドをどうやってプレミアムな存在に押し上げていったらいいのだろうか……。 そんなとき、カリスマ転売ヤー・エセケンの甘い言葉が以内の耳をくすぐる。「地力のあるアーティストこそ、転売を通してしっかりとプレミアを感じるべきです。定価にプレミアが付く。これはただの変化じゃない。進化だ。【展売】だ」 自分のチケットにプレミアが付くたび、密かに湧き上がる喜び。やがて、以内の後ろ暗い欲望は溢れ出し、どこまでも暴走していく…… 果たして、以内とバンドの行きつく先は? 著者にしか書けない、虚実皮膜のバンド小説にしてエゴサ文学の到達点。
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【新刊】『あやふやで、不確かな』宮田愛萌(サイン本)
¥1,760
SOLD OUT
四六版/200ページ 考えていることなんて伝わらないし、言葉はあいまいだ。 だから私たちは、伝える努力をしなくちゃいけない。 瑞々しい感性が光る、恋愛連作短編。 どこにでもいる普通の女の子、冴。冴からの愛を信じられなくなった伸。友人が恋人と別れたことをきっかけに、自分が恋人のことを愛しているかわからなくなった成輝。逆に、恋人との絆を強くした智世。冴のことが嫌いだけど好きで忘れられない真澄――。4組それぞれが抱える恋心を丁寧に描く。 〈宮田愛萌さんコメント〉 宮田愛萌です。この度『あやふやで、不確かな』を出版させていただくことになりました。私はいつも、他者とのコミュニケーションとは難しいものだと思っています。自分以外の人間と完全にわかりあうことなんて不可能であるのに、わかり合えたらと願ってしまう。そういう矛盾がなんかいいな、と思ってこのお話を書きました。 書き終えた今でも、私は登場人物たちとはわかり合えそうにありませんし、書いている時も喧嘩ばかりでしたが、それでも良い関係が作れたのではないかと思っています。 冴たちの物語を、たくさんの方に受け取っていただけたら嬉しいです。 よろしくお願いします。 (版元サイトより)
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【新刊】『春、出逢い』宮田愛萌(サイン本)
¥1,870
SOLD OUT
四六判/248ページ 存続危機の文芸部が目指すのは、短歌甲子園出場。 三十一文字に込めた世界をめぐる初の青春小説。 東京都立櫓門高等学校文芸部・二年生で部長の吉徳紅乃は、先輩の木虎礼登と部員集めに奔走していた。 顧問の先生の提案から短歌初心者が多い中、八月に開催される短歌甲子園出場を目指すことに。 瑞々しく等身大の言葉で競い合う、作家・宮田愛萌が描く高校生たちの熱き青春譚。 物語を彩る、宮田愛萌さんによるオリジナル短歌を約六十首収録。
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【新刊】『きらきらし』宮田愛萌(サイン本)
¥1,980
SOLD OUT
四六/232ページ(サイン本) 「卒業制作」としてお気に入りを詰め込んだ、初の小説集。 誰もが、切なくて愛おしい、きらきらした欠片を持っている──。日向坂46からの卒業を発表した宮田愛萌による、大好きな万葉集から想像を膨らませて執筆した5つの物語とそれを元に撮影した万葉の都・奈良への旅。全開の笑顔からドレスをまとう大人びた表情、本人こだわりの袴姿まで、アイドルとして最後の姿を収めた一冊。
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【新刊】『晴れ姿の言葉たち』宮田愛萌&渡辺祐真(宮田愛萌さんのサイン入り)
¥1,650
四六/232ページ(宮田愛萌さんのサイン入り) 推し、恋愛、創作、言葉、コミュニケーション…… “恋をしたことがない”小説家とコンプレックスだらけの書評家が赤裸々につづる感動の往復書簡! 残念ながら四半世紀の人生のなかで、恋をしたことがありません。アイドルにぴったりだねと言われてきましたが、恋を歌うのに恋を知らないなんてまるで作家ねと思っておりました。 ――宮田愛萌 僕はアイドルとか芸能人を好きになったことがないし、いまでもその感覚が本当のところはよくわかりません。多分それは、顔で勝負できる人に対する強烈な劣等感があるからです。(…)僕は暗くて、どうしようもないやつで、キモい顔なんだと思っていました。 ――渡辺祐真 ・アイドルとは“来訪神”のようなものかも知れない ・感情という色に「名前をつける」と正しく感情となる ・ときには言葉のキャッチボールではなくドッジボールを! ・愛萌流“長所と混ぜ込む”コンプレックスの扱い方……etc. みずみずしい「はじまりの言葉」がここに。
