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【新刊】『小さな声の島』アサノタカオ

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戦争、疫病、異常気象。ふと顔をあげれば、日々の暮らしにさす死の影がますます濃くなる暗い時代がそこにある。花にも歌にも詩にも、この暗さを明るさに変える強さはない。……個としてははかなく弱くても、種のいのちがあまねくつづいていく、そのつよさを信じたい。あまねくつづいていくものに根ざす詩のことば に、美しさに、心とからだをやわらかく広げて待機していたい。
——アサノタカオ 本書より

旅と読書は、「本当に大切なこと」を、さびしさに震える君に教える。

サウダージ・ブックスの編集人である著者が雑誌、リトルプレス、ウェブマガジンに寄稿したエッセイを集成し、未発表の台湾紀行も収録。家族の歴史について、移動と定住について、小さな声を守る詩のことばについて、本のかたわらで考える随筆集。


目次

プロローグ——旅と詩、五冊の本

1 家族のはじまり

台湾への旅、沈黙への旅

2 旅することと住まうこと

ひそやかな約束
アナーキー・イン・ザ・小豆島
ここではない、どこかの港へ
血の繫がりや地域の繫がりは大事ですか?

3 小さな声の島

聴こえてくる声を待ちながら——永井宏
『幼年画』のことなど——原民喜
蔵書返却の旅——塔和子
山尾三省をめぐるふたつのエッセイ
「牛」と「らば」と「烏」、生きのびるうつくしいものたち

エピローグ——幕なしのダンス

後記


著者紹介

アサノタカオ
編集者。1975年生まれ。2000年から3年間ブラジルに滞在し、日系移民の言語生活に関する人類学的調査に従事。その後、東京と香川の出版社を経て独立。現在はサウダージ・ブックスの編集人をつとめるほか、文学・人文社会・アートなどの領域で仕事をしている。著書に『読むことの風』(サウダージ・ブックス)など。明星大学、二松学舎大学非常勤講師。

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