【新刊】『人生のレールを外れる衝動のみつけかた 』谷川嘉浩
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「本当にやりたいこと」「将来の夢」「なりたい自分」こんなテンプレに惑わされないために。
変化を恐れない勇気、あげます。
「将来の夢」や「本当にやりたいこと」を聞かれたとき、
それっぽい答えを言ってやり過ごしたことはないですか?
自分を忘れるほど夢中になれる「なにか」を探すために
スマホを置いて一歩を踏み出そう。
【本書に登場する話題】
魚豊『チ。』/山田鐘人・アベツカサ『葬送のフリーレン』/伏瀬『転生したらスライムだった件』/山口つばさ『ブルーピリオド』/屋久ユウキ『弱キャラ友崎くん』/香山哲(漫画家)/黒澤明/ドストエフスキー/ウィリアム・ギブスン『ニューロマンサー』/ジョージ・ソーンダーズ(作家)/ジェニー・ホルツァー(現代アーティスト)/空揚げの無料配布/幽霊文化/マーク・フィッシャー/キルケゴール/フロイト/チャールズ・テイラー/プラグマティズム/宇野常寛/小川公代/鶴見俊輔/森田真生/けんすう『物語思考』/ダニエル・ピンク『モチベーション3・0』/クレイトン・クリステンセン『イノベーション・オブ・ライフ』/スタンフォード式 人生デザイン講座/「本当にやりたいこと」/キャリアデザイン/OODAループ/言語化/観察
【目次】
序 章 なぜ衝動は幽霊に似ているのか
「自分ではもうコントロールしきれないくらいの情熱」 / 魚豊『チ。』のストーリー /
要領のよさの反対にあるもの / 「え? なんでそんなことを、そんな熱量で?」と思われること /
衝動に気づくことの難しさ / 衝動は「幽霊」のように憑く /
「将来の夢」は、世間の正解をなぞる語り / 「本当にやりたいこと」という言葉遣いを避けた方がいい /
衝動はすべてを脇に置いて、その活動に取り組ませる
第一章 衝動は何ではないか
ダニエル・ピンクの『モチベーション3・0』 / 三種類のモチベーション /
インセンティヴと内発的動機づけ / 衝動は、モチベーションの言葉遣いでは説明できない /
対価をもらわずに空揚げを作って配る人の話 / 「なぜ空揚げを作るのか」に関する、本人による説明 /
衝動は、説明から常に零れ落ちる / 衝動は、自分でも驚くような行動をもたらす /
衝動には、極端な持続性がある / ジークムント・フロイトの欲動論/衝動についてこれまでわかったこと
コラム 否定神学、他人指向型、『葬送のフリーレン』
第二章 衝動とは結局何ものなのか
衝動に積極的な定義を与える / 欲望の「強さ」に目を奪われるな/深い欲望の性質 /
自分の深い欲望はわからないのが常態 / 強さを基準に衝動を把握しないこと /
型破りな人を研究する「ダークホース・プロジェクト」 / 偏愛は抽象的に捉えてはいけない /
偏愛を解釈した先に衝動が見えてくる / 偏愛は細かく詳しく言葉にすべき /
SNSと偏愛の相性の悪さ / 自分が何を楽しんでいるかを解釈する必要性 /
衝動は唯一の生き方を定めるわけではない / 衝動についてこれまでわかったこと
コラム 言語化のサンクコスト
第三章 どうすれば衝動が見つかるのか
偏愛から衝動へ降りていく方法 / セルフインタビューで偏愛の解像度を上げる /
考えや思いを控えないように、自分を丁重に扱いながらインタビューする /
自分を粗末に扱わないためのいくつかのテクニック / 違和感や不快感から捜査をはじめる /
「物語」でなく「細部」に注目する / 黒澤明「生きる」の記憶を再解釈する① /
黒澤明「生きる」の記憶を再解釈する②/感性を再起動する二つの方法 /
欲望の発見術としての欠乏 ― 宇野常寛さんの方法 /
「それっぽい言葉」は支えにならない ― 鶴見俊輔さんの方法① /
「紅茶を飲むためなら世界が破滅しても構わない」 ― 鶴見俊輔さんの方法② /
ドストエフスキーの爽やかな衝動 ― 鶴見俊輔さんの方法③ /
感じる力を取り戻すためのニヒリズム ― 鶴見俊輔さんの方法④ / 衝動についてこれまでわかったこと
コラム 「それっぽい説明」から逃れるには
第四章 どのようにして衝動を生活に実装するのか
心理学者ジョン・デューイと、「衝動」の考察 / 他者の目的にやみくもに従うことの問題性 /
衝動にやみくもに従うことの問題性 / 衝動と知性の関係 /
知性で衝動に働きかけることで、目的は形作られる / ①環境を観察すること /
②記憶を探索すること / ③意味を判断すること / 衝動は目的や戦略へと翻訳される /
衝動の力が続く限り、目的や戦略は成長していく / 衝動は、行動を再構築する /
衝動には「溜め」がある / 衝動がもたらす自己変容の体験 / 衝動についてこれまでわかったこと
コラム 観察力の重要性 ― 絵画観察のワークショップからOODAループまで
第五章 衝動にとって計画性とは何か
衝動に基づく生き方は何が違うのか / 本書の考えとキャリアデザインは何が違うのか /
キャリアデザインという考え方の性質 / 衝動は計画性をどう取り込むのか /
自分の偏りや特性に基づいた計画性 / リスクとは、自分の個人的な偏りに適合しない生き方のこと /
実験的に試行錯誤するという計画性 / 衝動についてこれまでわかったこと
コラム 社会的成功と結びつけない
第六章 どうすれば衝動が自己に取り憑くのか
自分を「感じやすいメディア」にする方法/感じるのを控える現代人 /
クリステンセン『イノベーション・オブ・ライフ』の見方 /
クリステンセンの議論が持つ〈内向きの流れ〉 / 自分の内側と外側が浸透し合うという視点 /
緩衝材に覆われた自己と、多孔的な自己 / 自己が感じやすいメディアになることのマイナス面 /
ちょっとした行動で「善なるものを招き入れる」 / 実験が感受性を起動させる /
目の前のものに誘惑される力 / ライブで体験しなければ意味がないのか問題 /
自分を過去に同期させよ ― キルケゴールの聖書読解/物語へのジャックイン /
〈瞬間〉へのジャックイン / 衝動についてこれまでわかったこと
コラム 衝動の善悪を線引きすることはできるか
終 章 衝動のプラグマティズム、あるいは実験の楽しみ
マルチタスキングで「寂しさ」を埋める / 刺激やおしゃべりに薄い注目しか向けない /
「寂しさ」が導くルートと「衝動」が導くルート / 生活の中心を、〈趣味〉の楽しさに置くこと /
プラグマティズム、あるいは実験の楽しみ
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