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【新刊】『ゆっくり歩く(シリーズ ケアをひらく)』小川公代

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/296ページ

新ケア論、母の遅さで。

母が難病にかかった。
生きる気力が萎えていく母を前に、娘の頭をある小説の断片がかすめる。
「そういえば、ボルヘスっていう作家がね……」。
以来娘は、母の魂が渇望する物語を探しながら、言葉に救いを求めつづけてきた――。

本書は生と死のはざまで揺れる母や祖母について思いをめぐらせたエッセイであり、娘と母の「言葉のやりとり」を大きく取り上げたドキュメントです。
ときに抱腹絶倒、ときにしみじみと物語の感想を語り合う和歌山弁のおしゃべりからは、言葉を介してつながろうとする人たちの姿が浮かび上がってきます。

【本文より】
「お母さん、これに乗るで。これ乗れやんかったら、遅刻かもしれへんからな」
「よっしゃ。きみちゃんについていくで〜」
母はそれまで以上に杖をせわしなく動かし始めた。
その瞬間、二人の息がぴったり合い、スピードがぐんぐん上がる。
一人は二人分の荷物を持ってあたふたしており、
もう一人は老婆で杖をついて四苦八苦して歩いている。
それでも二人は競歩の選手のように真剣な表情を浮かべて電車に向かっていくのだから、
側目にはたいそうおかしかったに違いない。

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