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【新刊】『今夜 凶暴だから わたし』詩・高橋久美子、絵・濱愛子
¥2,640
四六版・ハードカバー/304ページ お月さまや、 お月さま。 三十五歳の女は どんなことを考えていたら 普通なのだろうか 大胆なわたし、心許ないわたし、素直なわたし… 鋭い詩と奔放な絵が織り成す珠玉の詩画集。
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【新刊】『「百学連環」を読む』山本貴光
¥3,520
A5判/528ページ 150年前の知のマップを眺望する―― 西周の私塾での講義「百学連環」は当時の西欧諸学を相互の連関の中で見渡そうとする試みであった。 その講義録を現代の言葉に置き換え精読することで、文化の大転換期に学術全体をどう見ていたかに迫る。 【メディアでの紹介】 『毎日新聞』「学問の大事さ思う「私流講書始」評者:加藤陽子さん 『佐賀新聞』「現代に投げかける問い」 『新潟日報』「細分化する知に普遍を問う」 『愛媛新聞』「明治の啓蒙期ゆえの訴求力」 『京都新聞』「細分化された個別学を超えて」 『徳島新聞』「「普通学」の必要性訴える」 『山梨日日新聞』「個別学を越え「普遍学」へ」評者:清水多吉さん 『週刊読書人』「「読む」とはいかなる営為か 「百学連環」エッセンス版」評者:大澤聡さん 『日本経済新聞』「自由に西欧の諸学をつなぐ」
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【新刊】『金子兜太 〔俳句を生きた表現者〕』井口時男
¥2,420
四六判/240ページ “現役大往生”から三年、画期的兜太論。 戦後俳句の巨人、金子兜太(1919‐2018)の逝去から三年。出征したトラック島での極限の戦場体験を原点として、「造型性」を掲げた前衛俳句を追求した前半生から、やがて「衆」の世界へと大きく舵を切り、さらに晩年にはアニミズムに軸足を据えたこの俳人の、生涯を貫いていたものは何だったのか。 戦後精神史にまぎれもなく屹立する比類なき「存在者」の根源にある思想を、「野の人」として見事に描き出す。気鋭の文芸批評家による画期的金子兜太論。
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【新刊】 『“山"と“谷"を楽しむ建築家の人生』
¥2,420
SOLD OUT
四六判/330p 7人の建築家に人生で「人生で苦しかった時」「乗り越えた時」を尋ねたインタビュー集。自分の道を切り開くためのメッセージ。 ときにしたたかに、ときに子どものように純粋に建築と向き合った話は、建築の仕事を楽しむことをはるかに超えて、人生をいかに豊かで意義深いものにできるか、という広がりさえもっている。 その言葉たちは目の前にある不安を大きなワクワク感がうやむやにして、建築を目指す若者たちの背中をあっけらかんと押してくれる。 建築に臨む態度、経営思想も尋ねており、あらゆる世代の設計関係者にもお薦めできます。 【目次】・始めに 人生を有意義なものとするために 山﨑健太郎 1 永山祐子 (永山祐子建築設計)‖「やらなくていいこと探し」から道を切り開く 2 鈴野浩一(トラフ建築設計事務所)‖繋がりを大切に、熱中しながら進む 3 佐久間悠(建築再構企画)‖ニーズとキャリアから戦略を立てる 4 谷尻誠(サポーズデザインオフィス)‖不安があるから、常に新しい一手を打つ 5 小堀哲夫(小堀哲夫建築設計事務所)‖探検家的スピリットで建築を探求する 6 五十嵐淳 (五十嵐淳建築設計事務所)‖ 琴線に触れるもの、違和感と選択 7 森田一弥(森田一弥建築設計事務所 )‖旅と左官を通し、歴史と文化を血肉化する ・鼎談 いつの日か、マイナスもプラスに書き替わる ‖ 山﨑健太郎/西田司/後藤連平 ・〝山〞に登って振り返ると、〝谷〞だったと気づいた。‖ 西田司 ・後書き建築人生を切り開く開拓者たちへ ‖ 後藤連平
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【新刊】 『私労働小説 ザ・シット・ジョブ』ブレイディ みかこ
¥1,650
四六判/252p 「自分を愛するってことは、絶えざる闘いなんだよ」。魂の階級闘争の軌跡! 「あたしのシットはあたしが決める」 ベビーシッター、工場の夜間作業員にホステス、社食のまかない、HIV病棟のボランティア等。「底辺託児所」の保育士となるまでに経た数々の「他者のケアをする仕事」を軸に描く、著者初の自伝的小説にして労働文学の新境地。 「自分を愛するってことは、絶えざる闘いなんだよ」 シット・ジョブ(くそみたいに報われない仕事)。店員、作業員、配達員にケアワーカーなどの「当事者」が自分たちの仕事を自虐的に指す言葉だ。 他者のケアを担う者ほど低く扱われる現代社会。自分自身が人間として低い者になっていく感覚があると、人は自分を愛せなくなってしまう。人はパンだけで生きるものではない。だが、薔薇よりもパンなのだ。 数多のシット・ジョブを経験してきた著者が、ソウルを時に燃やし、時に傷つけ、時に再生させた「私労働」の日々、魂の階級闘争を稀代の筆力で綴った連作短編集。 ■声を出さずに泣く階級の子どもがいる。 ■水商売では年齢と美醜で判断されて、失礼な言葉や態度を許容することでお金を貰う。失礼を売り、失礼を買う。失礼は金になるのだ。 ■何かを感じたり、ムカついたりする主体性のある存在として認識しない者は、相手の賃金だけでなく、人間としての主体性さえ搾取している。 ■革命とは転覆ではなく、これまでとは逆方向に回転させることなのかもしれない。 【目次】 第一話 一九八五年の夏、あたしたちはハタチだった 第二話 ぼったくられブルース 第三話 売って、洗って、回す 第四話 スタッフ・ルーム 第五話 ソウルによくない仕事 第六話 パンとケアと薔薇 あとがき
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【新刊】『次の夜明けに (現代台湾文学選1)』
¥2,090
四六判/224ページ 現代台湾文学選、始動。 近代台湾史を貫く民草の悲哀を重層的に捉えた作品だ。勇気と保身、執着と後悔、正義とその代償。何かを得るために何かを失うのが人生なのだとしたら、彼らは誰ひとり間違ってなどいない。 ――東山彰良(小説家) よどみなく流れる物語に心を打たれる。徐嘉澤は優れたストーリーテラーなのだ。そして知らぬ間に読者は、複雑で入り組んだ台湾の歴史の記憶のなかに引きこまれてゆく。 ――郝譽翔(作家) 『次の夜明けに』は徐嘉澤の野心作である。台湾の大きな歴史と個人のささやかな欲望を一本の辮子(ピエンツ:お下げ)あるいは鞭子(ピエンツ:鞭)へと巧妙に編み上げて、苦悶の暗黒時代のなかに、ヒューヒューと音をたてながら、一すじ一すじの光明の所在を明らかにしていく。 ――紀大偉(作家) 台湾の新世代作家の一人、徐嘉澤 本作が本邦初訳 1947年、二二八事件に始まる台湾激動の頃。民主化運動で傷つき、それまでの生き方を変えなければならなくなった家族。新聞記者の夫とともに、時代の波に飲まれないよう、家族のために生き、夫の秘密を守り続けて死んでいった春蘭(チュンラン)。残された二人の息子、平和(ピンホー)と起義(チーイー)は、弁護士と新聞記者として、民主化とは、平和とは何かを追求する。起義の息子、哲浩(ジョーハオ)は、歴史にも政治にも関心がなく、ゲイだと告白することで一歩を踏み出す。三代にわたる家族の確執を軸に、急激に民主化へと進む時代の波に翻弄されながらも愛情を深めていく一家の物語。
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【新刊】『人間の条件』ハンナ・アレント
¥1,650
文庫判/550ページ 人間の活動的生活を《労働》《仕事》《活動》の三側面から考察し、《労働》優位の近代世界を思想史的に批判したアレントの主著。 【解説:阿部齊】 条件づけられた人間が環境に働きかける内発的な能力、すなわち「人間の条件」の最も基本的要素となる活動力は、《労働》《仕事》《活動》の三側面から考察することができよう。ところが《労働》の優位のもと、《仕事》《活動》が人間的意味を失った近代以降、現代世界の危機が用意されることになったのである。こうした「人間の条件」の変貌は、遠くギリシアのポリスに源を発する「公的領域」の喪失と、国民国家の規模にまで肥大化した「私的領域」の支配をもたらすだろう。本書は、全体主義の現実的基盤となった大衆社会の思想的系譜を明らかにしようした、アレントの主著のひとつである。 【目次】 第1章 人間の条件 第2章 公的領域と私的領域 第3章 労働 第4章 仕事 第5章 活動 第6章 〈活動的生活〉と近代